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帝都ペイキン


 雲に乗って飛んできたので、だいぶ早く着けそうだ。目的地は帝都ペイキン。 

 このペイキンがとんでもなく広い。ペイキン市内を雲で飛んで移動したいくらい広い。


 そんなところで魔術ギルドを探す。

 途方もない話だ。


 少し離れた人目のつかない場所で雲から降りる。空を飛ぶのは気持ちが良かった。戻ったらみんなも乗せてやろう。マリア以外な。


 城壁の門で入城検査をされる。入国手続きは面倒だけど入城検査はギルドカードでいけるだろう。仮にもSランクだからな。




 なんて思っていた時が、僕にも有りました。


「なんでこうなる?」

 俺は牢屋の中にいた。


「入国手続きをしてないではないか?密入国は大罪だぞ!」と捕まってしまったのだ。

 誰だよ、Sランク冒険者は入国手続きしなくてもいいなんて言ったのは。


俺を牢屋に入れた衛兵はニヤニヤして近づいて来た。

「出すものを出せば見逃してやっても良いがな?」


 数時間雲を操作して疲れたので、ウォータークッションでくつろぐ。あれ?前にもこんな事があったような‥‥‥。


「な? 何をしてる? キサマ! そんなものどこから出した⁉︎」

「疲れたので休ませてもらいますね」

 クッションをベッドに変えて横になる。

まぁ、いつでも出られるしな。少し仮眠しよ。




「‥‥‥! ‥‥‥きろ! 起きろ!」

「ん‥‥‥、あれ? 誰?」


「何故こんなところで寝てるんだ? Sランクの冒険者、ネロだろう?」

「んー、はい。そうです。貴女は?」


「魔術ギルドのクリスだ。私宛の手紙を持っていただろう。それで迎えに来たんだが、なんで牢屋に入っているんだ?」

「俺もよくわからないんですよ。Sランク冒険者は入国手続き要らないって聞いたからそうしたのに‥‥‥」


「まぁ、Sランクなんて滅多にいないからな。ギルドカードを偽造したと思ったそうだ」


 衛兵隊長以下一同が並んで頭を下げていた。

「誠に申し訳ございません、ネロ殿。そのなんと言いますか‥‥‥」

 隊長がモゴモゴ言ってる。



「見た目が弱そうだから、ニセモノだと思ったそうだ、ネロよ」

 クリスさんがストレートに伝えてきた。隊長が「言っちゃった!」って顔してる。


「あぁ、そうですか。それは慣れているので、どうでもいいです。少し休ませてもらったので、こちらこそありがとうございました」



「で、えーとクリスさんが魔術ギルドの人なんですね。お話してもよろしいですか?」

「あぁ、だが場所を変えよう。ギルドに案内しよう」

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