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聖霊機神ゼノンブレード  作者: 謎の生物
1/1

オープニング

 年末大みそかに別の作品を連載している中、また新たな物語を投稿してしまいました。

 でも反省も後悔もありません。

 個人的に好きな変身ヒーローモノのつもりで描いた作品です。

 よろしければお楽しみくださいませ。

 時代は既に27世紀末、色んな分野で科学技術が数百年前の漫画の中で描かれていたような発展を遂げており、当然の事ながらゲーム技術も大きく発展しており、ヴァーチャルリアリティーによる仮想世界が当たり前となっていた。

 『Infinite ultimate world』、7年前に発売されて以来、世界中で大ヒットしており、タイトルにしてキャッチコピーでのある『「無限にして究極のゲームワールド」をあなたに贈る』と言う謳い文句に偽りはなく、今やゲームとしての人気を不動のものとしている。

 専門家から見てもまだ数年は人気が衰えることはないだろうと言われており、その圧倒的売れ筋から、発売初期では高値であった専用器機が半額まで落ち、益々、『Infinite ultimate world』が世界的に浸透していったのは余談ではある。

 

 そんな『Infinite ultimate world』を発売初期からプレイしている俺、雨宮四郎あまみやしろうは2年ほど前から『Infinite ultimate world』を始めた血縁上遠縁にあたる義理の妹である葉月はづき美凪みなぎそして詩織しおりの3人の妹といつもの様に一緒になってゲームを始めようとしていた。


  そこで俺は何故かふと義妹達と出会った時のことを思い出した。

  その日は今でも鮮明に覚えている。10年前の暑い夏の日だった。

 俺、雨宮四郎の前に突然、目の前に現れた3人の女の子達。

 不安げに女の子達は俺を見る。

 やがてそのうちの1人が俺を見つめ、「なんさいなの?」と尋ねた。それが俺とこの女の子達との最初に交わした言葉だった。


 「よろしくおねがいします。にいさま。」


 それを気に他の二人も話始め、そして彼女達は雨宮葉月、雨宮美凪、雨宮詩織となって俺の妹となった。

 何でも両親を不慮の事故で亡くし、3人になってしまった。

 もっともそれは俺も同じで、俺もこの時、既に両親は他界しており、祖父母に育てられており、他に身寄りのない葉月と美凪そして詩織も、この雨宮家に引き取られてきたのだ。

 正直、最初は戸惑いもある上に、見た目もかなり可愛かったので照れくささもあった。

 ひょっとしたらそれに、祖父母が自分だけのモノでなくなる不安もあったかもしれなかった。

 だが、そんな些細な不安も月日の流れと共に打ち消されていき、寧ろ可愛い妹達が出来てちょっと幸せを感じる事もたまにあった。

 それから10年後の今、現在、すでに祖父母も他界しており、それからは兄妹4人で過ごしている。

 幸いにも祖父母はそこそこの資産家で、結構な金と家を遺産として残してくれたので今のところ生活に困る事はなく、俺は今現在、大学2年となっており、義妹3人はとも同じ高校に入学し、詩織は1年、美凪は2年、葉月は3年となっている。

 そろそろ就職などを真面目に考えねばならないと思っているのだが、現実こうして今、高校生の義妹達とゲームをしている自分に内心苦笑してしまった。

 


 今の時世は人間に代わってロボットが主に仕事をしている時代ではあるが、21世紀中頃から起こった何度かの大きな戦争や災害で世界中の人口は19世紀並みの人口数となっているのでそれなりの職はあった。

 が俺自身、将来何をしたいのかというのが、どうも漠然としている上に、6前に祖父が、5年前に祖母が亡くなってから義妹達とより密接に関わる様になって生きてきたので、俺達は俗にいうブラコン、シスコンになっていた。

 それ故に義妹達との今の生活が良いと言うのもあり、いずれ俺達はそれぞれの道を生きていくというのがどうも描く事が出来ないと言うのもあった。

 

 そんな事をぼんやり考えながら俺は『Infinite ultimate world』を起動させた。

 この『Infinite ultimate world』は7年前、まだ祖父母が存命の頃からプレイしており、プレイヤーユニットはそれぞれのプレイヤーがそれぞれ自由にキャラを生成、育成する事が出来、俺が育てたプレイヤーの分身たるキャラユニットは「僕が考えた最強の変身ヒーロー」をそのまま投影したものであり、設定等も細かく詰め込み、そうやって育成したこともあり、今でこそ熱が冷めたというのもあって育成には力を入れていないが、間違いなく最強クラスのキャラになったと断言出来た。


