~第五十七話~
学園祭も終了して、次の日の日曜日
僕は、学校があるわけでもないのに、目がさめてしまい、朝早く起きてしまった。
これから二度寝というのもありだと思ったけど、せっかく起きたんだし……
とりあえず顔を洗うかな?って、考えて洗面所に向かう事にした。
洗面所に向かい、鏡で自分の姿を見てみると、そこに写り込んでいるのは、すっかりと長くなってしまった髪をした
見た目が美少女に見える僕の姿だった。
鏡にむかって、ちょっとにこって笑うと、おもいっきり可愛く見えてしまう。
「声もこんな感じだし……やっぱり髪、短くした方がいいかなあ……」
そんな事を呟いてから、顔を洗って、タオルで拭いた後
ブラシで髪を整えてから、黒のヘアゴムでポニーテール姿にした。
ポニーテールにした後、お腹がすいたのでリビングの方に向かうと
テーブルの上に、料理を並べている僕の母、朱莉母さんの姿があり、圭吾父さんの姿が見えなかった。
僕は、そんな朱莉母に
「おはよう、お母さん」
そう言うと
「あ、おはよう~聖ちゃん、今日は早いわね~学校ないのにね?」
「うん、ちょっと目が覚めちゃったから……今から二度寝するのもね……」
「そう~あ、朝食出来てるから、一緒に食べましょう?」
「うん」
そう言って、椅子に座って、出されている朝食を見てみる。
メニューは、お刺身に味噌汁にご飯だった。
「これ、何のお刺身?」
「秘密、まあ美味しいから食べてみてね~」
朱莉母さんがそう言うので、醤油につけながら食べてみる。
味は、朱莉母さんが言ったとおり、美味しかった。
でも何の魚なんだろ? これ……と思いながら、これ以上聞いても、教えてくれそうにないし、美味しいから、ま、いいか……と思う事にして、あっという間に食べ終わってしまった。
食べ終わった後、これからどうしようかな……と思っていると
朱莉母さんが
「聖ちゃん、今日は何か予定とかあるかしら?」
そう聞いてきたので
「ううん、全く予定はないけど……」
「じゃあ、これから一緒に出かけましょう? たまにはお出かけというのもいいわよ?
そう言うので、僕は断る理由もないので
「うん、じゃあ一緒に出かけるよ、あ、それより……お父さんは?」
「ああ、圭吾さんなら、仕事で朝早くからいないわよ? まあ、夜には戻ってくるんじゃないかしら?」
「そうなんだ」
「じゃあ、早速行きましょうか? 聖ちゃん、そのままの格好で行くの?」
そう聞いてきたので、僕は
「あ、じゃあ着替えてから行く事にするよ」
「了解、じゃあ待っているわね?」
食べ終わった後、自分の部屋に戻り、外行きの服装に着替える事にした。
とりあえず上は、ジャンバーにして、下は長ズボンを履いて、帽子を被る事にした。
着替え終わった後、玄関に行くと
「あ、着替え終わったみたいね?」
朱莉母さんも、着替えてきたらしく、さっきと服装が違っていた。
うん、改めてみると……とても一児の母とは思えないし、僕がポニーテール姿で、朱莉母さんがセミロング姿なんだけど、顔が僕とそっくりなので、外を歩くと姉妹に見られがちだった。
一体、どっちが姉で妹なんだろ? と思うのだけれど……深く考えない事にする事にした。
「じゃあ、出かけましょうか?」
「うん」
そう言って、僕と母さんは一緒に出かける事にした。
山野辺の町の中を歩き、最初に駅の方角へと向かう事にした。
数十分歩いて、山野辺駅に辿り着き、これからどうしようか? と二人で相談して、とりあえず、映画を見る事にした。
駅前から数分歩き、映画館に辿り着く。
今やっている上映作品は何かな? と見てみると、朱莉母さんが
「聖ちゃん、これ見てみましょうか?」
ある一本の映画を指差してきた。
その映画のタイトルが「天空カイザー3~衝撃!夏の大決戦~」とか言う
なんか、戦隊物のアクション映画みたいな物だった。
他の上映作品を見て見ても、これが見たい!と言う作品がなく、朱莉母さんが言う物で、別に問題は無かったので
「うん、じゃあこれにするよ」
