~第七十二話~
僕達は、バスで移動する事になって、着いた所は
時代村と呼ばれる、テーマパーク? みたいな場所に辿り着きました。
バスから降りて、入り口を見て思った事は、入り口が石で出来ていて、看板も「時代村」と書かれてあり、受付の人が、甲冑姿と侍姿の両方いて、なんか……ごちゃ混ぜになっているみたいだった。
「ここが時代村だ、クラスごとに移動するのも周りの邪魔になると思われるので、班で移動するように、時間は今から、二時間後に再び、この入り口に戻ってくるようにしてくれ、では解散」
そう担任の薄井先生が言うので、僕達は班で移動する事になった。
受付を済ませて、係員からパンフレットを貰い、中を見てみると、いくつかに別れているみたいだった。
「聖、早速だけど、何所か行きたい場所とかあるのか?」
亮太がそう聞いてきたので、僕はパンフレットを見て
「じゃあ……この江戸ゾーンと呼ばれる場所に行って見たいです、衛君と弘樹君はどうですか?」
「俺はこの中世ゾーンと言うのが気になるから、そっちに行って見たいな」
「あ、俺も」
「じゃあ、二手に別れようぜ? 俺も江戸ゾーンと言うの、気になるし、俺は聖と一緒に行くぞ」
「解った、じゃあ俺と栗谷は、中世ゾーンに行くな?」
「じゃあ、そうだな……待ち合わせ場所はここにしとこうぜ?」
「うん、解った」
「じゃあ、行くか? 聖」
「うん」
僕と亮太は、江戸ゾーンに行く事になり、衛君と弘樹君が、中世ゾーンに行く事に決まって、移動する事にした。
江戸ゾーンと呼ばれる場所は、そんなに遠くなく、約十分程度歩くと、辿り着き、まず目に入ったのは、古そうな家並みと長屋と思われる家が、数十件立ち並んでいて、ここのキャストだと思われる、着物を着た女性や、武士の格好をした人がいるのを見つけた。
「結構凝ってるんじゃないか? これ」
「うん、なかなかリアルに出来てると思うよ」
そう話しながら見て回っていると、一軒のお団子屋さんを見つけた。
「あ、団子屋みたいだな? せっかく来たんだし……食べていこうよ」
「じゃあ、決まりだな」
そう言ってお団子屋さんの中に入ると、そこにいたのは
「あ、亮太に聖君も来たんだ」
「あ、こんにちは」
そう言ったのは、同じクラスで演劇部所属の山本理恵さんと、クラス委員長の中本愛理さんだった。
「二人も、このお団子屋さん来てたんだ」
「うん、結構おいしそうだったからね? ボクが愛理を誘ったんだよ」
「そう言う事、で……赤井君と天野君も食べに来たんでしょ?」
「ああ、そう言う事になるな? ところで……この店でお勧めとかあるか?」
「そうだね……この蓬団子と笹団子、結構美味だよ」
「そっか、じゃあ聖、俺達も同じ物にしようぜ?」
「うん」
そう言うと、委員長が
「……今の天野君の声、凄いね~」
あ、声を低くするの忘れてた……声を低くした後
「何か?」
そう言うと、理恵さんが
「聖君、普通に話していいんじゃないか?」
「……ええ、それが天野君の個性でしょ? 私は馬鹿にしたりなんかしないわよ?」
そう委員長が言ったので、僕は声を戻して
「そうですね、じゃあ、この声で話したいと思います」
「うんうん……それにしても……ヤマノベラジオでのホワイトの声って、天野君だったのねぇ、別に無理して低い声出さなくてもいいよ?」
「うん、うちのクラスの連中は聖君がホワイトって、気がついていると思うよ? 前に先生に当てられて、教科書を読んだ事があったでしょ? その時に聞いた低い声だけど、今の声とあんまり変わってないから、クラスの大半は「ホワイトの声って、天野君」って気がついていると思うわ」
「でも……この声、変じゃないですかね……? 男の僕がこんな声で」
「んー……私はいいと思うわよ? 理恵は?」
「ボクもいいと思うよ? 今の見た目と合わさると、とても男の子に見えないけどね」
「あ、それは私も思った、天野君って美少女顔だよね」
「一応、ホワイトの声は秘密って事にしているから、他のクラスの連中には内緒にって事にしてくれないか?」
「そういう事なら、ボクは別に構わないよ? 愛理もいいよね?」
「ええ、私もOkよ? あ、注文頼むんでしょ?」
そう委員長が言ったので、店員に注文を取って、亮太が笹団子、僕が蓬団子を頂く事にした。
味付けがいいのか、結構甘く、あっという間に食べ終わって、店から出ようとすると、亮太が
「二人は何所かに行くのか?」
そう声をかけて
「うん、これから中世ゾーンを見て回ろうかと思ってね? 二人は?」
「俺達は、この江戸ゾーンを見てまわるよ、な? 聖」
「うん」
「じゃあ、ここでお別れだね? それじゃあ」
そう言って、二人と別れて、僕と亮太は、江戸ゾーンを見て回る事にした。
下町? と思われる場所を歩いていると、大勢の人がいたので、なんだろうな……と思い、見ていくと、剣を持った二人が、向かい合っていて、そこにビデオカメラがあったので、これって、時代劇の撮影現場みたいな雰囲気だった。
「亮太……これって、時代劇の撮影かな?」
「そうだと思うぞ? 聖、あの役者さん、知ってるか?」
「ううん、知らないけど? 亮太は?」
「俺も知らねえ、時代劇あんまり見ないからな」
そう話していると、役者の二人が刀で切りあった。
数分間切りあいが続き、そして監督らしき人が「はい、Okです」と言って、どうやら撮影が終わったらしく、切りあってた二人に観客が「サインください」と言っていた。
僕も亮太も役者さんに興味がなかったので、その場から離れて
別の場所に向かおうとしたけど、亮太が
「聖、そろそろ時間みたいだし、戻るか」
と言ってきたので、時代村の入り口に戻る事にした。
入り口に戻ると、既に二人が待っていて
「お、戻ってきたな? で、どうだった? 江戸ゾーンは」
そんな事を聞いて来たので
「結構面白かった、あとお団子が美味しかったかな? そっちはどうでした?」
「凄かったぜ? でかい剣が飾ってあったりしたな」
「あと、お城にも入ったぜ? 何というか……一軒家をお城風に改造してあって、変な感じがしたな、内装がすげー豪華だった」
「ああ、確かにそれは俺も思った」
そう話していると、担任の薄井先生が
「今、確認したが、全員揃っているみたいなので、宿泊しているホテルに戻るぞ? では、バスに乗り込むように」
そう言ったので、再びバスに乗り込み、宿泊しているホテルへと戻る事になったのだった。




