~第五話~
休日が終わり、次の日になって、僕は、いつもの時間に起きて、学校に行く支度をする。
学校に行く準備ができて、外に出て、僕の通っている高校、山野辺高校に向かった。
通学路は、僕と同じく山野辺高校に向かう生徒が多く、学校に行くのだったら当たり前な光景だった。
僕も遅刻は嫌だったので、遅刻しないように、早歩きで、学校に向かう。
山野辺高校に辿りついた時には、チャイムがなる前だったので、急いで教室内に入る事にした。
教室内に入ると、もう既にほとんどのクラスメイトが集まっている。
僕も自分の席に座り、教科書やノートを机の中に入れて、授業が始まるのを待った。
時間がたち、キーンコーンとチャイムが鳴ったと同時に、亮太が走ってきたのか、ぜいぜい言いながら、教室内に入って来た。亮太って……朝、弱いのかな……と思ったが、担任の碓井先生が入って来たので考えるのをやめたのであった。
「皆、おはよう、今日は午後に、身体測定が決まった、だから午前中は、普通の授業をして、午後は、身体測定を行う、じゃあ……出席を取ったら、銃授業を始めるぞ」
そう言って、授業がスタートする。
授業内容は、中学時代と違い、ちょっとと言うか……結構難しくなっていた。でも、それでも何とかノートに黒板の文字を書き写していき、いきなり出された小テストも、何とか、全問答える事が出来た。
そうやって、時間が過ぎていき、お昼になった。
今日も、母さんの手作りのお弁当箱を持ってきていたので、それを持って、放送室に移動する事に決めて、席を立つ。
亮太は、もう既にクラスの中にはいなく、先に行ったみたいなので、一人で、放送室に向かう事にした。
放送室に辿りつくと、もう既に、先輩達が集まっている。
「あ、聖君、来たのね、今日は、ラジオのパーソナリティーではなく、こっちで機械をいじってもらうわよ」
そう言ったのは、部長の中田彩さんだった。
「あ、はい、判りました」
そう言って、僕は、ブースに行くことはしなく、ルームの方に、残る事にした。
「あ、まだ、お弁当食べてないみたいね……時間あるし、食べていいわよ」
そう言ってくれたので、僕は、持ってきたお弁当を食べる。
お弁当を食べていると、亮太と太一先輩がやって来た。
「あ、聖……今日もお弁当か……ちょっと貰っていいか?」
亮太が、そう言ってきたので
「うん、いいよ」
そう言って、少し分けてあげる事にした。
そして、食べ終わって、彩部長が、こう言って来る。
「じゃあ、二回目のラジオ放送と行きましょうか、亮太君、太一、準備してね」
「りょ~かい、じゃあ、行くか? 亮太」
「はい、行きます」
そう言って、二人は、マイクが置いてあるブースの方に行った。
「じゃあ、聖君、あの二人がOkを出したら、このスイッチを押してね?」
「解りました」
「挨拶は、私がするわね」
そう言ったのは、双子の女性の方の、西岡洋子先輩だった。
僕は、ブースにいる二人の合図を待つ。
そして……二人がOkの合図をしたので、スイッチを入れた。
それから、洋子先輩がマイクで話し出す。
「これから、お昼の放送を、始めます」
そして、二回目のラジオ放送が、始まったのであった。
「今回も始まりました、ヤマノベラジオ~、二回目の放送となります、MCを勤めさせてもらうブラックです、そして、今回の相方はというと~」
「はい、今回は、俺が相方です、ちなみにレッドと申します、よろしくぅ~」
「何でホワイトじゃないんだ? という突っ込みには、するーしたいと思いますぜ」
「あ、ちなみにホワイトは、病気でも体調不良でもないから、そこの所は、心配しなくてもOKだぜよ?」
「おやおや~なんかレッドの言い方が、ちょっとおかしいですね~」
「いや、普通に喋っても面白くないやろ? だから、色々な言葉で話すぜよ」
「確かに……でも、キャラが可笑しくならないですか?」
「あ、確かに……ま、そこの所は、置いといて……じゃあ、ブラック!」
「はい?」
「最初のコーナーに行きたいと思います、まあ、と言っても、最初のコーナーは、とりあえず、いつものあれ、いっとくか?」
「いつものあれ……ああ、解りました、では、いつものあれ、昼の音楽を流します、では、どうぞ~」
ブラック=亮太が、そう言ったので、僕は、音楽を流すスイッチを入れる。
音楽が流れている間は、マイクに音声が入っていないので、雑談してもOkなのであった。
「じゃあ私、ノートパソコンを持って、ブースの方へ行くわね?」
「了解~洋子、頼んだわよ」
「は~い」
そう言って、洋子先輩は、ブースの方に向かう。
そして、音楽が終わり、彩部長の指示で、僕は、マイクの音声を入れた。
「いや~いい曲って感じやな、アップテンポと言うか、ロック調と言うか」
「いやいやレッドさん、クラシックのどこにロック調と感じるのかって感じなのですが?」
「おいどんには、そう感じたでやんすよ、さて、ここで、視聴者からのメッセージを読み上げたいと思うっす」
「また、言ってる事があやふやなかんじですねえ~、キャラが可笑しくなっておりますが、気にしない事にして、じゃあ、視聴者からのコメント、え~っと……何なに……「ホワイトはどうした?」ホワイトは、どうしたと言われても、まあ、無事です?」
「何故、疑問系!?」
「他には、「レッドが意味不明?」あ~、確かに……」
「そこ、頷かないでよ!?」
「他にはえ~っと……「ホワイトの萌えボイス希望「お兄ちゃんとか、大好きとか言ってほしい」、ああ、自分も言ってほしいですね~」
