フレイン辺境伯家
辺境伯邸に着いて熱烈歓迎ハグをされた。後ろのトーマス様がニコニコしている、こっちの世界の女性ってなんか積極的じゃないか?割と普通なのか?
「やぁ、水神ネロくん。クッションありがとう」
「トーマス様、水神はやめてください」
「ハハ、トーマス様もやめてくれ。立ち話もなんだから中へどうぞ」
「ありがとうございます」
「家族を紹介しよう。長男のフランツと長女のソフィア、次女のクラリスだ」
「長男のフランツだ」
「長女のソフィアよ、よろしくね」
「次女のクラリス」
フランツさんはデカイ、ポール兄タイプだ。ソフィアさんは綺麗な方だ、エリザベート様に似てる、姉妹に間違えられそうだよな。クラリスさんはクールだ、必要な事以外話さない。
フレイン家では槍の才能が出やすいらしくトーマス様とフランツさんが『槍帝』、ソフィアさんとマリアが『槍王』クラリスさんは少し別で『治癒師』という激レア才能らしい。エリザベート様以外にも第二第三夫人達がいるらしいが今日は関係ないのでいいだろう。
「ネロ=ヴァッサーと申します。マイチー州ヴァッサー子爵の三男です。よろしくお願い致します」
「おい、ネロとやら。俺は認めんぞ‼︎」
おぉぅ、先制パンチだな。
「フランツ、控えよ」
「父上、こんなヒョロヒョロにマリアが嫁ぐなど許せませぬ、反対すべきです」
「ネロくんは神級の祝福を‥‥‥」
「それが間違いなのです、神級の祝福などと聞いた事がない」
マリアがこっそり教えてくれた、フランツさんはマリアを溺愛していたそうだ。なるほど、それほど可愛いがっていた妹を取られるとなれば冷静で居られなくなったのだろう。
「発言を慎め、フランツ。神級の祝福と認めたのは教皇猊下であるぞ」
「猊下も高齢ですからなぁ」
わぁ、すごい発言だ、さすがにそれは不味くないすか?
「もう良い、下がれ。今のは聞かなかった事にする」
「下がりませぬ」
マリアからの抗議が入る。
「お兄様、いい加減にして下さい!」
「マリアよ、お前は騙されているのだ、こんなヒョロヒョロが強い訳なかろうが」
俺は魔術師だぞ、そりゃ腕力も体力も無いけどさ。
「ネロは魔術師ですよ」
「そうだ、それが気に入らん。魔術師なら腕力も体力も無くても良いのか?魔力が切れたらただの案山子だ」
うん、それはもっともですね、間違ってはいないです。普通の魔術師ならば、ですけど。
「おい、ネロとやら、貴様俺と戦え!」
「え?」
「貴様の弱さを証明してやる」
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