~第五十三話~
久しぶりの長編になってしまいました。
書き込むのに、ちょっと疲れちゃいましたね・・・
次の日、僕は、いつもと同じ時間に起きた。
起きて、最初にやる事と言えば、発声練習を行う事にした。
「あ~あ~……低い声と高い声……」
低い声も高い声も、難なく出せる事が出来たので、練習をやめて、顔を洗いに、洗面所に向かった。
洗面所に辿り着き、鏡で自分の姿を見てみると、もうすっかりと、髪が伸びきっていて、かなりのロングヘアーになっていた。
髪を洗って、ブラシで整えてから、黒のゴム紐でポニーテールに縛り、洗面所を出て、リビングに向かった。
リビングに辿り着くと、朱莉母さんと、圭吾父さんが、既にいて
「お、おはよう、聖」
「聖ちゃん、おはよう」
そう言って来たので、僕は
「おはよう」
と言って、椅子に座る。
テーブルの上に置かれている、朝食を見てみると、焼き魚に味噌汁にご飯だったので、思いっきり、朝定食のメニューだった。
遅刻しちゃ不味いので、急いで食べて、食べ終わったら、朱莉母さんが
「はい、お弁当」
と、僕にお弁当を渡してきたので
「ありがとう」
と言って、受け取ってから、自分の部屋に戻り、制服に着替える事にした。
山野辺高校の男子用の制服を着て、持ち物を確認してから、外に出る。
外の天気は快晴で、雲ひとつない天気だった。
秋の季節になっていたので、これから寒くなるから、マフラーとか必要かな? と思いながら、通学路を歩いていると
「お、おはよう、聖」
そう話しかけてきたのは、同じクラスの亮太だった。
僕は、ほかの人に高い声を聞かれると不味いので、低い声で
「おはようございます、亮太」
「ああ、今日も学園祭に向けての練習だろ?」
「そうですね」
「あと、学園祭でやる事になった劇だけどな? 聖、練習してきたか?」
そう言われて、そう言えば、演劇部の手伝いで、劇に参加する事になってたんだっけ……と、思い出した。
「そう言えば、そうですね……忘れてました」
「そっか、じゃあ、放課後、一緒に練習しとかないか?」
そう言ってきたので、僕は
「うん、いいですよ」
「じゃあ、決まりだな? 部活が終わった後に、また、声をかけるな?」
「はい」
そう話しながら、山野辺高校に辿り着き、自分のクラスの中に入る。
入ってから、自分の席について、鞄の中身を机の中身を入れた後
ぼ~っとしていると、チャイムが鳴って、担任の碓井先生が入ってきて、こう言って来た。
「みんな、おはよう、今日も午前中は普通の授業、午後は学園祭の準備となっているから、そのつもりで、では、授業を始めるぞ」
こうして、午前中の普通の授業が、始まった。
午前中の授業内容は、国語の授業だった。
国語の文章を、読むと言う物で、先生がクラスメイトを指さして、読ませるという事をやってきて、出来れば、僕をさしませんように……
と思っていたけど、先生が「天野、次、読むように」と言ってしまったので、仕方がなく、僕は、低い声で話すようにして、教科書に書かれている文章を読み上げていく。
先生が「よし、もういいぞ」と言ったので、僕は読むのをやめる。
そんな感じに授業が進んでいき、お昼の時間になった。
今日は、母さんがお弁当を持たせてくれたので、それを持って
同じクラスメイトの亮太と一緒に、放送室へと向かう事にした。
放送室に辿り着き、中に入ると、もう既に先輩達がいて、お弁当を食べていた。
「あ、二人とも来たわね?」
部長の彩さんが、そう言い、洋子先輩と太一先輩はと言うと
「洋子、そっちのミートボールよこせ」
「嫌よ、何で私があんたにあげなきゃならないのよ」
「いいだろ~が、別に」
「よくない」
ちょっと喧嘩っぽいことをしていた。
「あの……太一先輩と洋子先輩、機嫌悪いんですか?」
「そんな事ないと思うわよ? ね? 洋子」
「ええ、ただ太一が食い意地をはっているだけよ」
「しょうがね~だろ? なんか少なく感じるんだからな? ほら、俺も育ち盛りだからな? 二人は解るだろ?」
太一先輩が、僕達にそう話しかけてきた。
「まあ、言ってる事は解るかな……と」
「ぼ、僕も……」
僕がそう言うと、亮太と太一先輩が僕の事をじろじろ見た後
「なんか……そう見えないな? 聖の場合」
「え?」
「あ、ああ……すまん、聖」
「な、なんで謝るんですか?」
「そ、それよりお弁当食べようぜ? 聖も持ってきてるんだろ?」
「……うん」
なんか、ちょっと気に食わなかったけど、僕はお弁当を食べる事にした。
