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思考が読まれる

 俺がシンクのお尻を乗馬鞭で叩きまくったのと、野盗の死体処理で馬車を止めて貰った。


「アイツ、悪魔でしょ!」


 シクシクと泣いているシンクのお尻に回復ポーションを塗っているシャルが平手でパチンと叩いた後に口を開いた


「確かに悪魔かもしれないけどユートは基本的には優しいよ」


「何処がよ! こんなにぶっ叩かれるとは思ってなかったわ!」


「いや、悪い事をしたのはシンクさんだよね! それで責任転嫁するのは違うと思うよ」


 ほう、ここで俺を悪魔扱いしなかったのか。俺は野盗の死体を掘った穴に埋めながら会話を聞く。


「それにユートがその気になればシンクさんをもっとエグい拷問に合わせる事も出来たんだよ」


 おいシャル。今度は俺の評判を落とす言い方をするんだ……と、思わず作業する手を止めて突っ込みたくなる。


「ユートさん、死体は穴の中に入れたから土をかけるよ」


「ああ」


 俺が固まっている間にも掘った穴に死体を埋めてから土をかけ、周りを確認した後に馬車に戻る。


「さてと、俺達も少し休憩してからカーメルの村に向かうか」


「はい。それとシャルさんも荷台の外に出て手を振っているから中に入っても良さそうだ」


 俺達は荷台に乗り込んでゆっくりしようとするが、シンクが鋭い目付きで睨んで来たのでコッチも睨み返してから口を開く。


「さっきのお仕置きでは足りなかったか?」


 自分でもビビりそうな低い声で喋るとシンクどころか他の3人も震えていた。


「本気で怒っているユートを初めて見たよ……」


「シンクさん早く謝れ! このままだとユートさんが爆発する」


「あ、アタシは……ごめんなさい!」


 俺以外にも睨まれたシンクは頭を下げて来たので俺は表情を戻し外の風景を見る。


「で、では出発します」


 パシッと鞭が鳴る音がして馬が走り出した。そして、日が暮れる少し前に目的地のカーメルの村に到着した。

 

 俺達がカーメルの村に到着した時に思ったのは……。


「暗くなりかけていてまわりが見えない」


「ユートさん、早く泊まる場所を見つけないとしんどくないか?」


「だな。すぐに動くぞ」


 俺達は馬車の運転手さんに聞いた村にある宿屋に向かい中に入る。


「いらっしゃい」


「えっと、2人部屋2つ空いてますか?」


「ああ、空いているぞ」


 宿屋のオッサンにルールや宿賃の値段を聞いて、俺達は男子と女子で分かれて部屋の中に入り、部屋に荷物を置いた後に食堂に向かうと運転手のお兄さんが手を振っていたので同じ席に座る。


「ユートさんとグランさんだけですか?」


「そうだな。シャルとシンクは部屋から出てないな」


 最初は4人部屋にしようかと思ったが、男女で問題がありそうなのとシンクの気が休まないと思い部屋を分けた。


「それならちょうどいいですね」


「ちょうどいい?」


 グランが運転手のお兄さん(名前はクルトさん)に聞き返すと、本人は真剣な顔をしながら口を開いた。


「さっきのユートさんがシンクさんにお仕置きした件ですが、アレは()()()()()()()()()()()()んですよね」


 ほう、俺の考えが読まれていたか。俺は真面目な顔になり、グランは少し戸惑っていた。


「えっと、どう言う事ですか?」


 グランは分かってないようでクルトさんに質問する。


「そうですね。簡単に言えば、あのままシンクさんが仲間になったらどうしますか?」


「それはオレなら反論するな。こんな危険な奴を入れたくないと」


「そう()()()()()。やり方はともかく、ユートさんが酷いお仕置きをする事でシンクさんに対して同情させる余地を作ったのですよ」


 まさかここまで読まれているとは……。俺はクルトさんに対して頷き言葉を発する。


「正直完敗です。俺の考えが読まれているとしても、ほぼ全てを当てられるとは思ってなかった」


 あのお仕置きは俺のやりたい事だったが、他の事は全部当てられたので驚いているとシャル達が来たのでこの会話は辞める。


「おまたせ。あれ、まだ食べてなかったの?」


「まあな。クルトさんにこの村の事を聞いていたからな」


 さっきの話を誤魔化したいので咄嗟に違う事を言うとシンクが口を開く。


「この村は芋系が有名よね」


「はい。この村のイモは蒸すとホクホクでかなり美味しいですよ」


 俺達はイモ系の食事メインで頼み腹一杯になるまで美味しくいただきました。


 夜ご飯を食べ終わり、俺は宿屋の外で涼んでいるとシンクが隣に立っていた。


「ねぇ、少しいいかしら?」


「別にいいがなんで座らないんだ?」


「そんなの決まっているでしょ! 貴方にお仕置きされたお尻がめちゃくちゃ痛いからよ!」


 気になったので聞いただけなのにそこまで逆ギレしなくても良くないか?と思いながらシンクが話を変えた。


「あの、ありがとう。あのままだとアタシは野盗で傭兵や衛兵に殺されていたわ」


「……別に礼を言われる事はしてないぞ」


「そうね。貴方がやった事はアタシを打ち負かして鞭でお尻を叩きまくった事よね」


 最近はストレスが溜まっていたので叩き過ぎた感はあったが、そこは気にしないようにしながら話を聞く。


「正直、当たり職業だから貴方にはわからないでしょ! の気持ちは大きかったけど、さっき部屋でシャルの話を聞いてそうじゃないと思ったわ」


「おいおいシャルめ。さては何か余計な事を言ったか?」


「それはね。貴方との出会いから今までの冒険、やっと役に立てるようになった自分、短時間だったけど綺麗に纏められていたわよ」


 その辺は美化されようが貶されようがどっちでも良いが、この事を聞くと恥ずかしくなって来たので、俺はシンクから視線をずらして空をみると本人は不服そうに言葉を発する。


「まさか、こんなサディストに助けられるとは思わなかったわ」


「サディストね。最高の褒め言葉だ」


 俺はシンクの方を改めて向くと本人は少し顔を赤くして喋った。


「今日はここまでしか言わないけど、アタシも貴方……いや、ユートに恩返し出来る様にするわ」


「そうか、楽しみにしているぜ」


 俺はシンクが部屋に帰り1人のタイミングになった時に小声で呟く。


「俺はそんなに善人でも聖人君子でも無いんだけどな」


 少し進んだ後に部屋に帰るとグランは寝ていたので俺も自分のベッドの中に入って明日に備える。


〈補足〉グラン 職業は初級魔法使い 年齢は15歳 (男)

 身長は165センチ、体重は54.5キロ、見た目は赤髪茶色の目をしている。

 能力は無属性魔法しか使えないが、魔力自体は高め。補助で魔法具を装着して戦っている。

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