~第六十話~
うん、長い・・・
かなり疲れた感じですね・・・
次の日、僕はいつもと同じ時間に起きて、顔を洗う事にした。
自分の部屋から洗面所に向かい。洗面所の鏡で自分の姿を見てみると、寝癖がかなり酷く、あちこちに髪がたっていたので、顔を洗ってから、櫛で整える事にした。
整え終わった後、リビングの方に行くと、朝食をテーブルの上に並べている朱莉母さんがいて、圭吾父さんの姿がなかった。
まだ寝てるのかな……? と思ったので、僕は朱莉母さんに
「お母さん、お父さんは、まだ寝てるの?」
そう聞いてみると
「ううん、圭吾さんはね? 朝早くから出かけたわよ? 何でも新しいプロジェクトをやるとか言ってたわね」
「プロジェクト?」
「うん、どんな内容なのかは判らないけど、圭吾さんがね?「もしかしたら、聖にも手伝って貰うかも知れないな?」って言ってたから、圭吾さんが聖ちゃんに必要なら、声をかけるんじゃない?」
「そうなんだ」
僕はそう言ってから、椅子に座り、出されている朝食を見てみる。
目玉焼きに冷奴、それに野菜サラダで、健康によさそうな朝食のメニューだった。
「いただきます」
そう言ってから、全部残さず食べ終えて、自分の部屋に戻り、山野辺高校の制服に着替える。
着替え終わったあと、黒のヘアゴムで髪を結んで、ポニーテール姿にして、鞄の中身をチェックし、今日は午前中の授業だけなので、朱莉母さんから、お弁当箱を受け取らなかった。
「聖ちゃん、今日は午前中だけよね? じゃあ、戻ってくるのよね?」
「うん、そうなるかな」
「じゃあ、午後は、どうしましょうか? たまには一緒に出かける?」
「う~ん……もしかしたら、友達に午後遊びに誘われるかも知れないから、今の所は判らないかな?」
「そう、じゃあ、いってらっしゃいね?」
「うん、行って来ます」
そう言って、家から出て、通学路を歩いていると
「お、おはよう、聖」
僕に声をかけてきたのは、昨日休んでいた、栗谷衛君だった。
僕は、外なので、低い声で
「おはようございます、昨日は休んでたみたいですけど、何かあったんですか?」
そう聞いてみると
「あ、ああ…… 昨日はちょっとな……熱っぽくて体がだるかったから、休ませて貰ったんだ、今はばっちりと直ったぜ」
「そうなんですか、よかったですね」
そう言うと、栗谷君が何か小さい声で「もしかして、俺の事を心配? 俺、好かれてる?」とかぶつぶつ言っていた。
僕は、気になったので
「何か…… ぶつぶつ言ってますけど、どうかしたんですか?」
「い、いや、何でもない! ほ、ほら、遅刻すると不味いしな? 急ごうぜ?」
「?」
僕は疑問に思ったけど、深く考えない事にして、栗谷君と一緒に登校して、自分のクラスの中へ入った。
クラスの中に入り、自分の席に着いてから、鞄の中身を机の中に入れてる作業をしていると
「おはよう、聖」
声をかけてきたのは、同じ放送部員の赤井亮太だった。
「おはよう、亮太」
「聖、今日は午前中だけだしさ、午後は何所かに遊びに行かないか?」
「そうですね……うん、僕はOkですよ?」
「じゃあ、決まりだな?授業が終わったら、また声をかけるな?」
「はい」
そう言って、亮太は自分の席へと戻って行った。
亮太が戻った後、チャイムが鳴って、担任の碓井先生が入って来て、こう言って来た。
「皆、おはよう、じゃあ出席を取るぞ、委員長、手伝ってくれ」
「はい」
クラス委員長が、先生の手伝いをして、出席を取った。
出席を取り終わった後
「うん、今日は全員いるな、じゃあ連絡だが……昨日言ったとおり、今日は午前中の授業となっている、部活動も全部なしになっているぞ、では授業を始めたいと思う」
そう言って、授業が始まり、僕は授業中、午後は何所に行くのかな? とか、考えていたのでした。
午前中の授業は、前にやった所の復習をやる事になった。
黒板の文字をノートに書き写して、先生が指示した所もノートに買いていく。
書き終わった後、先生が