朱莉母さんが用意してくれたお弁当箱を開いてみる。
中身は、ふりかけおにぎりにミートボール、クリームコロッケにポテトサラダだった。
その中身を見て、亮太が
「お、聖のうまそうかも、ちょっと俺のと交換しないか?」
そういう亮太のお弁長箱の中身は、カレー屋さんだからか、三種類のカレーみたいだった。
「亮太のお弁当って」
「ああ、右がビーフ、真ん中がポーク、左がチキン味になってるんだ、聖、どれがいい?」
「じゃあ、チキンで」
「そっか、じゃあ俺は、おにぎり一つ頂くな?」
「うん」
そう言って、亮太とおかずを交換し合いながら、お弁当を食べ終わる。
亮太のお弁当箱のカレーの味は、結構甘口だからか、結構おいしかった。
お弁当を食べ終わった後、彩部長が
「お昼御飯もすんだし、今日のラジオ放送は、久しぶりに聖君と亮太君でお願いするわね?」
「解ったわ、じゃあ行くか、聖」
「あ、はい」
そう言って、僕と亮太は、ブースの方に向かった。
ブースの中に入り、マイクのチェックをした後、ルームにいる彩部長に合図を送る。
彩部長は、それを受け取った後、スピーカーから声が聞こえてきた。
「じゃあ、始めるよ?」
そう言って、指でカウントダウンを初めて、それが0になった時
スピーカーから彩部長の声がする。
「お昼の放送を始めます」
こうして、今日のラジオ放送が、始まった。
「みんな、こんにちは~今日も始まりました、ヤマノベラジオ~MCはもちろん、毎度お馴染み、ブラックと」
「いつも元気に頑張りましょうね? のホワイトです」
「おや、どうしました? ホワイトちゃん」
「いや、何か……僕も、キャッチフレーズあった方がいいかな?って思って…… 」
「う~ん、確かに何かしら、あるといいかも知れないって事だよなあ…… 」
「ちなみにブラックさんだったら、どんなのがいいと思います?」
「うん、そうだな……ほら俺の色って、ブラックでしょ? それを使った事を言うと言うのもありか?って感じかも「黒い衝撃、ただ今参上!」とか? うん、かっこいいかも」
「じゃあ……僕も、ホワイトだから、白をイメージした事を言えば……」
「ホワイトちゃんは、やっぱり……エンジェルでしょ、はい、決まり」
「ええ!? 決まりなの!?」
「だって、その声だと、かなり癒し系になるしさ、視聴者の皆様だって、ホワイトちゃんの事、天使の声だと思ってるんじゃない?」
「う……そうなのかな?」
「そうだって、さて……無駄話もここまでにしときまして、いつもの恒例の音楽を流したいと思います、さてホワイトちゃん、今日の流す曲って、何がいいと思う?」
「え、決まってなかったの?」
「まあ、色々候補があがっていてね~あ、はいはい、え~っと…… なら、これで行きましょう」
「え? 独断……」
「では、聞いて下さい、ヤマノベボーイズで「男達のララバイ」」
そう言って、音楽が流れる。
その間はマイクを切っているので、話しても大丈夫だった。
その間に、ミニパソを持った西岡洋子先輩が、ブースの中に入ってきた。
そして、数分の曲が終わって、再び、マイクで話し出す。
「今、お聞きいただいた曲は、ヤマノベボーイズの「男達のララバイ」でした、ちなみにこの曲、ホワイトちゃんは知っていた?」
「いや……初めて聞くんだけど……ヤマノベボーイズすら、知らなかったし…… 」
「実はこのヤマノベボーイズ、山野辺市出身のグループなんだって、結構昔にそこそこヒットした曲ですよ」
「そこそこなんだ…… 」
「まあ、音楽性の違いにより、数年後に解散したバンドだけどね」
「じゃあ、駄目じゃないですか? 音楽性の違いねえ…… 」
「ま、メンバーの一人がこの山野辺高校のOBらしいですし、音源が残っていたから、流したまでですよ、あ、このCDが欲しかったら、職員室に行って、先生に頼んでみてね、きっと快く譲ってくれると思いますよ~在庫が余ってるらしいので」
「生徒に処分させる気……? い、いいのかな~」
「ま、この話は、ここで打ち切って、では恒例のホワイトちゃんに言って欲しいことを、行いたいと思います」
「恒例って……別に言わなくても、いいんじゃないですか?」
「何言ってるんですか、このコーナー、結構人気あるのだよ? じゃあ、早速選んで行きましょう~えっと…… うわ、いっぱい書き込みが、皆、よっぽど暇なんだな」
「そんな事言っちゃいけないでしょ……」
「まあまあ、ん~よし、これにしとこうかな? HNみっふぃーさんから「お兄様に愛を優しく言う感じで」と書かれていますね~、ささ、どぞ~」
