正式なプロポーズ
思い返せば、卒業時のプロポーズは酷かったな。何も無しに突然二人に結婚を前提に付き合ってとか。
こういう話はクロエさんが好きみたいで色々と相談に乗ってくれた。この店を予約してとかここのタイミングでアクセサリーを出すとか。
「あー、でもマジで羨ましい。ネロ、アタシも囲わない?」
「すみません、この間怒られたばっかりなんで」
「秒でフラれてっし!マジウケる!冗談だよ」
ギャルエルフのクロエさんのおかげでプロポーズの段取りが出来た、さすがは年の功だな。
戦場はコース料理が自慢の店だ、昼と夜の間に行き、打ち合わせをお願いする。クロエさんの名前を出したら、喜んでやってくれる事になった。
プロポーズの瞬間に照明を落として、店のお客さんまで巻き込んでやりましょうって言うから断った。目立つじゃん!個室でお願いしますよ。
だいたい打ち合わせは出来て、当日だ。シャル、マリア、ナタリーをエスコートする。馬車の乗り降り時も手を差し出して。普段やりつけてないから不自然かな?シャルにクスッと笑われた。
店に入って個室に案内してもらう。三人の椅子を引く。マリアがププっと吹き出す。そんなに変かな?
「打ち合わせ通りで」「かしこまりました」
小声で言ったのだが、聞こえたのか?ナタリーが笑いを我慢している。
シャンパンが注がれる。少し飲んだ方が話もしやすくなるだろう。
「じゃあ乾杯しよう。三人の妻達に!」
「「「あはは」」」
我慢出来ずに吹き出してしまったようだ。
「そんなに不自然だったかな?」
「ごめんなさい、ネロ。でも可笑しくて」
「不自然過ぎて、何かするのバレバレだよ」
「ネロくん、ごめんね。本当に嬉しいのよ」
サプライズは失敗です、クロエさんの計画のせいでも、お店のスタッフの対応のせいでもありません。俺のぎこちなさのせいです。
ともあれ、逆に雰囲気が柔らかくなって楽しい食事会になった。メインも出て来てデザートの前に、ある意味メインのアクセサリーだ。
それぞれの前に一種類ずつ置かれる。指輪、腕輪、ネックレスの説明をしてキメの一言だ。
「このアクセサリーで身を守りながら、俺について来て欲しい。改めて、結婚して下さい」
「「「はい」」」
途中笑われたりしたけど、結果良かったみたいだ。終わり良ければ全て良しってやつかな。
あと少しで完結します。
出来ましたら最後までお付き合いください。