僕がそう言うと
「じゃあ、決まりね? 早速中に入りましょう?」
朱莉母さんが、受け付けの人にお金を払い、上映ルームに入る事にした。
中に入ると、結構大きなスクリーンがあり、座席も沢山あった。
僕と朱莉母さんは、前から中間ぐらいの席に座り、上映開始まで待つ。
途中朱莉母さんが「何か食べ物でも買う?」と聞いてきたけど
別にお腹すいてなかったので「いいよ、いらない」と言うと、「じゃあ、ちょっと待ってて? 私ほしいものがあるから」と言って、席を立ち
数分後、受付で買ったのか、トレーにポップコーンを載せていた。
「母さん、それが食べたかったの?」
「うん、新作のキャラメルバターコーンというのがあったから、気になってね? 聖ちゃんも食べてみる?」
そう言ってきたので、僕は
「あ、じゃあ、ちょっとだけ……」
と言って、少しだけ頂く事にした。
味に関しては、まあ普通かな……と言った感じで、不味くはなくてちょっとほっとした。
そして時間になって、映画が始まった。
この上映作品「天空カイザー3~衝撃!」夏の大決戦~」と言うのは、天空カイザーシリーズの続編で、結構人気がある作品でもあるらしく、テレビでも再放送とか上映されていたな……を思い出した。
あれ? そう言えば……この天空カイザーシリーズ、テレビで見たような……と、思いながら、内容を見てみる事にした。
そして、二時間後、映画館を出た僕達は、最後の衝撃的なラストにちょっと驚いていた。
朱莉母さんも「あの展開は読めなかったわねえ~ある程度、予想はしていたのだけれど……」とか言っていたし、僕もあの展開には、本当に驚いてしまった。
まだ、このシリーズ続きそうだな……と思い、続編出たら見ようかも……とも思ってしまった。
映画を見終わった後、朱莉母さんが
「聖ちゃん、これからどうする? まだお昼だしね?」
そう言って来たので、これからどうしようかな? と思っていると
「あれ? もしかして……聖か?」
「え?」
僕に声をかけて来たのは、僕の同じクラスで部活仲間の赤井亮太だった。
改めて亮太を見てみると、スーパーの買い物袋をぶら下げていた。
「あ、亮太、こんにちは~もしかして……買い物してた?」
「ああ、お袋に頼まれてな? 今から帰る所なんだ、聖はこんな所で何してるんだ?」
「母さんと映画を見た後かな?」
そう言うと、朱莉母さんが
「聖ちゃんのお友達よね?」
そう言って来たので
「うん、同じクラスで同じ放送部員の亮太」
「あ、えっと赤井亮太です」
「そう、私はこの子の母親の天野朱莉よ? 確か……前に家に来た事あったわよね?」
「あ、はい、確か……勉強会の時にお邪魔させて貰いました」
「母さん、亮太の家ってカレー屋さんなんだ」
「あら、そうなの? じゃあ聖ちゃん、赤井さんのお宅にお邪魔しましょう? カレーがどんなのか、興味があるわ」
「え、でも……えっと……亮太、いいかな?」
「俺は構わないぜ? じゃあ、ついて来いよ?」
「ありがと、じゃあ母さん、亮太の家に行こうか?」
「ええ」
こうして、僕と朱莉母さんは、亮太の家へと行く事にしたのでした。
僕と朱莉母さんは、友達の亮太の家へと行く事にした。
町の中を数分歩いて、辿り着いた場所は、一軒のカレー屋さんで、その名前が「レッド・カリー」となっていた。
「ここが、俺の家です」
「へ~、なかなかいい所なんじゃないかな?ね?聖ちゃん」
「う、うん」
「じゃあ、中に入るか」
「そうだね」
そう言って、三人で中に入ると
「いらっしゃいませ、あ、亮太、お帰り」
そう言って来たのは、四十代ぐらいの人で、前にあった事のある、亮太の母親らしき人だった。
「ただいま、頼まれていた物買ってきた、で、こっちが」
「あ、前に家に来てた子ね? えっと……」
「あ、天野聖です……で、こっちが」
「あらあら? もしかして、その方って、貴方のお姉さん? そっくりねえ~」
と、亮太の母親が、朱莉母さんを見て、そう言っていた。
「えっと、違うんですけど……」