「ええ!?えっと……「お兄様…… 私、貴方の事が…… 好きですわ…… 」こ、こんな感じ?」
「……情景が浮かぶなあ、そう言われたら、実の兄貴でもOkしちゃうんじゃないですかね~」
「それはまずいんじゃないかな? さすがに」
「じゃあ、次言ってみよう~え~っと…… うん、これにしよっと、HNメイルストロークさんから「後輩が、話しかけてくる感じで」と書かれてありますね、さ、どうぞ~」
「う~ん……「せ~んぱい? こんな所で何してるんですかぁ~? 私も一緒にいっていいですかぁ~?」、こんな感じかな?」
「こんな後輩がいたら、まず確保、それから……フフフフフ」
「な、何企んでるんです!? それに確保って!?」
「お~っと、名残惜しいですが、もうこんな時間だ、お相手は「ブラックメンってかっこいいよね?」と思う、ブラックと」
「えっと……「ホワイトって安らぐかも…… 」って思うホワイトです」
「以上でお送り致しました、この番組は、放送戦隊ヤマノレンジャーの提供で、お送りいたしました」
そう言ってから、マイクのスイッチを切り、ルームに戻る事にした。
ルームに入って、彩部長が「いいのを聴けたわ、さすが聖君ね?」とか言ってくるし、太一先輩が「……いいな」とか、顔を赤らめて、僕が見つめたら、はっとして、「な、何でもないぞ!」と妙にあせっていた。
「じゃあ、洋子、お願い」
そう彩部長が言って、洋子先輩が、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「これで、お昼の放送を、終わりにします」
そう言って、スイッチを切った。
「これで、OK」
「じゃあ、次は放課後に集まるわよ? では、解散」
彩部長がそう言ったので、僕と亮太は、自分のクラスに戻る事にしたのでした。
ラジオが終わって、午後の授業に突入した。
午後の授業は、いつもの授業と違い、学園祭に向けての出し物の準備をする事になっていたので、女子生徒は、衣装のセッティングとかをやり、僕達は、家庭科室で、出し物の調理を行う事にした。
家庭科室に辿り着き、エプロンを装着する。
エプロンを着け終わった後、何を調理しようか……と皆で、相談して、僕が手伝う事になったのは、亮太と衛の三人で、カレーを作る事になった。
「聖、俺達はカレーを作る事にしたけど、何カレーがいい?」
亮太がそう聞いてくる。
僕は、ちょっと考えてから
「じゃあ……ありきたりで、ビーフカレーとかかなあ……衛君は?」
「俺か? そうだなあ……、ビーフもいいけど、シーフードカレーも捨てがたいぞ?」
「あ、それいいな? でも材料で考えると、そうだな……チキンカレーにしとかないか? 安上がりだしな?」
「僕は、それでいいよ?」
「赤井がそう言うんだったらいいぜ? まあ、カレー屋さんだしな」
僕達三人は、チキンカレーを作る事にした。
役割分担をきめて、僕が材料を切って、衛君がご飯の用意、亮太がルーや煮込みの準備をする事になった。
買い出し班が、材料を購入して来てくれて、その材料の中から、ジャガイモと玉ねぎと人参を皮むきをして、包丁で切っていく。
調理は、母さんの手伝いとかした事があるので、全く問題はなかった。
なんか視線を感じるなあ……と辺りを見渡すと、衛君が僕の姿をじ~っと見ていた。
「な、何?」
「い、いや……なんか……すっげ~似合ってるな……と思って」
「顔を赤くして言われても、僕はどう反応したらいいのかな? 衛君? 何か考えてる?」
「べ、別に赤くなってないぜ!」
なんか、衛君が物すごい焦っていた。
うん、何でだろ? と思っていると、亮太と衛君が何か、小声でぼそぼそと話している。
ちょっと気になったので
「二人で何こそこそ話してるの?」
と聞くと
「い、いや何でもない、な?」
「ああ、聖は気にする事ないぞ?」
「すごい気になるんだけど……まあいいや……」
そう言って僕は、再び調理していく事にした。
材料を切り終わり、切った材料を鍋の中に入れて、煮込む事にした。
煮込んでから、ルーを入れる事にした。
「ルーは、勝手に決めたけど、これでいいよな?」
「僕は、問題ないよ」
「ああ、俺もだ」
「じゃあ、あとは隠し味にこれを入れてっと、あとはかき混ぜて煮込めば、完成だ、栗谷? ご飯は準備できたか?」
「もうちょっとで、炊きあがるぞ」
僕は、その間にスプーンとお皿を用意する事にした。