「あ、それはありだな」
「何で自分達のコメントが悪口っぽいのばっかりなのかな~嘘でもいいから「ブラックかっこいい」とか、「ブラック素敵!」とか言ってほしいものです」
「いやいや、嘘でも良いって、寂しくないっすか?」
「ま、いいけど」
「いいんか~い」
「っと、もう、あっという間に時間が、と言うわけで、MCはこのイケメンな感じのブラックと」
「って、自分でイケメンって空しくないか……まあ、俺は……ニヒルな感じのレッドで、お送りしたぜ?」
「ご意見・ご感想は、山野辺高校HPの、BBSに書き込んでね~それでは~」
「この番組は、放送部の提供でお送りしました」
そう言ったので、僕は、マイクのスイッチを切る。
そして、三人が、ルームの方に、戻ってきた。
ルームに戻ってきた洋子先輩に、彩部長が、こう言う。
「洋子、終わりの挨拶、よろしく」
「は~い」
そう言って、洋子先輩は、マイクのスイッチを入れて、こう言う。
「これで、お昼の放送を、終わりにします」
そう言ってから、スイッチを切った。
「これで、Okっと」
「っと、もうすぐ授業が、始まるから、皆、自分のクラスに戻るように、明日のラジオの打ち合わせは、放課後にするわ? では、解散」
そう部長が言ったので、僕と亮太は、自分のクラスに、戻る事にした。
こうして、二回目のラジオが、終わったのだった。
二回目のラジオ放送が終わり、午後の授業になった。僕達は、担任の碓井先生から「身体測定がある」と言われたので、それを測るために、体操着に着替えて、最初に体育館に向かった。
まず、最初に計ったのは、握力測定だった。僕の握力って、どれくらいあったっけ……と悩んでいた所、同じクラスの亮太が、話しかけてきた。
「聖、握力って、どれくらいなんだ?」
僕は、小声で、こう話す。
「中学時代に計ったんですけど、その記録を忘れました」
「そっか……俺は、結構あると思う、色々と鍛えてるしな」
「そうなんですか」
そう言っていると、体育教師の川原芹先生が、やって来て、こう言って来た。
「皆さん、最初に握力を測ります、計り終わったら、男子は理科室、女子は保健室に移動して下さい、そこで身長と体重を計ります~」
そう言って来た。
僕は、早速握力を測る事にした。
握力計を持って、力いっぱい握る。すると、出た数字が、20と表示された。
……これって、握力、女子並みって事かな……と、ちょっと落ち込んでしまった。
亮太の握力を見てみると、40だった。
僕って、亮太の半分……これは、鍛えないといけないかな……そんな感じに握力を測り終わり、僕と亮太は、理科室に向かった。理科室に辿り着くと、そこで身長と体重を計っていたので、僕達も計る事にした。
結果は、身長が百五十八cmで、体重が53で、亮太が、170cmで、体重が六五だった。
亮太と僕って……かなり違うんだなあ……
計り終わって、教室に戻ると、碓井先生が「計り終わった者は、もう部活に行っていいぞ」と、言ったので、僕は、帰る支度をして、亮太と一緒に、放送室に向かった。
放送室の中に入ると、早い時間だからか、他に誰もいなかった。
まだ先輩達が来てないので、どうしようかな……と思っていると
「聖、ノートパソコンがおいてあるから、ちょっとゲームしようぜ?」
「え、でも、いいのかな?」
「まあ、いいんじゃない? 先輩達がきたら、やめればいいのだし」
「う、うん、分かった」
「じゃあ、決まりだな」
そう言って、亮太は、PCのスイッチを入れて、何故か内蔵してあるオセロをやる事にした。
三回戦やって、結果的には、僕が2勝、亮太が1勝だった。
遊び終わった後、先輩達が来たので、オセロの対戦画面を消して、山野辺高校のHPを開く。開いた後、部長の中田彩部長が、こう言って来た。
「さあ、明日のラジオの事だけど、明日は、亮太君と聖君が、MCを担当してね」
「解りました」
「了解です」
「あ、途中で、私がブースに行って、ノートPCを見せに行くわね、二人は、そのリスナーの回答に、返事をしてね」
部員の西岡洋子先輩が、そう言う。
僕達は、「解りました」と、言う事にした。
「よし、明日の段取りは、このぐらいかしらね……後は~う~ん~そうねえ……太一、何かある?」
「う~ん……そうだな、聖の声で、言って欲しいを募集とかは?」
「え、ぼ、僕ですか?」
「ああ、せっかく、その声をしてるんだからさ? その声を生かそうぜ?」
「は、はあ……で、でも、あまり恥ずかしい台詞を言うのは、ちょっと……」
「そこは、私が選ぶわ、それでいいかな? 聖君」
洋子先輩にそう言われて、僕は、悩んで、こう言う事にした。
「じゃあ……お任せします、洋子先輩」
「解ったわ、任せなさい!」
「よし、とりあえず決まったわね、あ、もう、こんな時間ね……洋子、挨拶、お願い」
「あ、は~い」
そう言って、洋子先輩は、マイクのスイッチを入れる。
「下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい」
そう言ってから、マイクのスイッチを切る。
「これで、Okだよ」
「うん、じゃあ、これで、今日は、解散、次は、明日よ」
彩部長がそう言ったので、僕と亮太は、一緒に帰る事にした。
帰る途中
「聖、明日、がんばろうな?」
「う、うん、がんばろう」
「じゃあ、俺、こっちだから、じゃあな」
「さようなら」
そう言って、亮太と別れて、僕は、家へと帰るのであった。