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萌えボイスと呼ばないで  作者: 零堵
~二学期編~
38/86

~第三十六話~

次の日、僕は、いつもと同じ時間に起きた。

おきてから、まず声の発声練習をしてみる。

「低い声は……まあ、低く聞こえるけど……まだ高いほうかな……」

数分の発声練習をやめて、洗面所に向かい、顔を洗う事にした。

顔を洗い終わり、鏡を見てみると、そこに写っているのは、長髪の髪の美少女っぽく見れる僕の顔だった。

この姿で、女物の服を着て、町とか歩いたら、もしかしたらと言うか……ナンパとかされるのでは……とか思い、やっぱり髪を切ったほうがいいかな……とも、思ってしまい、鋏で自分で切ろうかな……とも、思ってしまった。

でも……母さんが「切っちゃ駄目」とか言ってるし……そう悩んでいると

「お……聖? どうしたんだ?」

そう言ったのは、僕の父さんだった。

僕は、お父さんにこう言って見る。

「お父さん、やっぱり髪、切った方がいいかな?」

そう聞いてみると

「そうだな……いや、聖は今の方がいい、うんうん、今の髪型の方が似合っているぞ? 可愛い娘に見えるしな~」

と言って、頭をなでて来た。

父さんも僕が髪を切るの反対派なのか……というか……可愛い娘って……

そう見られていると思うと、ちょっと憂鬱だった。

いつまでも洗面所にいる事はないので、身だしなみをチェックして、リビングに向かった。

リビングに辿り着くと

「あ、おはよう、聖ちゃん」

そう言ったのは、僕の母さんで、見た目に関しては、僕とほとんどそっくりだった。

「おはよう……」

「どうしたの? ちょっと元気ないけど?」

「いや、ちょっとね……お母さん、朝ごはんは?」

「もう出来てるわよ?じゃあ、食べましょうか?」

「うん」

そう言って、食卓につく。

今日の朝食は、トーストに野菜サラダ、ベーコンエッグで、思いっきり洋食だった。

僕は、あっという間に食べ終わり、自分の部屋に戻って、山野辺高校の制服に着替える。

男子用の制服を着て、黒のヘアゴムで髪をポニーテールに纏めて、鞄の中に、必要な物を入れて、朱莉母さんからお弁当を受け取った後

「行って来ます」

そう言って、外に出る。

外の天気は、結構涼しい風が吹いていて、ちょっと涼しかった。

通学路を歩き、山野辺高校に辿り着く。

自分のクラスに辿り着き、自分の席に座り、鞄の中身を机の中に入れる作業をしていると

「やあ、おはよう」

と、声をかけて来たのは、同じクラスの女子で、演劇部に所属している、山本理恵やまもとりえさんだった。

教室の中だったので、僕はノートを取り出して、こう書く。

「おはようございます」

と、書き込むと、それを見た理恵さんが

「おや……また、筆談を始めたんだね?」

と聞いてきたので、僕はノートに

「ええ、まあ……教室内ですしね」

そう書き込むと

「そういう事か……まあ、君があの声で話しかけたら、確かにクラスメイトは驚くね……事情はわかった、君の声が直る事を願っているよ? あ、そうだ、演劇部でやる事になってる劇の事だけど、ちゃんと練習はしたかい?」