数分後、亮太が「出来たぞ」と言い、衛君が「こっちも焚き上がったぞ」と言ったので、お皿の上に盛り付ける。
「味に関しては、保証出来ると思う、じゃあ頂こうぜ?」
亮太が、そう言ったので、僕達は「いただきます」と言って、出来上がったチキンカレーを試食する事にした。
味に関しては、問題はなく、結構美味しくて、これならお客も大満足だと思った。
衛君は「この味なら、儲かるんじゃないか?」とか言っているし、他の男子も「これなら、いける」「やるな……さすが、カレー屋の跡取り息子だな」とか言っていた。
あっという間に食べ終わって、担任の薄井先生がやって来て、先生にも試食してもらうと「ふむ、これは旨い、いい味だな」と褒めてくれた。
最後にエプロンを外して、片付けをして、教室に戻る事にした。
教室に戻った後、薄井先生が
「今日はここまでとする、明日も午前中は、平常授業、午後は学園祭の準備とする、では、解散」
そう言ったので、僕は帰りの準備をしてから、亮太と一緒に、放送室の部室へと、向かう事にした。
放課後になって、僕と亮太は、放送室へと向かう事にした。
放送室に辿り着いて、中に入ると、もう既に先輩たちがいて
後、顧問の翠先生もいた。
「あ、二人とも来たわね?」
部長の彩部長がそう言って、翠先生が
「よし、これで全員そろったな? 今日は、体育館で演劇部の練習をやるから、放送部員も練習に参加する事になっていたよな? 確か……赤井と、天野は劇に参加するんではなかったか?」
「あ、はい、そうですね」
「確かに……」
「じゃあ、体育館に行きましょう」
部長がそう言うので、僕達放送部員は、体育館へと向かったのだった。
体育館に辿り着くと、演劇部員らしき人が、演劇の練習をしていて、その中にクラスメイトの山本理恵さんの姿もあった。
「あ、放送部のみなさんですね? 私がこの演劇部員の部長をしている、有栖川と言います」
と、有栖川と名乗った女性が、そう言う。
見た目は、結構な美人さんだった。
「私が、放送部部長の中田よ? で、今回、貴方達の演劇を手伝う事になったのは、後輩の二人よ?」
「あ、俺、赤井って言います」
僕も、クラスの中じゃ無いので、低めの声で
「あ、天野です」
「そうですか、ありがとうございます、じゃあ、君達二人には、脇役としてこの劇に参加してもらいますね?」
「だそうよ? 二人とも、頑張ってね?私達は、証明とか音声の打ち合わせをやるわ」
「あ、はい」
「解りました」
部長の彩さんに言われたので、僕と亮太は、演劇部員と一緒に、劇の練習をする事になった。
ちなみに劇の名前は、「ヤンデレ王女と狼さん」というタイトルで、僕は、通行人の役、亮太は兵士の役みたいだった。
ちなみに理恵が、主役のヤンデレ王女みたいらしく、台詞が沢山あり、結構演技に熱が入っていて、ちょっと面白そうな劇だった。
「は~い、じゃあ天野君と、赤井君、台詞あわせと演技をお願いね?」
と、演劇部部長の有栖川さんが言うので、僕と亮太は、演劇部員に混じって、一緒に練習する事にした。
一時間ぐらい練習した後、彩部長が
「あ、もうこんな時間ね? じゃあ二人とも、今日はもう帰っていいわよ? 洋子、放送室に行って、放送お願いね?」
「はいは~い、任せて」
そう言って、洋子先輩は、体育館から出て行った。
「じゃあ、俺はもうちょっと手伝ってから、切り上げるな? 彩もそうだろ?」
「ええ、そうするわ」
「じゃあ、俺達は帰っていいんですか?」
「ええ、亮太君と聖君は、帰っていいわよ? お疲れ様」
「あ、お疲れ様です」
僕と亮太は、最後に挨拶をして、一緒に帰る事にした。
帰り道、僕は気になった事があったので、亮太に聞いてみる事にした。
「ねえ、亮太?」
「何だ? 聖」
「家庭科室で、徹君と何かぼそぼそ話していたけど……一体なんだったの?」
「あ~、その事か……実はな? 徹がな?「聖のエプロン姿って、なんか若奥様みたいでいいな……」とか言っていたんだ、ま、今の聖の見た目、完璧に美少女に見えるしな? 今は男子の制服を着てるけど、私服だったら思いっきり女の子に見えるぞ?」
「そう……やっぱり、この髪切った方がいいかな?」
「俺は反対だが……家族は、何ていってるんだ?」
「母さんも父さんも、髪を切っちゃ駄目っていってるよ、この方がいいからってね……」
「俺も、そうだな、今ので似合ってるしな? あ、俺、こっちだから、じゃあな?」
「あ、うん、さようなら」
そう言って、僕は亮太と別れて、家に戻る事にしたのでした。




