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13 ハンターズ プロローグ  作者: アップルマンゴー
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プロローグ 5

 プロローグ5


 ━━━第一研究室━━━


 頭上から重い炸裂音、あたりを強い横揺れが襲い小さな瓦礫がれきが落ちる研究室内。


 突入した警備兵は、地面にせ室内を警戒した。


 やや遅れてやって来た漆黒の軍服とホットパンツで身体を包んだ胸の大きな大女クイーンが入口付近で悠然ゆうぜんたたずんでいた。


「大佐、外から通信が入りました」

と通信担当の警備兵が言う。


クイーンは兵に近づき

「聞かせろ」

警備兵は、うなずくと通信をスピーカーに切り替えた。


 「こちら湾岸警備、大佐の命令通りに資材搬入用エレベーターに着弾させましたが現場を確認した所、ターゲットBターゲットS並びに対象メカノイドがエレベーターから姿を消しました。死体も残骸ざんがいも発見出来ません」


 可怪おかしいこのエレベーターはここ第一研究室と資材搬入デッキの2ヶ所をつないで居るはず、この2ヶ所をおさえれば確保かくほまたは処理しょりが出来たはず……と言う事は


 「警備の者は脱出経路を全て塞げ、アリの子1匹この島から出すな。ここに居る者は第一研究室を完全封鎖かんぜんふうさし隠し通路を探せ」

 クイーンは指示を終え、司令室に通信を初める。


 「フォルスマン、マップは出せる」


 「申し訳ありません、ほとんどのシステムを乗っ取られ電子機器は通信機器以外、使用不能状態です」


 「その使える通信機器も敵に傍受や《ぼうじゅ》されている可能性が高いわね」


 「はい」


 と言う事はシステムを回復させる必要がある。

 移動しながらハッキングしているとすると厄介やっかいね。


 「フォルスマン、システムの回復状況は」


 「クイーンお嬢様、回復状況と致しましては20%ほどシステムを取り戻すまでに一日ほどかかると思われます」


 「もう少し速く成らないの」


 「残念ながらリアルタイムハッキングを受けていて、進行を止めるだけで精一杯の状況です」


 「変ね、一刻も速く脱走したいはずなのに要塞では一部の限定された場所でしかアクセス出来き無いし都市部に入ればWi-Fiでリアルタイムハッキングできるのだが」


 「はい先程、都市システムを要塞からカットしましたのでそれも不可能かと」


 「ならいったいDrRとは何者だ」


 「もしかすると……いえ、何でも有りませんクイーンお嬢様そんな事がある訳が有りません」


 「フォルスマン心当たりがあるなら言いなさい」


 「DrRという人物はそもそも存在しておらず人口知能、すなわちAIなのではないでしょうか」


 突然機械的な駆動音がすると兵士達の悲鳴にも似た叫び声が部屋をこだました

 音の方見やると動かないはずの物が動きだしていた。


 漆黒の巨人、メカノイド ガイオスが


 室内に警備隊長の声がこだました。

 「全員退避、退避。大佐ここは危険ですただちに退避して下さい」


 「フォルスマン当たりの様よAIはガイオスの中、キーとなるコンピューターが無ければ絶対に起動しないしそもそもパイロットすら搭乗していない。必ずあの中にAIが有るはず時間を稼ぐAIのハッキングは何とかしなさい。」


 「かしこまりましたクイーンお嬢様。くれぐれもご無理を成されませぬ様に」


 クイーンはメカノイド・ガイオスと対峙たいじした。

 歩み寄る警備隊長

 「辞めて下さい大佐、メカノイドと人では戦力に差があり過ぎますいくら非武装のメカノイド相手でも危険過ぎます。ここは一旦引いて戦力を整えてからでも遅くはありません」


 「隊長、それでは遅いのだよ。もう時間がち過ぎている。武器なら持っている君達は、退避しなさい」


 「大佐、御武運を」

そう言って隊長が敬礼けいれいをし終えると、隊員達は部屋を後にした。


 ガイオスの巨体には、狭過ぎる部屋を足元の工作機械を蹴散けちらし、天井クレーン押し退け地をらし歩みをすすめる。


 クイーンは、閉じられた目の模様で刃先がジッパーに成っている如何いかにもなまくらな剣を抜き走り出した。


 巨人の足で蹴り挙げられた工作機械は、鉄塊と成ってクイーンを襲った。


 クイーンの異型の剣は刃先のジッパーを全開に開き、その中から暗黒空間をのぞかせる。


 一閃、鉄塊は異型の剣の暗黒空間に消え去った。


 次々に蹴り出される工作機械の鉄塊を剣で消し去り、巨人の足下あしもとまで辿たどり着くと一瞬辺りが暗くなり今度は、大きな鉄のこぶしは、右に左にと左右に雨の様にそそいだ。


 クイーンは、その鉄塊の雨を軽快にかわしていたが激しい打撃により足場は激しくれ、揺れに足を取られ転倒そこに黒く大きな影がせまった。


 クイーンは一閃、異型の剣で地面をえぐりそのまま横にころがった。


 巨大な拳は空いた空間に肩まで突き刺さった。


 ひざまずく態勢での攻撃だった為、足を滑らせ巨人はうつ伏せに倒れた。


 「フォルスマン、状況は」


 「クイーンお嬢様、ハニーポットへのさそい込みに成功しました後は、時間の問題でシステムを取り戻せます」


 ハニーポット、研究用にわざと脆弱性を残したコンピュータ


 「そう」

 と気を許したその時辺りは、暗くなりさっきよりも大きな影が迫って来た。


 クイーンはさっきえぐった穴を更に横に広げそのまま横に飛び退いた。


 巨人の足は、そのまま穴に吸い込まれ態勢を崩しもう片方の足も穴に落とし巨人は、沈黙した。


 「クイーンお嬢様、システムの完全 復旧ふっきゅうに成功いたしました」


 「そう、それでターゲットの現在位置は」


 「地下に居る様です。恐らく地下トンネルを使って逃亡をはかっているようです」


 「そう、なら地下トンネルに繋がる入口を破壊しなさい」


 「それでは復旧に時間がかかりますが」


 「地下で暴れられるよりましよ」


 「整備隊繋げ」


 「はっ」

 外で待機していた警備隊が動き出し通信機を受け取ると


 「直ちにメカノイド・ガイオスの修復、完了しだい追撃に入る」


 クイーンは第一研究室を後にした。


 




 

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