理恵さんが、そう聞いてきたので、僕は、ノートに

「十分とはいかないまでも、練習はしました」

と、そう書き込んだ。

「そうか、それはよかった、ミスる事無く頼むよ? じゃあ、僕はこれで」

そう言って、理恵さんが自分の席に戻っていった。

それから僕に声をかけてくる者はいなく、チャイムが鳴る。

チャイムが鳴って、担任の碓井うすい先生が入ってきて、こう言って来た。

「皆、おはよう、今日は普通の授業内容だ、特にこれといって連絡はない、では、出席を取った後、授業を始めたいと思う」

そして、授業が始まった。

僕は、なるべく先生に指されたくないなあ……と思っていた。

授業内容は、一学期と比べて、少し難しくなっていた。

まあ、先生に指されないように……と思っているので、普通にノートに黒板の文字を書いていく。

担任の碓井うすい先生は、生徒に問題を解かせる事はしなく、授業内容を進めていく。

ず~っと文字を書いているので、ちょっと手が痛くなったけど、結局、先生に当てられるという事はなく、時間が過ぎていき、何とか授業を乗り切る事になった。

と言っても、次の授業が問題だった。

何故なら……音楽の授業だったからで、しかも合唱の授業だった。

まあ、個人個人で歌うシングルパートではなく、全員で歌う事になっていたので、僕は、歌の時に、口パクで歌う振りをして、誤魔化す事にした。

何とかバレルと言う事はなく、授業も進んで、音楽の授業が終わる。

お昼になったので、僕は、同じクラスの赤井亮太あかいりょうたを誘って放送室に向かう事にした。

放送室の中に入ると、既に先輩達と、珍しく顧問の朝崎翠あさざきみどり先生がいた。

「あ、来たわね? じゃあ、太一? 亮太君、準備してくれる?」

部長の中田彩なかたあやさんが、そう言って

「りょ~かい、飯はそうだな……あっちで食べる事にしようぜ?」

「はい」

亮太と西岡太一にしおかたいち先輩が、ブースの中に行って、ラジオの準備をする事になった。

僕は、ルームの中にいて、先輩達に何も言われてないので、やる事がないのかな?と思っていた。

そう思っていると

「聖、ちょっといいか?」

と、声をかけてきたのは、朝崎先生だった。

よく見てみると、先生の手に、携帯ゲーム機、SNPソーシャル・ネット・ポータブルを持っている。

うん……先生なのに、いいのかな?って思うんだけど……

「はい? 何ですか?」

「聖、このゲーム持ってるか?」

そう言って僕に見せてきたのは、最近話題のゲーム

DSFディスティニーストライカーファンタジアという、ゲームソフトだった。

ちなみに、僕もそのソフトは、夏にバイトして、購入済だったりしている。

「あ、はい、持ってますよ」

「そうか、じゃあ、この場面まで、進んだか?」

と、僕にゲーム画面を見せてきた。

中身を見てみると、僕の進んだ所より、結構先に行ってるみたいだった。

「いや……進んではいないです……」

「そうか……ここの暗号、持ってるんだったら聖、知ってるかと思ってな……」

「お役に立てなくて、すいません」

「いや、いいんだ、やっぱ自分で解くしかないか……う~ん……ここはああするのか? いやしかし……」

そう先生がぶつぶつ言っている。

この人、本当にゲーマーなんだなあ……と、ちょっと思ってしまった。

「じゃあ、亮太君、太一? 準備はいい?」

彩部長が、ブースにいる太一達に、マイクで話しかける。

