勇者の冒険
その疫病は、強い感染力を持っており、発病した人間から空気感染する。
感染した人間は発病後、7日をかけて徐々に体の力が抜けてゆき、やがて体が動かなくなると今度は全身を激痛に襲われ全身の穴という穴から血を流した後、地獄の苦しみの果て死ぬ。
しかし特筆すべきはその疫病が魔族には一切発病しない点であった。
疫病は女神との対話を経て、教会が解毒魔法を開発するまでの3年間に全人口の4割を死滅させた。
結果として人々は魔族の進行と疫病に苦しみ、魔王が現れてから3年の間に人類の領土は半分以上を魔族に侵略された。
三年間の劣勢の中、人類が何とか戦線を維持できた主要因は、勇者の存在にあった。
女神の加護を受けた選ばれし少年がその啓示を全うし、疫病に苦しむ人々を仲間と共に、襲い来る魔物の手から守り抜いたのである。
そして、疫病の危機を人類が乗り切った後、勇者は魔王城への旅立ちを決意する。
人々を苦しめる魔王を倒すため、勇者は頼もしい三人の仲間と共に、世界を救うための旅にでた。
魔族に蹂躙された国を救い
古の勇者が残したとされる数々の武具を集め
30万の魔物の大軍勢を壊滅させ
各地に点在する魔族幹部の塔を打ち崩し
そして、数々の試練を乗り越えた勇者一行は、5年間の旅の末、ついに魔王と対峙を果たしたのである。