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*プロローグ 怪しき影の密談
「何?ルシファーが人界へ降りただと?呪縛をしていたはずだが」
とてつもなく、禍々しいオーラを放出させる巨大な影。
その前方には、漆黒の飛膜の翼を背に付け、鋭い牙が生えている影が跪いていた。
「原因は未だに不明ですが、恐らく呪縛を解いた、いえ、破壊したのかと」
「ふん。面白い」
「え?」
巨大な影は、腰を掛けていた玉座から立ち上がると、右手を跪いている影にへと向けた。その掌には、淡い紫の玉が在った。
それに気付き、影は言い訳を並べるが、時すでに遅く、その玉は光線に姿を変え、前方の一つの影を包み込み、その影が変貌し人の形へなった。
「ふん。敵ながら潜入だけはうまい。しかし心の内までは隠せんか」
「魔剣ルシファーの在りかが、たった今分かりました。」
奥からやって来た影は、姿が変貌する前の影と同じ特徴をしていた。
「もう人選を決したか。あれが人間の手に渡ると面倒なんだがな。直ぐに悪魔共を向かわせろ」
「御意。デストローク様の言動に従って」