俺はハイド
俺はハイド。ネロ父様とシャル母様の長男で現在11歳。
次の春からは王都学院に通う予定だ。
幼い頃から鍛え上げられていた。剣術は母様に、魔法はヨウコちゃんさんに、戦闘技術はローズさん、サラさんに。
我が家には先生がいっぱいいた。だからそれなりに強くなれたと思う。妹達もライバルの様なものだったから余計に鍛錬に打ち込めたと思う。
ビアンカは槍が上手い。マリアさんに小さい頃から鍛え上げられて、マリアさんからはこの歳で免許皆伝だってお墨付きだった。
フローラはジャンヌさんに体術を、ナタリーさんに家事を教わってた。
俺も含めてみんなの魔法の先生はヨウコちゃんさんだ。
ネロ父様の記憶はあまり無い。遊んでもらったりの記憶は有るけど少しだけ。背は高かったけど、がっしりしてる感じじゃなくて細い感じだった気がする。ほとんど家にいなかったと思うし、5歳の頃からはずっと帰ってこない。母様達はそのうち帰ってくるって笑ってるけど‥‥‥。
どこか別の女の人のところに行ってしまったのでは‥‥‥? 母様達にはそんな事聞けないし不安だった。
「お兄様‥‥‥、考え事ですか?」
「フローラか‥‥‥。すまん、父様の事を少しな‥‥‥」
「父様‥‥‥、私はどうでもいいですわ。私達家族を放っておいて何をしてるのかわからない人なんて‥‥‥」
「私もどうでもいいかなぁ‥‥‥。それより今度ダンジョンに行きましょうよ、兄様!」
ビアンカも来た。
「ダンジョンか‥‥‥。腕試しにはちょうどいいかもな‥‥‥。行ってみるか!」
「兄さん、僕も行きたいよ‥‥‥」
「レオン‥‥‥、さすがにお前は早すぎるよ。家でみんなを守ってくれるかい?」
「‥‥‥わかった」
レオンはジャンヌさんの子だ。6歳に満たないくらいなのにこの家で二番目に弓が上手い。
という訳で、冒険者ギルドにやってきた。ローズさん、サラさんは有名だけど、俺たちは初めてだったから少し緊張した。
「珍しく緊張してるのか? ハイドよ」
? あれ?
ローズさんの口調が普段と違うな。
「ローズさん、何ですか、その話し方は?」
「‥‥‥ちょっと黙っててくれるか、ハイド」
なんか事情があるんだろうな。
うん、黙っておこう。
「ローズさん、サラさん。お久しぶりです。その子達はまさか‥‥‥」
「あぁ、ジーン。そう、ネロの子達だ。冒険者登録をしようと思ってな」
「おぉ! それはすごい! 早速手続きをしましょう!」
さすがローズさん、有名なんだな。父様もそこそこ有名ではあるのだろうが‥‥‥。
母様も家のみんなもあまり父様については詳しく教えてくれなかったから、よく知らないんだ。
ジーンという受付の人の言う通りに水晶に手を触れる。
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ハイドール 11歳
HP 170/170
MP 10/10
腕力 15
器用 12
素早さ 15
体力 12
魔力 10
魅力 19
剣術LV5
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「はぁー! さすが剣姫シャルロットさんのお子さんですね。この歳で剣術LV5とは‥‥‥」
そんなに驚く事かな?
我が家では弱い方だろうに‥‥‥
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ビアンカ 10歳
HP 150/150
MP 20/20
腕力 13
器用 13
素早さ 15
体力 11
魔力 11
魅力 19
槍術LV4
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フローラ 10歳
HP 150/150
MP 20/20
腕力 12
器用 13
素早さ 16
体力 11
魔力 12
魅力 19
体術LV4
家事LV2
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「いや、みんな優秀なステータスですよ、まだ成長途中ですのに。ステータスだけでもCランクくらいでもいけるんじゃないですか?」
おぉ、じゃあCランクから始めようかな?
「いや、おだてないでくれ。通常通りFランクからで頼む」
ローズさんに釘を刺された。
まぁ、そうだよな。
「わかりました。常設依頼から選んでください」
ビアンカとフローラが騒ぎ出す。
「ローズさん、討伐系が良い! 腕試しだもの」
「ローズさん、まずはゴブリン狩りでしょ?」
「そうだな。お前達はパーティーとしてバランスも取れているから、ゴブリン狩りから始めようか。用紙を取ってこい」
こうして初依頼はゴブリン狩りに決まった。
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