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プロローグ

-- ん?


目を覚ました場所は見渡す一面真っ白の空間だった。

地平線が見えるほど、ただひたすらに広い空間。目の前には空中に浮かぶ地図のようなもの


-- ここ…どこだ?こんな所来た記憶は…。


周囲を見渡しながら僕はここに来た経緯を思い出そうとする。

しかし何も思い出せない。ここに着た経緯だけでなく「何もかも」思い出せない。

自分の名前、故郷など、生まれてから培ってきたはずの何もかもが。


自分自身に膨大な知識があること、その知識から物を考える知性がある事は理解できる。

しかし自分自身に関する事、また、その知識を如何にして得たのかの「経験が」そこには一切なかった。


物理学、数学、論理学、神秘学、工学、熱力学、経済学

文学、生物学、化学、言語学、歴史学、哲学、考古学

軍事学、人類学、民俗学、地理学、天文学、医学、薬学etc…


あまりに膨大で底知れない量の知識に戸惑いつつも、その知識の海を揺蕩いながら、僕は自身の現状を少しずつ理解していった。


まず僕はどうやら人類では無いらしい。

知識の中にある人類の姿形とはあまりにかけ離れているらしく、手足はおろか、生物学的に欠かせないであろう胴体すら自分には見当たらない。


もし万が一これが事故か何かによる四肢欠損であるならば、そこには幻肢症状が、見られるはずだ。


それも見られない以上、僕には元々四肢も胴体も無いと考えるべきだろう。

(視覚がある事から頭部はあると思われるが、鏡やそれに類するものが見当たらないので確認出来ていない。)


持っている知識は人類のものであるが、僕自身はなぜか人類の枠組みの中にはいないらしい。



次に僕が今いる場所についてだが、僕の知識にある21世紀初頭の地球上ではない可能性が高い。


今の僕には、自身の視点が中空に浮いているように見えている。

目の前にある地図もそうだ。支えや地図を吊るしているような構造は見当たらない。


仮に僕を何かしらの方法で釣り上げていると仮定しても

僕自身が重量感を一切感じないなんてことはあり得ないはずだ。


所謂バーチャルリアリティの世界である可能性も考えられるが…。

いずれにしても今見えているここは僕の知識がそのまま適用できる世界ではない。

そう考えたほうがいいだろう。


人類の知識があるのに僕は人類でなく、地球の知識があるのにここは地球ではない…。

これは一体どういう事なんだ?


『やぁやぁ、ようやくお目覚めだね我が息子』


訳が分からずどうしたものか途方に暮れていたその時。

能天気な声がどこからともなく聞こえてきた。


別小説のベースとして書き残していたものですが、予想以上に筆が進んでいたので投稿ポーン。

書き貯め分を吐き出しきるまでは毎日0時更新予定です。

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