ブースにいる二人は、Okのサインを出していた。

「OKね? じゃあ、洋子、お願いね」

「はいは~い」

そう言って、洋子先輩が、マイクのスイッチを入れて、こう言う。

「これから、お昼の放送を始めます」

こうして、太一先輩と亮太の、ラジオが始まりました。

お昼の時間になり、ラジオを開始する事になった。

と言っても、僕はパーソナリティではなく、ブースの方で待機する事になったので、お昼ご飯を食べながら、放送を聴く事にした。

今日、パーソナリティは、放送戦隊ヤマノレンジャーのブラックとレッドなので、ホワイトの僕としては、二人のやりとりを傍観する事になったのでした。



「さあ、今日も始まりました、ヤマノベラジオ、今日の司会は、毎度お馴染みブラックと」


「今日は、レッドでお送りします」


「いや~レッドさん、久しぶりって感じがしますね」


「そうですかね? まあ、人気があるのは、ホワイトちゃんってなってるし……どうせ俺なんて……」


「おや~なんか、元気がないですけど? どうしました? レッドさん」


「いや……自分の評価があまりにも低いので、落ち込んでるだけだったり……」


「そうですか~、まあ、自分には関係ありませんけどね」


「関係ないって……」


「では、気を取り直して、まず音楽を流します、では、聞いてください」


ブラックこと、亮太がそう言ったので、洋子先輩が音楽を流す。

今日流す曲は、ゲーム曲と聞いていたので、一体何の曲なんだろ? 耳を澄まして聞いてみると、なんか、聞いた事のあるような曲だった。

僕は、気になったので、先輩達に聞いてみる。

「あの……この曲って、何ですか?」

「あれ? 聖君は知らないかな? これはね?」

「これは、シューティングゲーム「メロディポップス」のテーマ曲よ?」

「メロディポップス……」

「最近は、CMとかで紹介してるけど、聖君は見た事ないのかな?」

「う~ん……見た事ないって感じです、それにやった事もありませんし」

「あ、だったら貸そうか? 私、ダブってるし」

「何でダブってるのよ? 彩……」

「二つ買うのは基本じゃない? ほら、一つが壊れたら、予備用としてさ?」

「そういうもの?」

そんな会話をしていると、曲が終わり、洋子先輩が、ノートPCを持って

ブースの方に向かった。

再びブースにいる二人が、話し出す。


「いや~いい曲でしたね~レッドさん」


「ああ、本当にそうだなあ……ちなみにブラック、今、流した曲って知ってる?」


「ええ、知ってますよ、これはシューティングゲーム「メロディポップス」と言うゲームに使われている曲ですね、ちなみにこのメロディポップス、キャラがかわいいとか評判のゲームだったり、まあ、クリアするのにかなり苦労すると言う結構シビアなゲームだったりします」


「というか……学校でゲーソンとか流してOKなのか?って感じなんだが……」


「いいって言ったから流したんです、何か文句でも?」


「何でブラックが怒ってるんだ?」


「いえいえ怒ってませんよ? 今日はホワイトちゃんがいないので「ホワイトちゃんに言って欲しい台詞」はないですね~あ、ちなみにブラックとレッドに言って欲しい台詞、募集しましょうか?」


「あ、それいいかもって……なんか……評価を見てみると、リスナーの皆は「別にイラネ」「レッドとかブラックより、ホワイトちゃんの方がいい」「ああ、それ俺も賛成」と、書かれてるけど……」


