~第五十四話~
うん、今回の話も、長くなって、ちょっと疲れましたね。
次の日、僕はいつもと同じ時間に起きた。
起きてから、部屋のそとに出て、洗面所に向かい、顔を洗う事にした。
顔を洗い終わった後、自分の顔を鏡で見てみると、すっかりと髪が伸びていて、とても男に見えず、思いっきり美少女に見える。
「やっぱり、長すぎるから髪、切った方がいいかな……?」
そう思ったので、一度移動して、鋏で自分で切ろうと思い、鋏を持って行き、洗面所に再び戻ると、朱莉母さんがいた。
「あら? 聖ちゃん? 鋏なんか持ち出してどうしたの……?」
「ちょっと、髪が伸びたから、ばっさりと切ろうかな……と思って……」
そう言うと、朱莉母さんが
「だ、駄目よ!? せっかくの綺麗な髪なんだから、切ったら、悲しむわ……」
なんか、泣きそうな顔になっていた。
「でも、長いと……さすがに前が見にくくなるし……」
「じゃあ、私にまかせて?」
と言って、僕から鋏を奪うと、僕に向けて、鋏を向けて
「私が切りそろえてあげるわね? 聖ちゃん」
そう言ってきたので、僕は朱莉母さんに任せる事にした。
数分後……
「うん、これでいいかな?」
鏡を見てみると、前髪を切りそろえて、前はショートのもみあげができていて、結局後ろは、切る事はなく、ロングのままだった。
「これで見ずらいという事はないはずよ? じゃあ、ヘアゴムで髪を纏めるわね?」
そう言って、黒のヘアゴムで後ろの髪を縛って、いつものポニーテール姿になった。
「うんうん、似合ってるわよ? 聖ちゃん」
「そ、そう?」
「ええ、でもあんまり長くするのもね? 冬休みに入ったら、ショートにしてみましょうか? まだ、学校あるのでしょ?」
「う、うん、じゃあそうする事にするよ」
「じゃあ、決まりね? さ、朝ご飯にしましょう」
そう言って、朱莉母さんと二人で、リビングの方に向かった。
リビングに辿り着くと、出されている朝食は、御握りにいなり寿司だった。
既に椅子に座っているのは、圭吾父さんで、いなり寿司を食べていた。
「お、聖、ちょっと髪切ったのか? うんうん、似合っているぞ、可愛い可愛い」
「それ……息子に言う台詞じゃないと思うんだけど」
「今の聖の声で、その姿なんだから、バッチシと似合っているぞ?」
「……はあ、まあいいよ、僕も食べようっと、頂きます」
そう言って、僕も椅子に座り、おにぎりといなり寿司を食べる事にした。
おにぎりの具は、鰹に鮭らしく、結構おいしかった。
いなり寿司も数個ほど食べて、「ごちそうさま」と言ってから、自分の部屋に戻る事にした。
自分の部屋に戻り、鞄の中に必要な物を入れてから、山野辺高校の男子の制服に着替える。
そんなに時間をかけると言う事はなく、あっという間に着替え終わり、遅刻しないように、出かける事にした。
外に出て、外の天気は快晴で、雨が降る心配はなく、風もそんなに吹いていなく、ちょっと暖かく感じながら、通学路を歩いていると
「お、天野君、おはよう」
と話しかけてきたのは、同じクラスで演劇部員の山本理恵さんだった。
僕は、外なので低い声で、話し出す。
「お、おはよう」
「外だと低い声で話しているの?」
「うん、まあ……今の僕の格好で、いつもの声だったら、ちょっと変に見えると思ってね」
「まあ……今の君は、男子用の制服を着ているしね……そう言えばね? 部長がボクに言ってきたんだけど、天野君って男装してるの?って聞かれたよ?」
「え? それって……演劇部の部長さんが?」
「ああ、で、実際に……女だったりしたりするのかな?」
「……もし、僕が女です~とか言ったら、どうだって言うの?」
「全く違和感無いと思うかなあ、今の容姿にあの声だしね? 思いっきり美少女に見えるし? 男達から告白とかされるんじゃない? 実際に演劇部員で、天野君の事、女? とか疑問に思ってる人、結構いるみたいだしさ?」
