~第五十話~
朱莉母さんの作ってくれたお弁当を食べ終わった後
僕は、校舎の中に入り、着替える事になっていた。
それは、何故かと言うと……
応援団をやる事になってしまったからで、その衣装に着替える事になってしまったからであった。
しかも……僕の衣装は、普通の男物の衣装では無く、女物の衣装を着る羽目になってしまい、その衣装に着替える事にした。
チアガール風の衣装に着替え終わった後、クラスメイトの相良さんと委員長がやって来て
「天野君、本当に似合ってるね~可愛い可愛い」
「天野君、本当に女の子じゃないの?」
とか、言ってきたので、僕は
「やっぱり……女の子に見えたりしちゃってる?」
と言うと
「うん、あとはそうね……メイクしてあげるわね? 相良さん」
「了解、じゃあ天野君、こっち来て?」
そう、相良さんが言って来たので、僕は
「それ……断っちゃ駄目かな?」
「だーめ」
「凄い笑顔が怖いんだけど……」
結局、されるがままになってしまい、メイクされてしまった。
数分後
「うん、あとは髪を縛っている紐を解いてっと……完成! うわ……改めて見ると……凄い美少女ね」
「え? そうなの?」
「ええ、ほら、鏡を見せてあげるわね?」
そう委員長が、手鏡を出して、僕に見せてきた。
鏡に映り込んでいるのは、可愛い女の子だった。
いや……女の子と言うのは、間違いなのだが……とても、男には全く見えず、かなりの美少女が、そこに写り込んでいる。
「これ……僕?」
「そ、天野君、男子にモテルわよ?」
「いや、それは嬉しくないよ……」
「委員長、そろそろ応援合戦の時間みたいだよ?」
「あ、そうね? じゃあ天野君、校庭に行きましょうか」
「う、うん」
そう委員長に言われたので、僕はそのままの姿で、校庭へと行く事にした。
校庭に出て、アナウンスが入る。
「次は、各組対抗の応援合戦です」
と、放送部部長の彩部長の声が聞こえて、応援合戦が始まった。
僕の所属しているのは、白組なので、白組の応援団の人と一緒になって、出番を待つ。
待つ間、かなりの視線を感じたけど、とりあえず……無視する事にして、白組の応援になったので、応援団の皆と一緒になって、踊る事になった。
踊っている間、カメラのフラッシュ音が鳴り響いたので、これって……滅茶苦茶撮られているのかな……何か嫌かも……と思いながら、踊って、応援合戦が終わった。
応援合戦が終わったので、僕は教室に戻って、メイクを落として、黒のヘアゴムで、髪を縛り、ポニーテール姿にした後、着ている衣装を脱いで、体操服に着替える事にした。
体操服に着替え終わった後、僕は、放送の仕事があるので、先輩達がいる場所に戻る事にした。
放送機材が用意されている部屋に辿り着くと、先輩達が
「見たわよ? あの一番可愛かった子って、聖君よね?」
「うんうん、凄い可愛かったわよ」
「凄く可愛かったなあ……」
と、先輩達が言って来たので、僕は
「そんな筈は……って、一番可愛かったですか……?」
「ええ、かなりの美少女だったしね? 凄く目立っていたわよ」
「そうですか……」
「聖……とりあえず……お疲れ様」
「うん……こんな事はもう、やりたくないかなって感じかな」
「そう? まあいいわ? じゃあ聖君、白組の担当だから、お願いね?」
「あ、はい」
そう言われて、僕は白組の実況をする事にした。
応援合戦が終わり、午後の競技に突入した。
午後の競技は、長距離走や綱引き、それと教師対抗借り物競争が、プログラムに入っていて、最後にフォークダンスとなっている。
僕達放送部員は、実況をしながら、点数発表をしていって、競技を観戦する事にした。
教師対抗借り物競争を見てみると、堂々と一位を取ったのは、僕達放送部の顧問の、朝崎先生だった。
借り物を見てみると、手に髪らしき物を握り締めている。
あれって……鬘だと思うので、もしかして……あの鬘って、校長の……? と思ってしまった。
まあ……深く考える事はやめにしとこうかな……と思う事にして、時間が過ぎていき、体育祭の全競技が終了した。
最後に亮太が、マイクで
「これより、閉会式を始めます」
と言って、体育祭の閉会式が始まった。
体育祭の閉会式は、校長の挨拶から始まり、用意された壇上に校長が上がって、こう言って来た。
「これにて、山野辺高校の体育祭を終了するのじゃ、あんまり長く話すと、何を話していいか解らなくなるから、手短に話す事にするぞ、皆、お疲れ様! あとは片づけを精一杯するのじゃ、以上で校長の話をこれで、終わるぞ」
そう言って、校長の話が終わって、順位発表となった。
結果的にどうなったのかと言うと、1位は赤組、2位黄色組、3位が白組、4位が青組となった。
体育祭のMVPは、何故か白組の応援団が表彰されて、その賞状を委員長が受け取っていた。
まあ……僕からは、特に言う事は無かったので、後は片付けをするだけになり、機材を片付けていく。
放送機材を放送室に運んで、片付け終わった後、彩部長が
「皆、今日はお疲れ様、機材も片付け終わったから、あとは帰るだけね? じゃあ……解散!」
そう言ったので、お疲れ様でした!と言って、解散する事になったので、僕は、一度教室に戻ってから、家へ帰る事にした。
教室に戻ると、委員長がいて
「天野君、今日はお疲れ様、天野君のおかげで、MVPが取れたようなものよ?」
そう言って来たので、僕は
「いや……僕のおかげじゃないと思うんだけど……」
「ううん、天野君が一番可愛かったから、MVPが取れたのよ? もっと自信を持ってもいいと思うわよ?」
「そう言われてもね……ちょっと複雑なんだけど、僕、男だし」
「そうなのよね……私から見ると、とても男には見えないんだけどね……まあいいわ、天野君、もう帰るんでしょ?」
「まあ」
「そう、じゃあ、お疲れ様、さようならだね」
「あ、うん、さようなら」
そう言って、僕は必要な物を持って、家へと戻る事にした。
家に戻ると、既に両親が帰っていて、圭吾父さんが
「聖、ばっちりとカメラに収めたぞ」
と言って来たので、僕は
「それ、消してよ……」
と言うと
「いいじゃない、記念になるしね? ね?」
「ああ、大事に取って置く事にするからな?」
と、朱莉母さんも残す事に賛成みたいだった。
こうなったら、何を言っても無駄だと思ったので、そのままにしておく事にして、今日の体育祭が、やっと終わったのでした。