「どれだけ覚えてるか、テストをするぞ? 教科書やノートは閉まって、筆箱だけを机の上に置くように」
そう言ったので、僕は、言われたとおりにして筆箱だけを机の上に置き、そしてテストが配られた。
テスト内容は、本格的なテストではなく数問程度の問題が載っていて、先生が「じゃあ、時間前で終わらせるように、初め!」
と言ったので、テスト問題を解いていく。
内容は、習った所の復習みたいな感じなので、これなら、やった所は覚えてるから、問題はないかな? と思い、問題を解いていき、空欄を全て埋める事が出来た。
そして、時間が過ぎていって、今日は午前中の授業しかなく、おまけに部活もないので、帰る準備をする事にした。
帰る準備をしていると、同じクラスの赤井亮太が話しかけてきた。
「よ、朝言った事だけど、午後は一緒に遊びに行こうぜ?」
「うん、でも、何所に行きます?」
「そうだな……」
そう話していると、僕達に話しかけてきたのは、同じクラスの栗谷衛君だった。
「二人で一体、何を話してるんだ?」
「いやな? 午後は遊びに行こうと、相談してただけだぜ」
「なんだ、じゃあ俺も一緒に行っていいか?」
「僕は、別に構いませんけど……亮太は?」
「俺も別に問題はないな、じゃあとりあえず…… 待ち合わせは、山野辺駅の駅前広場で、待ち合わせって事にしようぜ?」
「解りました」
「ああ」
そう言って、僕達は自分のクラスを出て、一度戻ってから、着替えて、山野辺駅の駅前広場に集まる事に決まった。
途中で、二人と別れて、自分の家に戻ると、朱莉母さんが
「お帰りなさい~聖ちゃん、お昼出来てるわよ~」
そう言っていたので、僕は「じゃあ、着替えてくるね」と言って、自分の部屋に戻り
着ている学生服を脱いで、私服に着替える事にした。
とりあえず…… 帽子は被って行こうかな? と思い、今の着ている服は、青系の色を中心に着ているので、青色のスポーツキャップを被る事にした。
着替え終わった後、リビングに行くと、昼食を並べている朱莉母さんがいて、僕は椅子に座り出されているメニューを見てみると、冷しうどんみたいだった。
「お母さん、これって…… 」
「うん、今日はちょっと暑かったからね? うどんにしてみたのよ、でね? この汁だけどね? オリジナルでブレンドしてみたから、漬けて食べてみてね?」
「う、うん、じゃあ、頂きます」
そう言って、うどんを汁に漬けて食べてみる。
風味は魚の味がして、出汁が効いてるからか、結構濃く、僕好みの味付けだった。
「どう? 聖ちゃん」
「うん、これなら大丈夫、結構美味しいよ」
「そう、それはよかったわ、さ、どんどんあるから食べてね?」
「どんどんあるって……お母さん、どのぐらい作ったの?」
「あはは…… ちょっとね? 作りすぎちゃって……軽く三人前はあるんじゃないかしら??」
確かに見てみると、うどんの量が物凄く多かった。
僕は、とりあえず……
「うん……食べられる所まで、食べるよ…… 」
そう言ってから、うどんを食べて、二人前ぐらい食べた所で、お腹がいっぱいになってしまい、朱莉母ももう食べられないからか、うどんが残ってしまった。
「残っちゃったね……」
「ええ、まあ、残った分、冷蔵庫に保存しとくわ? 夜にでもアレンジして、出す事にするわね? ところで……聖ちゃん、今日は午後は、どうするの?」
「あ、そうだった、実は……」
僕は、お母さんに亮太達と約束した事を話した。
「そう~……あ、ねえ? 私も行っていいかな?」
「え? お母さんも一緒に?」
「ね? 駄目かな……?」
「でも、二人が何ていうか解らないし…… 」
「家事が終わったら、私、暇になるのよ~たまには聖ちゃんとそのお友達と一緒に過ごしてもいいじゃない? ね?」
「う~ん……解ったよ……」
「ありがとう、じゃあ、準備するわね?」
そう言って、朱莉母さんは、食器を片付けて、洗い物をした後、自分の部屋に行き、外行きの服装に着替えて、僕の前に現れた。