「そ、そう……でも、実際に僕は男ですよ」
「本当?」
「うん……」
「とりあえず……ボクから演劇部員には言っといてあげるよ?」
「ありがと……」
「いえいえ」
そう話しながら、通っている高校に辿り着き、自分のクラスの中に入り、自分の席に着く。
自分の席に着いてから、鞄の中身を机の中に入れる作業をした後、先生がくるまで、ぼ~っとする事にした。
ぼ~っとしていると、チャイムが鳴って、担任の碓井先生が入ってきて、こう言ってきた。
「皆、おはよう、皆判ってると思うが、今週の土曜日は学園祭となっている、まあ……今日も、午前中は平常授業、午後は学園祭の出し物の準備とする、じゃあ授業を始めるぞ」
そう言って、授業が始まったので、僕は、真面目に聞く事にしたのだった。
午前中の授業の時間になり、午前中の授業は、何故か……ミニテストをやる事になってしまった。
先生が言うには「これまでの授業をちゃんと聞いていれば、問題なく出来る筈だぞ?」とか言ってるけど……ちょっと……と言うか、結構自信がなかった。
まあ、テストなのでとりあえず……判る所だけ、回答していこうと思い、とりあえず解答用紙が配られたら、問題を解いていく。
時間が過ぎていき、何とか全問埋める事が出来て、とりあえずほっとした。
ミニテストが終わって、次の授業は、地理の授業だった。
授業中思うのは、こんな事を習っても、実際にその場所に行く確立が物凄く低いし、大人になったら、ほとんど忘れるんじゃないかな……とは思うのだけれど、先生は「これは、覚えたほうがいいぞ?」とか言っているので、とりあえずノートに書いておく事にした。
午前中の授業が終わって、お昼の時間になった。
僕は、今日はお弁当を用意していないので、購買部に立ち寄ってから、放送部に行く事にした。
購買部に行くと、もう既に沢山の生徒がいて、品物が次々と売れていく光景だった。
僕も売り切れになるのは嫌だったので、その中に入って、何とか総裁パンを二つ購入する事が出来た。
無事に買えたので、そのまま放送室に向かうと、もう既に、先輩達が集まっていて、お弁当を食べていた。
「あ、聖君、来たわね?」
そう言ったのが、部長の中田彩部長で、スパゲッティを食べていた。
「はい」
「あ、今日はパンなんだ?」
「ええ、今日はお弁当を用意してなかったので」
「ふ~ん……ちょっと気になったんだけど、お弁当って、聖君が作ってるの?」
「えっと……母に作って貰ったり、たまに僕も一緒に作ったりしますけど……」
「そうなんだ~うんうんなんか似合いそうね? ね? 太一もそう思うでしょ?」
「何で俺にふる? まあ……そうだな、確かにエプロン姿とかにすっげ~似合いそうだな」
「本当にそうね~ちょっと見てみたいかも~」
「確かに、聖はエプロン姿似合ってましたよ?」
「何で知ってるの? 亮太君」
「だって、昨日学園祭の出し物の準備で、エプロン姿でしたし」
「く~~見たかったわ~」
「あ……所でちょっと気になったですけど、先輩達は学園祭の出し物って、何やるんですか?」
「私達三人とも、クラスバラバラだからね~ちなみに私のクラスは、お化け屋敷よ? 洋子と太一は?」
「私のクラスは、おにぎり屋さんね、まあ色々な衣装を着るから、コスプレおにぎり屋さんって事になるかな?」
「俺のクラスは、執事喫茶だな……あ~あ、接客大変かもな……」
「そうなんですか……」
「暇が出来たら、見に来てね? 二人とも」
「あ、はい」
「解りました」
話しながら、購入してきたパンを食べていると、彩部長が
「よし、じゃあ今日のラジオ担当は、太一と亮太君でお願いするわ」
そう言ったので、太一先輩と亮太が
「了解、じゃあ行くか? 亮太」
「はい」
