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萌えボイスと呼ばないで  作者: 零堵
~夏休み編~
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~第二十四話~

夏休みに入り、結構な日にちがたった。

学校で出された宿題もほとんど終わって、今日はバイトの予定も入れてないので、家で、のんびりと過ごしていると

「聖、ちょっといいか?」

そう言ってきたのは、僕の父親の、圭吾けいご父さんだった。

一体、僕に何の用なんだろう? と思って、こう聞く事にした。

「一体何? 父さん」

「聖、今日は暇か?」

「暇と言われれば、暇だけど……?」

「じゃあ、一緒に出かけようか? たまには、聖と一緒に行くのもいいかな……と思ってね? 前は、朱莉と出かけたのだろう?」

「うん、母さんとは出かけたけど……」

「駄目か? 聖?」

父さんがそう言ってくる。別に嫌という訳ではないし、断る理由もないので

「いいよ? あ、でも、前みたいに服装の指定とか嫌だよ?」

「普段着のままでいいぞ、ちょっと反省したしな?」

「ならいいよ、じゃあ行こう?」

「そうだな」

そう言って、僕と父さんは、出かける事にした。

ちなみに僕の恰好は、半袖のTシャツに短パンといった動きやすい恰好で、父さんも、結構ラフな恰好をしている。

外に出てみると、雲が一切なく、快晴だった。

家を出てから、父さんが

「聖、何所に行きたい?」

と、聞いてきたので、僕はと言うと

「う~ん……じゃあ、駅周辺の方に行きたい、まだ行ってない店とか結構あるから」

「分かった、じゃあ、山野辺駅の方に行こう」

そう言って、二人で山野辺駅の方角に向かった。

数十分歩いて、山野辺駅に辿り着く。

辿り着いてから、駅周辺にある建物を見渡してから、こう言う。

「父さん、映画館とか駄目かな?」

そう言ってみると

「何か見たい映画あるのか?」

「ううん、何か面白そうなのあったら見ようかな……と思っただけ、駄目かな?」

「聖が、そう言うなら別に映画でもいいぞ? じゃあ、映画館に行こうか」

「うん」

そう言って、僕は父さんと、映画館に向かった。

映画館に辿り着いて、上映している作品を見てみる。

やっているのは、恋愛物の「スターライト・フィーチャー」とバトル物の「世界史大戦~奴はあれを超えていた~」とホラー物の「あなたの後ろにヒタヒタと……」の三本の作品が上映されてるみたいだった。

うん……どの作品も、内容が物凄く気になる……僕は、父さんに

「父さん、どれが気になる?」

そう言ってみると

「そうだなあ……恋愛物は興味がないし、バトル物の世界史大戦か、あなたの後ろに~かな? 聖は?」

そう聞いて来たので、僕はと言うと

「じゃあ……ホラー物にするよ」

「あなたの後ろにヒタヒタと……だな? 分かった、それにしよう」

「うん」

こうして、見る映画が決まった。

ホールの中に入り、チケットを買って、座席に座る。

周りをよく見てみると、カップルが沢山いた。

親子で見に来てるのって、僕らぐらいなのかな……? と思ってしまった。

そして時間になり、上映がスタートする。

映画の内容は、ある町で起きた連続失踪事件があり、主人公がどんどん追い詰められていきながら、最後に精神が可笑しくなると言う、かなりディープな内容だった。

しかも、結構怖いシーンもあるので、所々で悲鳴が聞こえてきたりした。

僕もちょっと怖かったけど、悲鳴をあげたら、思いっきり高い声なので、それは聞かれたくなかったので、叫ぶのを我慢した。

上映が終わり、外に出ると、夕方になっている。

「映画面白かったか?」

と聞いて来たので

「うん……ちょっとは、楽しめたかな? 父さんは?」

「まあまあだったな、まあ、他の作品を見てないから、これが一番とは決め付けられないけどね?」

「そう」

「聖、これからどうする?」

「う~ん……お腹すいてきたし、どっかで食べたいかも」

「そっか、じゃあ、レストランにでも行くか」

「うん」

そう言って、レストランに向かった。

レストランに辿り着いて、そこで夕食を取り、会計時に店員さんが「お客様方なら、半額です~」とか言ってきた。

何で半額なのかな……? と気になって店のポスターを見てみると……「カップルデー、カップルだったら半額セール実施中」と、書かれてあった。

僕は、訂正しよう父さんに声をかけようとしたけど、父さんが口を塞いできて、僕に喋らす事を出来なくして、そのまま会計を済ませてしまった。

店の外に出た後

「父さん! 僕達カップルじゃないでしょ!」

と文句を言うと

「仕方がないだろ? 店員さんがそう言ってきたんだから、それにしてもだな……その格好をしても、聖は女の子に見えるみたいだな? やっぱり髪型のせいか?」

「う……」

ちなみに今の髪型は、セミロングの髪で、肩までかかっている。

今日は、ヘアゴムとかで後ろに縛る事もしなかったのである。

でも、男物の服を着てるんだから、僕が男だって解らなかったのかな? あの店員……そう考えても、結局この姿でも女の子に見えるのか……と思い、ちょっと落ち込んでしまった。

「飯も食べたし、そろそろ帰ろうか? 聖」

「うん……」

「どうした元気がないみたいだが?」

「ううん、何でもない……ねえ、父さん、やっぱり髪を切れば、男に見えるかな……?」

「駄目だ、切っちゃ駄目だぞ、似合ってるんだからな?」

即答だった。母さんも同じ事を言うと思う。

「そう……」

「じゃあ、帰るぞ」

「解った」

そう言って、家に戻る事にした。

こうして、僕の夏の一日が、終わりました。


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