~番外編、天条隆也、喫茶店「アイアイク」に行く~
はい、零堵です。
今回の話は、番外編のキャラ
天条隆也視点となっております。
次話から、二学期編となっております。
夏休みの最中、俺こと、天条孝也は、行ってみようと思う場所が出来た。
それは、クラスメイトの東雲玲が働いていると思われる、喫茶店「アイライク」に、行こうと思ったのである。
早速行ってみようと思い、山野辺市から電車に乗り、秋葉の町へ、辿り着く。
さすが……オタク文化が漏れ出している秋葉の町、普通に歩いてる奴の格好を見てみると……いかにもって感じの野郎がいたり コスプレ?って、感じの服装をした者とかいたりして、賑わってるみたいだった。
その秋葉の町の中を、移動して、目的地に辿り着く。
店の名前に「ラブ喫茶、アイライク」と書かれてあり、どんなセンスしてんだ?って感じなのだが……とりあえず、深く考えない事にして、店内に入る事にした。
店内に入ると、「いらっしゃいませ~あ……」と言ったのが 物凄い美少女だった。 なんか……俺の顔を見て、驚いてるんだが……俺、何かしたか?
その少女は、一瞬慌てた後「こ、こちらになります」と言って、俺を席に案内してくれた。
俺を案内した後「ご、ごゆっくり~」と言って、俺から逃げるように立ち去ってしまい、結局何だったんだ?って、感じになってしまった。
ま、とりあえず……メニューを開いてみて、その書かれてある名前に驚く。
なんちゅうネーミングセンスなんだ?この店は
「魅惑のエンジェル」とか「プリリアントも~ど」とか、書かれてあるし、中身が全く解らないじゃないか……とりあえず、どれにしようか迷って、店員を呼ぶ事にした。
「すいません」
と言うと、「はい、少々お待ち下さい」と言って、数分待ってみると……
やって来たのは、メイド服っぽい衣装を着ている、俺の学校の後輩、天野聖だった。
聖の格好は、何故か女子用の制服を着ているんだが……何というか……すっげー似合ってはいるな、おい。思いっきり美少女に見えてしまってるじゃねーか?
「いらっしゃいませ、あ……天条先輩」
「よ、よう……聖って、ここでバイトしてたんだな?」
「あ、はい、そうですね……あ、でも、夏休みの間だけなんですよ?」
「そうなのか」
「はい」
それにしても……改めて、聖のウエイトレス姿を確認してみる。
髪型がポニーテールにしているので、思いっきり可愛い女の子に見えてしまっていた。
「なあ……聖」
「何です? 天条先輩」
「その格好、すっげー似合ってるな……」
「似合っていると言われても……それで嬉しいですとか言うのは、ちょっと……って感じなんですが?」
「そうか……」
「そ、それより、何を頼むんですか? 天条先輩」
「あ、ああ、そうだったな、じゃあ……この「天使の微笑み」を頼む」
「かしこまりました、天使の微笑みですね? 少々お待ち下さい」
「ああ……ところで、聖?」
「何ですか?」
「ここに、東雲玲がいる筈なんだが……見た感じ、玲の姿が見えないんだよな……聖は、知ってるか?」
「東雲玲って……あ、あの人ですよ」
そう言って、聖が指差したのが、さっき、俺を出迎えてくれた、 美少女だった。
「え? もしかして……あれが玲?」
「はい、天条先輩、玲先輩の事、知ってたんですね?」
「ああ、同じクラスだしな……それにしても……何で、あんな格好を?」
「それはですね? ここのアイライクの店長、東雲紫さんが、玲先輩のお姉さんで、お姉さんがあの格好を強制的にさせてるみたいですよ?」
「そうなのか……あ、じゃあ、聖は玲が男だって言うの、知ってるんだな?」
「はい、本人に教えてもらいましたし、あ、じゃあ注文を受け取ったので、少々お待ち下さい」
そう言って、聖は厨房に行ってしまった。
「そっか……だから、前に聞いた時、戸惑ってたんだな……」
改めて玲の姿を見てみると、思いっきり美少女に見える。
まあ、髪型が長いので、あれはウィッグを装着してるんだと思うが、それにしても……全く違和感がないのが凄いな……見た感じ、玲に話しかけてるのが、男ばっかりで、しかも聞こえてくるのが「ねえねえ?終わったら、デートしない?」とか「携帯の番号、教えるからさ? 連絡してよ?」とかナンパされていた。
どうやら……玲が男だって事、全く気がついてないっぽいな……そんな感じに眺めていると、玲が一度厨房に行き、俺の所にやってきた。
「お、お待たせしました……天使の微笑みになります……」
そう言って、出されたのが、ショートケーキだった。
俺は、玲に
「聞いたぞ? だから、驚いてたんだな?」
「もしかして……僕の事?」
「ああ、玲だろ? だから前に聞いた時、渋ってたんだな?」
「うん、あ、でもこの格好は僕の趣味じゃないからね!? 姉さんがこの格好にしなさいって言うから……」
「解った解った」
「絶対に誰にも言わないでよ?」
「言わないって、それにしても……さっき、ナンパされてたみたいだけど、ああいうの嬉しいのか?」
「嬉しくないよ……丁寧にお断りしてるよ……」
「そっか、大変なんだな……」
「うん……」
そう話していると、他の客が「あきらちゃ~ん」とか聞こえてきた。
「あ、じゃあ僕、呼ばれてるからこれで……」
「おう、頑張れよ」
「……うん」
そう言って、玲は呼ばれた客の方に向かって行った。
うん、邪魔するのも悪いしな……とっとと帰るか……
そう決めて、ショートケーキを食べ終わり、お会計を済ませると、店員が「さっき、玲ちゃんに話してたけど、知り合い?」と聞いてきたので、俺は「同じクラスです」と答えると
「そっか、だから親しかったのね~あ、私はあの子の姉の東雲紫よ? よろしく」
「あんたが……玲の姉さんなのか……なあ、弟があんな格好させていいのか?」
「あら、いいじゃない、凄い似合ってるじゃない?」
確かに、そう言われると凄い似合っている。
思いっきり、美少女に見えてるしな? だから、男にナンパされるのが、解る気がする。
「でも、本人は嫌がってないか?」
「そう言ってる割には、楽しそうにバイトしてるわよ、うん、何にも問題はないわね、で、あの子の事、気持ち悪いとか、嫌いになった?」
「いや……そんな事は」
「なら、いいじゃない、これからも仲良くしてあげてね?」
と、玲の姉が、物凄いいい笑顔で言ってきた。
「……ああ」
とりあえず……これ以上話しても、店の邪魔になりそうだったので、とっとと退散する事にして、家へと戻る事にしたのだった。




