オーダーメイド
「シャル、マリア、ドワーフって見た事ある?」
「あるわよ、ウチのお抱え鍛治師がドワーフだもの」
「さすが王家、ドワーフをお抱えに出来るんだもんね」
「ドワーフ作の武器は高いのか?」
「普通の人の打った物に0が一個二個つくよ、何?作ってくれるの?」
「うん、二人の装備の増強をしようと思って。二人都合つく日ある?本人を連れて来いってさ」
「ドワーフの鍛治師なの?ガンドルフさんかしら?」
「あ、そういえば名前聞くの忘れてたな」
「王都にいるドワーフってあまり多くないもんね、一緒の人かもね」
再度鍛治工房へやって来た、シャルとマリアを連れて。
「こんにちは〜」
「おう、この間の若造。ってシャルちゃんか⁉︎」
「ガンドルフさん、お久しぶり」
「おぉ〜、大きくなって綺麗になって‥‥‥」
「ありがとう、今日はワタシともう一人オーダーメイドしてもらおうと思って」
「シャルちゃんなら大歓迎だ、もう一人は随分可愛らしいな」
「マリアと申します、よろしくお願いします」
「小僧、こんな美人二人も連れて。お前只者じゃないな?」
「はは、まぁそれはいいとして。素材として使って欲しいのがコレなんです」
ドラゴン素材を出す、ガンドルフさんが固まる。
「‥‥‥間違いじゃなきゃコレはドラゴンの牙に鱗だな。コレをどうやって手に入れた?」
えーっと、どう言えばいいかなぁ?正直に言った方がいいのか?
「ネロがドラゴン討伐したからよ」
おぉーい、シャルさん!どう言うか悩んでたのに言っちゃうのかよ!
「こんな細い小僧が?本当か?」
疑われてるぅ〜、仕方ないけどさぁ。
「ネロはすごく強いのよ、こう見えて」
マリアも「こう見えて」は要らなくない?
「とにかく二人の剣と槍を作って欲しいんです。出来ますか?」
「‥‥‥やらせて貰おう、ドラゴン素材などざっと100年ぶりだ」
「‥‥ガンドルフさん、お幾つなんですか?」
「多分250歳くらいだ」
ドワーフも長寿種族なんだっけ、エルフはもっと長いみたいだけど。
ガンドルフさんはシャルとマリアの手や腕の長さをじっくり見ていた。手に馴染むものを作るのに必要な工程なのだと言う事だ。ちなみに支払いは王家が出してくれるそうだ、王妃様の薬代って言われてしまった。ドラゴン素材の売却益が結構有るんだけど使うところがあまりないなぁ。まぁ貯めておけばいいか。
一週間で剣も槍も出来るらしい。そこで最終調整するのでその日も空けておくように言われた。オーダーメイドは大変だなぁ。
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