 逆に義妹達がこの『Infinite ultimate world』をプレイし始めたのは3年ぐらい前、俺がしているからプレイしてみようという感じでプレイし始めたので、そこまで熱があるわけではなくキャラユニットもそこそこの強さで、そんなに強いわけではなかった。

 とは言え、それぞれキャラの設定などはそれなりに入力してはいるので、それぞれの特色が出ているのは確かだったが・・・。


 しかしこの『Infinite ultimate world』、熱を入れてプレイしており、世界中で大ヒットしているヴァーチャルリアリティーゲームだったが、ゲームの大ヒットに反して、このゲームを制作した会社というのはよく分からないと言うよりも実態がない幽霊会社のようであり、ゲーム開発に関わっている制作者も皆、偽名やニックネームで参加しており、どこの誰が制作しているのかよくわかっていないと言う訳の分からないゲームでもあった。というかよくそんなのが販売出来たなと言うのが俺も含めて世論の一般的な感想であった。

 おまけに定期的に色々な作品とコラボをしているのだが、版権問題もあるようなのだが、何故か追求される事がない。

 挙句に、ここ近年、このゲームのプレイヤーの何人もが失踪するという出来事もある謎というかいわくばかりのゲームではあるが、それでも人気は衰える事がない。


 実際、俺達の街にある小さな神社の巫女をしていた1個上の先輩で、この『Infinite ultimate world』をプレイする上で知り合って協力プレイも何度もしたおかげで、リアルでもかなりの交流を持った天乃都あまのみやこも『Infinite ultimate world』をプレイ中と思われる状況で失踪している。

 俺自身、それが気にならないわけでもないが、どうしようもないというのが現状で、そんないわくありありなゲームを未だにプレイしている事に内心、苦笑してしまった。

 そこで葉月が「あれ?」と奇妙そうな色ににじませた声を上げた。


 「どうかしたのか葉月。」

 「兄さま、『Infinite ultimate world』運営から重要メールが来ています。」

 「・・・ホントだ。内容は何だろう?」


 普段、『Infinite ultimate world』の運営から重要メール来る事がないので、何だ?と思いながらメールをクリックしてみると、


 『拝啓、雨宮四郎殿、

  長年、我が『Infinite ultimate world』をプレイしていただき、誠にありがとうございます。

  そんな雨宮様に特別なオファーを持ってまいりました。

  雨宮様の育成なされたキャラになってある世界を救うつもりはございませんか?

  もし、このメールを読んでその気になられたのであれば、このまま”ハイ”をクリックしてください。

  より細かな設定を決めていきます。

  

  追伸、今回、このメールを出す様に推薦なされたのは天乃都様です。

  天乃都様は雨宮様のご協力を強く願っております。』


 「何じゃこりゃあ?」

 「・・・実に変なメールだね。」

 「如何にも怪しすぎる内容ですわ。」

 「どうするのですか兄さま?」


 メールを確認して、俺、美凪、詩織がメールの感想を言い、葉月がどうするか尋ねてきた。

 怪しい内容なので無視するのが良いのだろうが、失踪した都さんの推薦というのが少し引っかかった。

 少し考えた後、俺は運営にこのメールに関する質問をした。しかし返答が返ってくる気配がない。

 普通ならマシンを通して運営に直接質問をするので、しばらくしたら返答が来るのだが、このメールに対しての返答が来る気配がない。


 「・・・どうなってるんだろうね?」


 美凪の呟きは俺いや俺達の疑問だった。

 分からないので取り合えず、このオファーは俺だけしか出来ないのか、義妹達も参加できないのかと尋ねてみると今度はすぐに返答が返って来た。

 設定で一緒に参加するプレイヤーの名前を入力したら葉月達も参加できるらしい。とにかく”ハイ”をクリックしてより細かな設定を決める画面に移行したら、詳しく説明してくれるらしい。

 返答には俺がこのオファーに参加して欲しいと言う感じが良く出ていた。


 少し悩んだ結果、結局俺は”ハイ”をクリックする事にした。

 するとお礼の言葉と共に設定を詳しく入力する画面が出てきた。

 と言っても自分のプレイするキャラはいつもの通りで変化なく、舞台となる世界も向こうが決めている。

 いくつかの版権作品がクロスオーバーというか、ここまでくるとごちゃまぜとなっており、天使、堕天使、悪魔、妖怪、精霊、ドラゴンなどの幻想種、挙句に宇宙人やら異世界人まで出てくる少し前の現代を舞台にした世界らしい。