「じゃ~ん、どう?」
朱莉母さんの姿は、とても一児の母とは思えなく、僕に似ているので、姉妹?って思われる感じに、見えている。
今の僕がポニーテール姿で、朱莉母さんがセミロング姿なので、外歩いてたら、「双子の姉妹?」って思われるんだろうなあ…… と思う。
でも、朱莉母さんの姿は、結構似合っているので
「うん、似合ってるよ」
「そ、ありがと、聖ちゃんも可愛いわよ~? さ、行きましょう~」
「う、うん」
こうして僕は、朱莉母さんと一緒に、山野辺駅の待ち合わせ広場に
行く事になったのでした。
僕と朱莉母さんは、とりあえず……山野辺駅の待ち合わせ広場に行く事にした。
町の中を歩いていると……やたら視線を感じる……
何でかな~とか思いながら、よく観察してみると、男の人が僕達の事を見ている事が解った。
うん、見た目が朱莉母さんは、大人に見えていないし、僕の姿も、帽子を被っているけど、一体どんな風に見えてるのかなあ……って感じだった。
しかも「あの子ら、可愛くないか?」とか「彼氏いるのか? いないで欲しいな」とか聞こえてきたりしていた。
とりあえず……立ち止まると、絡まれそうだったので、聞こえてくるのを無視する事にして、山野辺駅の待ち合わせ広場に辿りつく。
待ち合わせ広場に辿り着くと、もう既に二人集まっていて、二人とも私服が似合っていた。
「あ、来たみたいだな?って…… 」
「ひ、聖?」
なんか衛君が顔を赤くしてるけど、どうしたんだろ? と思ったけど
深く考えない事にして僕は、二人に話かける。
「お待たせ、実は……お母さんも一緒に行きたいって言ったから、連れて来ちゃったけど……いいかな?」
「あ、ああ……俺は別に構わないが」
「あ、俺も」
「とりあえず、自己紹介するわね? 聖ちゃんの母親の、朱莉です、よろしくね?」
そう朱莉母さんが、笑顔で言う。
「よ、よろしく、俺は赤井亮太で、こっちが」
「く、栗谷衛だ」
「亮太君に衛君ね? 覚えたわ、今日は遊びに行くって事だけど、何所かに行く予定とか、あるのかしら?」
「あ、それはまだ決めてないです、とりあえず集まったし、これから何所に行くかだけど……栗谷、何所か行きたい所あるか?」
「あ、ああ……実はちょっと行って見たい所があってな?ま、それは先にゲーセンに行ってからって事にしないか?」
「俺は別に構わないが、聖は?」
「僕も、それでいいです、お母さんもそれでいいよね?」
「ええ、いいわよ?」
「じゃあ、行くか」
そう言って、四人でとりあえず、ゲームセンターに行く事にした。
ゲームセンターは、駅前の近くにあったので、そのゲームセンターの中に入り、色々なゲームを見てみる。
すると、朱莉母さんが「あ、聖ちゃん、これ一緒にやらない?」と言って、指差したのがゾンビを倒す、ガンアクションゲーム「ZONBEEX」と言う名前だった。
「お母さん、得意なの? これ」
「ええ、前にちょっとね? さ、やりましょう? あ、協力プレイにしときましょう?」
「あ、うん、僕とお母さんは、このゲームをやるけど、二人はどうする?」
「あ、俺、腕前を知りたいから、見学するな」
「じゃあ、俺はどっちかがゲームオーバーしたら、交代してもいいか?」
「解りました、衛君が見学で、亮太が交代要員ですね、じゃあ、お母さん、やろう?」
「ええ」
そう言って、ガンコントローラーを持って、お金を投入
そしてゲームが始まった。
僕は画面上に出てくるゾンビ達を見て、かなり怖い思いをしたけど、ガンコントローラーを画面に向けて、ボタンを押して弾を発射、何とか倒していき、ステージクリアをした時、僕と朱莉母さんの腕前が、一目瞭然だった。
僕がダメージを食らって、残り一体だと言うのに対し、朱莉母さんは、ほぼノーミスで、撃ちもらしもひとつもなかった。
「すごい上手だな……聖の母親……」
「ああ…… 俺でも、ここまで出来ないぞ」
「俺もだ」
そう二人が話していた。
うん、朱莉母さん…… 一体どこで腕をあげたんだろ?