「あ……本当だ、えっと……ホワイトの人気が凄いって事は確かですねえ」


「俺だって、人気が欲しいぜ……」


「まあ、生きてればいい事があるよ?きっと……」


「きっとって!?」


「お~っと、今日はここまです、リスナーの皆、楽しめたかな? 今日のお相手は、ブラックと」


「レッドです」


「以上でお送りしました、この番組は、放送戦隊ヤマノレンジャーの提供で、お送りしました、明日の放送はまだ誰になるかは、分かりませんが、期待してね? それじゃあ」


そう言ってマイクのスイッチを切る。

そして、ブースにいる三人が、ルームに戻ってきた。

二人が戻ってくると、部長の彩さんが

「洋子、お願い」

「はいは~い」

と言って、マイクのスイッチを入れて、こう話す。

「これで、お昼の放送を終わりにいたします」

そう言ってから、マイクのスイッチを切る。

「これでOK」

「よし、じゃあ明日の事は、放課後に決めるわよ? では、解散」

彩さんがそう言ったので、僕と亮太は、自分のクラスに戻る事にした。

自分のクラスに戻って、僕は午後の授業の準備をする事にした。

そして、午後の授業が始まりました。

午後の授業は、それほど難しい問題が出る事はなかった。

普通に授業を聞いてるだけでよかったので、先生に指されると言う事はなく

僕の声を出す事はなく、あっという間に授業が終わり

担任の碓井うすい先生が

「明日の連絡だが、時間割通りの授業内容だ、特にこれといって、連絡はない、以上」

そう簡潔に述べて、教室から出て行った。

僕は、同じクラスの亮太と一緒に、放送室に向かう事にした。

放送室に辿り着くと、既に先輩達が集まっていて、僕達が一番最後だった。

「あ、二人とも来たわね?」

そう言ったのは、部長の中田彩なかたあや部長で、部長が僕達にむかって、こう言ってきた。

「明日のラジオの事だけど、明日は洋子と聖君にお願いするわね?」

「了解、じゃあ、聖君、打ち合わせしよっか?」

「あ、はい」

そう言って、僕は先輩の洋子先輩と、ブースで明日の打ち合わせをする事になった。

数十分程度で打ち合わせが終わり、ルームに戻ると、彩部長が

「洋子、お願い」

と言って

「はいは~い」

と洋子先輩が、マイクのスイッチを入れて、こう言う。

「下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい」

と言って、マイクのスイッチを切る。

「これでOk」

「よし、じゃあ今日は解散ね? 日も頑張りましょう」

そう部長の彩さんが言ったので、放送部の今日の活動が終わった。

終わったので、僕は亮太と一緒に帰る事にした。

帰る途中、亮太がこんな事を言ってきた。

「聖」

僕は、小さい声で

「何ですか?」

「今日、これから暇か?」

「え~っと……暇と言われれば暇ですけど……?」

「じゃあさ? 映画見に行こうぜ? 丁度見たい映画があってさ? 一人で見に行くのもなんかな……ってな? だから行こうぜ? あ、代金は俺が出すよ」

「え、いいんですか? なら……うん、行きましょう、あ、でもこのままの格好で行くの?」

「あ、そうだな……学生服のままってのもな……じゃあ、一旦、家に戻って、着替えて待ち合わせってどうだ?」

「あ、それでいいですね」

「じゃあ、決まり、待ち合わせ場所は山野辺駅の待ち合わせ広場でいいよな?」

「はい、それでOkです」

「じゃあ、また後で」

そう言って、僕は亮太と別れて、自分の家に戻った。

家に戻って、着てる山野辺高校の学生服を脱いで、私服に着替える。

動きやすい格好に長ズボンを履いて、青色の帽子を被り、外に出て、待ち合わせの山野辺駅の待ち合わせ広場へと向かった。

山野辺駅の待ち合わせ広場に辿り着くと、まだ亮太は来ていなく、他に待ち合わせをしてる人がたくさんいた。

僕もそこで待っていると

「ねえ? 一人? 一緒に遊びにいかない?」

と、僕に声をかけてきたのは、いかにも遊び人って感じの男だった。

一体こいつには、僕の姿はどう写ってるんだ?って思うんだけど……僕がだんまりを決め込んでいると、亮太がやってきて

「お待たせ、待ったか?」

と聞いてきた。

僕は内心、助かった……と思い、亮太の隣に行く。

すると男が「っち、彼氏持ちか……」と言って離れていく。

彼氏持ちって……僕と亮太がそう見えるって事なのか……?

やっぱりこの髪型のせいか……と、ちょっと落ち込んでしまった。

「と、とりあえず映画見に行こうか? 聖」

「そ、そうですね……」

そう言って、映画館の中に入る。

僕達が見た映画「ブラック・プリンス・ロード」と言われる、アクション映画だった。

内容的には結構面白く、映画館の中で寝ないで、最後まで見てしまった。

見終わった後、近くのファーストフードで食事をして、亮太と別れて、家へと戻る。

家に戻ると、朱莉あかり母さんが

「あら、聖ちゃん? デートだったの?」

と聞いてきたので、僕は

「亮太と遊びに行っただけだよ……」

と言うと

「そう……でも見た目的には、デートっぽくなったんじゃないかしら?」

と言ってきた。

そう言われても……と思ったけど、何か反論するとまた何か言われそうだったので、僕は、黙っておく事にした。

こうして、今日の一日が、終わりました。


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