 自分だけで行くか他のプレイヤーと共闘していくか?という質問が出たので、葉月達に一緒にプレイするかと何気に尋ねると、葉月達もプレイするというので葉月達のプレイユニット名を入力した。

 すると葉月達の個人情報も途端に出てきた。

 それを見て、よく出来ているなと思いながらも、これで舞台となる世界では自分達は強制的に人間でスタートになるのだが、こればかりはプレイユニットの種族が人間だから仕方がない。

 まぁ、厳密には俺は改造人間、妹達も強化人間で純な人間ではないのだが・・・。

 とは言え、舞台となる世界では基本人間はステータスが人外と比べて圧倒的に低く、人外勢力独自のシステムである階級も存在しない為、序盤は肩身が狭い思いをしてしまうがこればっかりは仕方がないだろう。

 

 だが、決してデメリットだらけと言う事ではない。

 舞台となる世界において人間の場合、一つだけ特殊能力を予め手に入れることが出来、その能力は選択式ではなく、自分で決めることが出来るという素敵仕様だったりする。

 そういった能力を総じて『ギフト』と呼称し、能力を持っている人間を能力者というみたいである。

 つまり、俺は既にしているが、この舞台となる世界で「僕が考えた最強の主人公」を実現することも不可能ではないのだ。

 もっとも、どんなに凄い能力を持っていても人間のスペックでは上手く行使するどころか、初期段階では発動さえしないなんて事が常であったりするので、それはそれでどうかと思うが・・・。

 しかし、そこで人間ならではのシステム『転生』がある。

 これは人外勢力のどれかに転生する事で、人間から悪魔・天使・堕天使・妖怪・精霊のどれかになることが出来るのだ。

 これによるメリットは、初期で人外を選んでいた場合では扱えない『ギフト』による特殊能力を、転生した元人間なら継続して扱えるので、最初から人外を選択している人に比べて、結果的に有利になるのだ。

過程が従来に比べて面倒ではあるが、当然階級システムにも参加出来るようになる様である。

 

 とまぁ、これが舞台となる世界での人間で始める場合の話なのだが、俺達は既に育成しているプレイヤーキャラで始めるので、選択もクソもない。

 おまけに舞台となる世界で人間を選んだ場合に使える『ギフト』ももらう事が出来ない。

 俺自身はこれでもかと育成しているから別に『ギフト』が無くても無問題どころか無双できるが、葉月達の場合、『ギフト』がもらえない以上、そこそこの縛りプレイとなるのは確かである。

 とは言えプレイヤーキャラはそんなに強いわけではないとはいえ、そこそこの強さはあるので、舞台となる世界においてハンデにはならないのだが・・・。

 

 そこから先も色々と細かい設定、例えば住むところは地名からしてどれも日本と思われるが、いくつか県と町名が出てきてどこにするかとか、メインプレイヤーである俺の普段の職業は大学生だが、他に何か兼任するかとか、住む家はマンションか一軒家かなど実に事細かに設定を選ぶことになった。

 それら全てを入力し終えると画面が切り替わり


 『入力されたあなた達の設定を確認致しました。

  舞台となる世界で、この設定があなた達の日常生活を送る上での土台となります。

  共闘するプレイヤーの皆様はそのまま入力された設定の住処に移動しますが、メインプレイヤーの雨宮様にはチュートリアルとも言える最初の戦いが待っております。

  負ければそのまま死につながりますが、雨宮様のキャラの性能ならばまず負ける事はないので、慣れる気持ちで、極度に緊張する事無く戦ってくださいませ。

  それではもうこの世界には2度と戻る事はありませんが、これから舞台となる世界で雨宮様方の育成なされたキャラとなり、世界と天乃都様をお救いし、雨宮様方の望む未来を得られます様にお祈り申し上げます。

  それではこれからの雨宮様の救世の戦いにご武運を!!』


 と言うメッセージが出てきた。

 これを読んだ俺達は思わず『はっ?』となったが、次の瞬間、ゲームをする時の様に世界がブレ、意識がブラックアウトしたのだった。


 これが俺達いや主に俺の壮大な戦いの始まりであり、俺が”我”となった瞬間であった。




 余談だが、この世界において後日『Infinite ultimate world』に関わる失踪者に新たな名前が加わったのだが、その名前は雨宮四郎、葉月、美凪、詩織の兄妹の名前だった。

 ここから雨宮四郎=聖霊機神ゼノンブレードの戦いの物語が始まります。

 次も早く投稿出来る様に頑張らねば!!

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