そう思いながら、ゲームが進んでいって、僕は2面でゲームオーバーになってしまったので、亮太と交代する事にした。
亮太もやり込んでいるのか、ミスがなく、朱莉母さんとどんどん進んでいって、とうとうゲームクリアしてしまった。
クリアした後、朱莉母さんが「なかなかやるみたいね? 凄いわよ? 貴方」とか言っていて「というか……全面ノーミスでクリアの貴方が、凄いんですが……」とか、亮太が呟いていた。
うん、確かに朱莉母さんが凄すぎて、いつの間にか、ギャラリーも集まっていて、注目を浴びていた。
とりあえず、その場から離れる事にして、次に遊んだゲームは、全員参加型のクイズゲームで、せっかくだから、2対2のチーム戦にして、僕とペアになったのが、衛君だった。
朱莉母さんと亮太は、「せっかくだから、勝ちましょう」とか言っている。
僕は、とりあえず、こう言う事にした。
「衛君、二人とも勝つ気満々ですし、こっちも勝ちましょう?」
そう言うと、何故か顔を赤らめて
「あ、ああ、勝ちに行くぞ……得意ジャンルが出たら、俺に任せてくれ」
「解りました」
そう言って、四人で対戦をして、結果はどうなったのかと言うと、結局負けてしまった。
まあ、フルセット負けじゃなく、3対2の接戦で負けたので、あんまり悔しくはなかった。
ゲームが終わった後、亮太が
「栗谷、何所か行きたい所って何所なんだ?」
と言い、衛君が
「あ、ああ…… じゃあ、今から行こう」
そう言って、案内された場所はと言うと
「ここ?」
「ああ、実は……俺、いっつも一人で来てたから、たまにはこういうのもいいかな……って思ってな?」
そう言って、辿り着いた場所は、カラオケ店だった。
店の名前に「カラオケスペース」とか書かれていた。
「そう言えば……聖ちゃんと一緒にカラオケ店とか言った事なかったわね~」
「あ、そうだっけ…… 」
「ええ、確かに一度も行った事ない筈よ? 丁度いい機会だし、ちょっと歌って行きましょう?」
「う、うん、二人はOkかな?」
「俺は、問題ないぜ?」
「ああ、俺もだ」
二人がそう言ったので、カラオケ店「カラオケスペース」に入る事になったのでした。
お店の中に入ると、店員が「いらっしゃいませ~」と言ってきて、受付の男性が僕達の姿を見て、一瞬だけど驚いた顔をした。
驚いた顔をした後、すぐに元の顔に戻って、受付業務に戻っていた。
うん、今の…… 一体なんだったんだろ? まあ、気にしない事にして、受付で何時間歌うか? を決めて、部屋番号を言ってくれたので、その部屋番号の部屋の中に入る事にした。
中に入ると、全体的にブブルーっぽい色合いをしていて、星空をイメージしたみたいらしく結構、綺麗だった。
「じゃあ、早速何を歌うかだけど…… どうせなら、点数表示にしてみるか?」
「お、それいいな? 聖はどうだ?」
亮太が、そう言ったので、僕は
「僕は別にかまいませんけど……お母さんは?」
「私も別に良いわよ?? じゃあ、歌う順番を決めましょう?」
そう言って、歌う順番を決めて、最初が衛君、次に亮太、三番目に僕で、最後に朱莉母さんとなった。
「じゃあ、俺からだな」
そう言って衛君が、機械をいじって、曲のナンバーを入力、そしてテレビ画面上に現れた楽曲は「南の帝王」とか言う、ロックバンドの歌みたいだった。
「よっしゃ~いくぜ~」
そう言って、のりのりで歌いだす。
ロック調の曲なのか、かなり激しい曲らしく、歌詞も凄い事が書いてあったり、あっというまの四分間を歌い終わり、最後に点数表示が出てきた。
衛君の点数は、100点満点中、73点だった。
「っく、八十点はいくと思ったんだがな……」
衛君が、そう言って悔しがっていた。
次に歌う事になったのは、亮太で、亮太が選んだ曲は「悲しみのプレリュード」と言う男性アイドルグループが歌っている曲だった。
亮太……こんなの歌うんだ、しかも聞いてみると、結構上手に歌っていて、これは高得点じゃないかな? と思ってしまった。
亮太が歌っている途中、コンコンとノックする音が聞こえて、店員が「飲み物をお持ちいたしました」といって、受付の時に頼んだ飲み物が、運ばれてきた。
亮太が炭酸系で衛君がアイスコーヒー、僕がミルクティーで、朱莉母さんがオレンジジュースを頼んでいた。
僕はミルクティーを飲みながら、曲を探していって、何を歌おうか……と悩んでいた。