そう言って、ブースの方に行き、ラジオの準備をする。
数分後、二人がOkサインを出したので、彩部長が
「じゃあ、洋子、放送お願いね」
「はいは~い」
そう言って、スイッチを入れて、こう話す。
「これから、お昼の放送を始めます」
そして、今日のラジオ放送が、始まり、今日のラジオ放送は、太一先輩と亮太の番だったので、僕は、先輩達と一緒にルームの方にいるのでした。
「今日の始まりました、ヤマノベラジオ~今日のパーソナリティーは、毎度おなじみブラックと」
「レッドでお送りします」
「おや? レッドさん、普通なコメントですねえ~」
「まあなあ~特に言う事もなかったので、普通にコメントしてみました」
「そうですか、ところで……そろそろ学園祭ですが、レッドさんは学園祭は楽しみにしてます?」
「そりゃもちろん! 学園祭で色々な出会いがあるかも知れないですしな?」
「ほうほう、色々な出会いとは?」
「例えば、別の学校の人とかとお知り合いになって、好意を寄せられるかも……って、そう思うぞ、ちなみに俺と仲良くしたい女子、募集中だぜ! ちなみにブラックはどうだ?」
「そうですね、まあ楽しみと言えば楽しみかも、学園祭というのはそういうもんだし」
「あんまり、乗り気じゃないみたいな感じだな……まあ、とりあえず……音楽でも流しますか」
「まあ、そうですね、え~っと今日の流す曲は……候補が結構あるけど、どれがいいと思います? レッドさん」
「そうだなあ……たまには、こういうアイドル曲もいいかも知れないし、とりあえずこれを流してほしいかな?」
「そうですね、じゃあ、これにしときましょうか? では、蓮城麗華の曲です」
そう言って、音楽が流れる。
その間にルームから、ミニパソを持って、洋子先輩が、ブースの方に向かった。
数分後、音楽が終わり、再び二人がマイクで話しだす。
「いや~いい曲ですね~ちなみに俺は蓮城麗華は結構好きなアイドルだなあ、ブラックは?」
「そうですね~たまに聞く程度ですかね? さて、今日はホワイトちゃんがいないので「ホワイトちゃんに言ってほしい事」はお休みとさせて頂きます、とりあえず……このラジオの感想でも読み上げましょうかね? え~っと……何々?「レッド、普通にやるといい感じ」「ブラック、誰だか気になるな」「ブルーお姉さま希望」「ホワイトちゃんの癒しボイスで、癒されたい……」結構来てますね~」
「本当だ……そうか、普通にやっていれば俺も人気が上がるというのだな?」
「いや、でもホワイトちゃんが圧倒的に人気ですので、レッドさんは勝てないのでは?」
「いや、まだ分らないだろ? 皆、俺を応援してくれよな!!」
「うわ、ドヤ顔でそう言ってる……ちょっと格好悪いかも、と言うか……うざ……」
「何か言ったか?」
「いえいえ、あ、もうこんな時間ですね、お相手は常識人ことブラックと」
「燃える魂を持った者、レッドだ!」
「以上でお送りしました、この番組は放送戦隊ヤマノレンジャーの提供でお送りしました」
二人がそう言ったあと、マイクのスイッチを切って、ルームに三人戻ってきた。
「三人ともお疲れ様、あとは放課後に集まるだけね? そろそろチャイムも鳴るし、解散ね?あ、洋子、放送お願い」
部長の彩さんが、そう言うと、洋子先輩が
「はいは~い」
と言って、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「これで、お昼の放送を終わりにします」
そう言ってから、マイクのスイッチを切る。
「これでOk」
「じゃあ、放課後に」
彩部長がそう言ったので、僕と亮太は、教室に戻る事にした。
戻る途中、亮太が僕に
「聖、今日も家庭科室で調理するのかな?」
とか聞いてきたので、学校内なので僕は低い声で