「はじめまして、聖ちゃんの母親の、朱莉です」
「え?……ちょ、ちょっと亮太、それ本当?」
「ああ、マジみたいだぞ?」
「……すっごい若く見えるわ、凄いわね……」
「お袋もそう思うんだ、まあ、そうかもな……じゃあ、俺、自分の部屋に行ってるから」
そう言って、亮太は自分の部屋へと行ったみたいだった。
「自己紹介がまだだったわね? 母親の、香子よ? よろしくね?」
「あ、よろしくです、今日はカレーを食べに来たんですけど、メニュー見せてくれません?」
「あ、はいはい、少々お待ち下さい」
そう言って、香子さんが一度離れて、おしぼりと水とメニューを持ってきた。
僕と母さんは、開いている席に座って、香子さんから受け取ったメニューを見てみる。
「聖ちゃん、なかなか美味しそうなのがあるわね~どれにする?」
「お母さんは、どれが食べたいと思ってるの?」
「そうね、甘めのカレーが食べたいわね~、聖ちゃんは?」
「じゃあ、僕もそれで」
「よし、決まったわ、すいません~」
そう朱莉母さんが言い、ウエイトレス姿の香子さんがやって来た。
「ご注文は、決まりました?」
「えっと~、このビーフカレーの甘口を2つお願いします」
「かしこまりました、ビーフの甘口2つですね?少々、お待ち下さい」
そう言って、香子さんが厨房に行き、待っている間
母さんが
「聖ちゃん、学校での事あまり聞かないけど、何かやってたりする?」
「うん、放送部に入って、ラジオとかやってるよ?」
「あら、そうなの? ちょっとそれは聞きたいかも~」
「いや、無理なんじゃないかな……」
「そこを何とか、あ、なんなら録音機材持ってて、録音とかだめ?」
「それは、駄目なんじゃない?」
「え~」
そう話していると、ビーフカレーを持ってきた、香子さんがやって来た。
「お待たせしました、ビーフカレーになります、ごゆっくりどうぞ」
そう言ったので、早速ビーフカレーを食べてみる。
甘口なので全く辛くはなく、結構美味しかった。
「聖ちゃん、美味しいわね~」
「うん、甘口だから辛くなくて、美味しい」
「味もなかなかだし、結構いけるわ、ここはちょっとした当たりの店ね」
どうやら、母さんも喜んでいるみたいだった。
うん、来たかいがあったかも……
そう思っていると、僕達に話しかけてきた人物がいた。
「あ、もしかして、前にお兄ちゃんと来てた可愛い人ですよね?」
と言って来たのは、亮太の妹の美香ちゃんだった。
「う、うん、そうだけど……可愛い人って?」
「だって、見た目もそうですし、声も可愛いですから!あの……もしかして、今日はお姉さんと一緒で?」
「い、いや……」
「は~い、聖ちゃんの母親の、朱莉です、もしかして亮太君の妹さんかな?」
「ええ!?」
なんか美香ちゃんが、物凄く驚いていた。
そして、奥の部屋に行った後、聞こえてくるのが
「お兄ちゃん、あの人、本当に母親なの?」
「ああ、そうだぞ」
「全く見えない!!双子の姉妹に見えるよ!?」
「やっぱりな……お前もそう見えるか」
「うん!は~それにしても、凄い人がいるんだね~あの人も物凄い可愛いし、お兄ちゃん」
「何だ?」
「あの人が家族になるんだったら、私は反対しないよ?」
「お前は、何を言ってるんだ?」とか聞こえてきた。
朱莉母さん、そんなに凄いのか……
カレーを食べ終わったので、代金を払うと
香子さんが「また、食べに来てね? 亮太の彼女さん」と、何故か僕に向かって言って来たので「あの……違うんですけど……」と言うと
かなり驚いていた。
それで、お店を出た後、小さい声で
「亮太、頑張りなさいよ?」
「お袋、何言ってるんだ?」とか言っていたのが聞こえてきた。
「聖ちゃん、もてもてね~」
「お母さん、それ、うれしくない……」
「ま、いいわ、お腹もいっぱいになったし、これからどうする?」
「う~ん、特に行きたい所今の所ないよ?」
「じゃあ、もう戻りましょうか?」
「うん」
こうして僕と朱莉母さんは、家へと戻る事にしたのでした。