今の僕の声だと、男性ボーカルの曲は無理そうだし、やっぱり女性ボーカルの曲にしとこうかな? と思ったので、決まったので、機械に入力していく。
その間に、亮太が歌い終わって、最後に得点が出た。
亮太の得点が、81点だった。
「九十いかなかったか……ま、いいか」
そう言って、僕にマイクを渡してきたので、僕の番になった。
僕が選んだのは、アイドル曲で「夏休み」と言う曲だった。
歌いだしから高い声を出して、歌っていき、最後まで歌いきる。
歌い終わった後、最後に点数が出て、僕の点数は
85点だった。
「これって、いい方なのかな?」
「いい方じゃないか? 八十点以上いってるんだし」
「そっか… 」
そう話していると、朱莉母さんの番になり、朱莉母さん……何を歌うんだろ? と思っていると
僕に向かって
「聖ちゃん、一緒に歌いましょう?」
と、もう一個のマイクを渡してきた。
「え? う、歌うって?」
「この曲、デュエットソングなのよ」
「でも……」
「大丈夫、さ、一緒に歌いましょう?」
朱莉母さんが、そう言うので
「う、うん」
と、朱莉母さんと一緒に、歌う事になったのだった。
ちなみに曲のタイトルが「愛のイマジネーション」と言う曲で、アイドル曲全快って感じの曲だった。
歌い終わって、得点を見てみると、最高得点の九十点だった。
「ふ~……久しぶりに歌ったわね~」
「あ、もしかして……」
「聖、何か気がついたのか?」
「うん、お母さん……もしかして、この曲、お母さんが昔、歌っていた曲?」
「ええ、そうよ」
「え、ど、どういう事なんだ? 聖」
「実はね? お母さん、昔、アイドルやってたみたいなんだ、その時に出した曲なんじゃないかな?」
「そうだったのか? じゃあ、朱莉さん、元アイドルだったのか……」
「すげ~な……」
「そんなに凄くはないわよ? さ、時間結構あるし、時間内に歌いまくりましょう?」
「おお~」
「ああ」
そう言って、歌いまくって、喉がちょっと痛くなってしまった。
時間が来たので、会計を済ませて、外に出ようとすると店員が「AKARIさんですよね? 昔、アイドルやってた……ファンでした!!握手して下さい!」と、朱莉母さんに、そう言っていた。
あ、だからさっき驚いていたのか……じゃあ、この人、朱莉母さんのアイドル時代の事、知ってたんだ……と納得してしまった。
朱莉母さんは「今はアイドルじゃないけど…… でも、握手ぐらいならいいわよ?」と言って、店員に握手をした後、店を出る。
でも、店員に「そこにいる子は、もしかして……」と聞かれて
「ええ、娘ですね」と、ナチュラルに嘘をついたのは、どうしてなんだろ……と、思ってしまった。
あの店員、信じないといいけど……
店を出たら、外はすっかりと暗くなっていた。
「暗くなってるみたいだし、解散とするか?」
「ああ、そうだな? じゃあ、俺、こっちだから」
「じゃあ、私達も帰りましょうか? 聖ちゃん」
「うん、じゃあ二人とも、さようなら」
「ああ、さようなら」
「また明日、学校でな」
そう言って、二人と別れて、僕は朱莉母さんと家に戻る事にした。
家に戻ると、圭吾父がいて
「二人とも、何所に行ってたんだ? 一人でさびしかったんだぞ~」
とかちょっと涙目になっていた。
そんな圭吾父さんを宥めながら、夕食を朱莉母さんが、お昼の残ったうどんをアレンジして、煮込みうどんにして、家族全員で、食べる事にした。
味に関しては、かなり美味しく、ついおかわりしてしまい、ちょっと食べ過ぎてしまった。
食べ終わった後、お風呂に入る事にして、鏡で自分の姿を見てみる。
そこに写っているのは、髪がすっかりと長くなっている僕の姿が、映りこんでいて
、これに胸があったら、完璧に美少女の姿だった。
さすがに髪伸びすぎで、切った方が良いかもね……と思っていると、圭吾父さんが「聖~? たまには、一緒にお風呂でもどうだ~?」とか言ってきたので、僕は、「嫌だよ……一人で入りたいし……」と言うと「娘が……反抗期……昔は、一緒に入ってくれたのに……」とか聞こえてきた。
娘って、僕、娘じゃないんだけど?
そんな圭吾父の事をほっとく事にして、全裸になり湯船に浸かり、十分温まった後
お風呂を出て、パジャマに着替えてから、自分の部屋に戻り、明日の準備をしてから、寝る事にして、今日の一日が終わったのだった。