「まだ解らないよ、でも……続けて調理というもの、なんかね……今日は違う事やるんじゃないかな?」
「そうかもな……」
そんな事を二人で、話しながら教室に戻った。
教室に戻り、午後の授業の時間になり、担任の碓井先生が
「今日は、教室でテーブルの位置とか決めようと思う、机を全部後ろにやってくれ」
そう言ったので、クラスメイト全員で机を全部後ろにして、必要な数だけ、机を前に出して、机をくっつけてテーブル状にした。
「うん、もっと入りそうか? 入るなら、もうちょっと入れてみよう」
先生がそう言うので、もっと机を前に出し、計、六個のミニーテーブルが完成した。
「うん、大体こんな感じか? じゃあ、その上にランチマットを敷けば完成だな? で、次に出すメニューとその値段設定を決めようと思う」
そう先生が言うので、クラスメイトで相談しあって、メニューの数と、値段設定が決まった。
時間が過ぎて、チャイムが鳴って、碓井先生が
「もうこんな時間か、今日はここまでにしとこう、机を全部戻すぞ」
そう言ったので、机を元の位置に戻した。
机を全部元の位置に戻した後
「よし、あとは学園祭本番を待つだけだな? 明日の事だが、明日は午前中までの授業しかない、で、明後日は待ちに待った学園祭当日だ、では、解散」
そう言ったので、僕と亮太は、帰り支度をして、放送室へと向かう
放送室に辿り着くと、もう既に先輩たちが集まっていて、彩部長が
「先生から聞いたと思うけど、明日は午前中の授業しかないみたいだから、ラジオ放送はないわね? で、学園祭は放送部員は、演劇部の劇の手伝いをする事になってるわ」
「確かそうだったわね」
「二人とも一応役があるから、ちゃんと練習しときなさいね?」
「あ、はい」
「解りました」
「じゃあ、連絡事項はこのぐらいかしらね? では、洋子、お願い」
「了解」
そう言って、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「下校の時刻となりました、皆さん速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆さん速やかに下校して下さい」
そう言ってから、マイクのスイッチを切る。
「これでOK」
「じゃあ、帰りましょうか?」
「ああ、そうだな、あ、洋子、お袋が買ってほしいものがあるそうだから、買ってきてくれないか?」
「ええ? そんなの太一が行きなさいよ?」
「俺もそんなに暇じゃね~んだよ、色々あってな? じゃ、よろしく頼んだぞ」
「あ、待ちなさい! 太一!」
そう言って、先輩達は行ってしまった。
「じゃあ、俺達も帰るか? 聖」
「うん、そうだね」
そう言って、僕達も一緒に帰る事にした。
下校中、亮太が
「明日は午後暇になるな? 聖、何所かに遊びに行かないか?」
「何所かにって?」
「それは明日になってから決めようぜ? で、どうだ?」
「う~ん……まあいいかな?」
「じゃあ、決まりだな、俺こっちだから、じゃあな」
そう言って亮太と別れて、僕は真っすぐ家に戻る事にした。
家に戻ると、母親の朱莉母さんが
「お帰りなさい、聖ちゃん」
と言ってきたので
「ただいま、お母さん」
そう言って、自分の部屋に戻り、着てる制服を脱ぐ。
脱いで、私服に着替えて、とりあえず……台本を持って、練習する事にした。
数十分ぐらい練習した後、いつの間にか帰ってたのか
圭吾父さんが
「お、聖、もしかして劇に出るのか?」
と聞いてきたので
「うん、一応チョイ役だけど、出る事が決まったから」
「そうか……なら、見に行かないとな、楽しみにしてるぞ」
「見に来るの?」
「あたりまえじゃないか、何を言っているんだ?」
「あたりまえなんだ……」
僕は、ちょっと見られるのは恥ずかしいかな……と、そう思っていたのでした。




