卒業前
学業、ダンジョン探索、魔法訓練と繰り返し俺は15歳を迎えた。成人だ。成長もして178cmくらいだ、前世の最後の身長と同じだ、職場の子に一番のモテ身長だと言われたが何の説得力もなかった。何故ならその子に告白して振られたからだ。
シャルは背も伸び剣の腕も上がった。才能が剣帝だからな、ほっといても伸びるのに頑張ってしまった、「剣姫シャルロット」と呼ばれ、今では王国で両手の指に入るであろう腕前だ。
マリアはあまり背が伸びなかった。ただ小さな体で長い槍を振り回す様を見て、近づくと危険な事から「山嵐」と称され王国でも有名な槍士となっていた。
最近は二人とパーティーを組んでダンジョンに入る事が増えた。俺と組む事で一気にイージーモードになってしまうらしくシャルには「もうアナタ以外と組める気がしないわ」と言われてしまった。今のランクはBだ。
クリフはテトラの才能を発揮し、三年次後期までに12の論文を編集、提出し大学院に進路が決定している。残念ながら冒険者としては才能が活かせないと周りからの説得もあり今は学術方面で大活躍している。
マチルダ学院長は学院長を退任し、研究者一本でやっていく決意表明をして先日受理された。新学院長は誰かわからないけど卒業する我々にはあまり関係ないだろう。余談だがクリフとマチルダ先生はやはり親戚だった、叔母さんに当たるらしい。
ギルマスとナタリーは変わりなくギルドにいる。ナタリーは変わらず語尾が長い。ギルマスは俺との模擬戦以来ちゃんと話を聞いてから、という方針に変わったらしい。
ローズとサラは相変わらずだ、だが最近俺へのボディタッチが増えた気がする。なんか
匂いが変わったとかいっていたが詳しくはわからない。
最近多いのが見合い話だ、それこそ何とか伯爵の娘やら何ちゃら侯爵の孫やら多すぎて覚えられない。不満を口にするとシャルやマリアは不機嫌になる、理不尽だ。だからクリフにしか相談出来ない。クリフはクリフで婚約したらしい、相手は何とか侯爵の娘とか何とか、名前はカタリナさんだ。気立の良い美人だったと覚えている。
結婚と言えばピーター兄が結婚した、相手はなんとララさんだ。つまりクリフと親戚になってしまった。ピーター兄は家を継ぐので伯爵の娘だと身分的にも丁度いいらしい。結婚式は初夏に行うらしい、前世で言うジューンブライドって感じなんだろうな。
ポール兄は王都の騎士見習いから騎士になった。たまに仕事しているのを見かける。結婚は上司からよく言われるらしいがのらりくらり躱しているらしい。
しかし結婚かぁ、シャルやマリアも適齢期だろうからいつまでもこうして遊んでくれないよなぁ。前世では結婚出来なかったし未体験ゾーンだ。こっちでは結婚出来なかったら一人前にみられないからなぁ。
ん?なんだ、この感情。シャルとマリアが誰かのものに?なんかすごく嫌だ、あれ?これ、あの二人が好きってことか?
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