第一の仲間
捨て冷蔵庫の中にいた私を初めこそ驚いて見ていたものの、子供もいなかった二人はすぐに私を受け入れ、実の娘のように可愛がってくれました。
私は幸せでした。しかし、そんな夢のような生活も長くは続きませんでした。
私が居候して1週間が経った頃でしょうか。
突然、家に黒服の男達がやって来たのです。
実は、二人は借金取りに追われていたのでした。
まだお金は用意出来ていない、と旦那さんが答えると、怖いおじさん達が、金が無いなら身体で払ってもらうと言って、私を無理矢理連れて行こうとしました。
・・・私は、昔親から暴力を受けていました。
散々弄ばれた挙句に、不法投棄されていたボロ冷蔵庫の中に押し込まれて、文字どおり『捨てられた』のです。
もう駄目だ、私はまた人権を剥奪されるのか、と諦めて抵抗する力を弱めた瞬間、男の顔面に何か茶色い影が飛び込みました。
男は急に動揺し出し、私の腕を離しました。
目を凝らして見てみると、やっと勇者の正体が分かりました。
丸みを帯びた体、6本の脚。
間違いない。あれは、誰もが嫌い、1匹見たら30匹はいると言われる、アレでした。
何度踏み潰されても、ソレはすぐに飛び回り、圧倒的スピードと生命力で男達を翻弄します。
いつしか仲間も現れ、完全に彼らを追い出すことに成功しました。
そして、私の肩に留まり、誇らしげな表情で私を見つめました。
気持ち悪くて、私はソレを振り払い、投げ捨てました。
その時、私は決めました。
鶴ではないけれど、あの借金取り達を警察に突き出して、二人に恩返しをしようと。
勇猛果敢な、アレと共に。
結局、今回も少女は戦いませんでした。
内容を盛り込みすぎたので、もう少し、この現代版桃太郎にお付き合いください。




