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萌えボイスと呼ばないで  作者: 零堵
~一学期編~
12/86

~第十一話~

次の日になって、僕は、いつもと同じ時間に起きる事に成功した。

学校があるので、起きた後、顔を洗って、制服に着替える。

着替え終わり、リビングに行くと、朝食が既に出来ていて、椅子に座っている朱莉あかり母さんが、こう言って来た。

「おはよう、聖ちゃん、朝食出来てるわよ?」

「あ、うん、頂きます」

そう言って、僕も食卓に着く。

朝食は、ごはんに目玉焼きに野菜サラダに牛乳があった。

残すのも悪いかな……と思ったので、残さず食べつくす。

あっと言う間に食べ終わり、自分の部屋に戻り、鞄の中に必要な物を入れて、出かける事にした。

「行って来ます」

「行ってらっしゃい」

そう言って僕は、家を出る。

外の日差しは、かんかんに照り付けていて、結構暑かった。

夏が近いから、しょうがないのかな……とか思っていると

「おっはよう~聖」

そう話しかけてきたのは、同じクラスの亮太だった。

僕は、まわりに聞こえると不味いので、小声でこう話す。

「おはようございます」

「おはよう、今日から人形劇の練習って、部長言ってたよな?」

「あ、はい、そうですね」

「一体何の練習をするんだかまったく分からないけど……頑張ろうぜ? 聖」

「そうですね」

そう話しながら、通学路を歩いていく。

そして、通っている高校、山野辺高校に辿り着いた。

校舎の中に入り、僕と亮太は、同じクラスなので、教室の中に入る。

教室の中に入り、自分の席に着いて、鞄の中身を机の中に入れる事にした。

その作業をしていると、キーンコーンとチャイムが鳴って、担任の碓井うすい先生が入ってきた。

「皆、おはよう、今日も特にこれと言って、特別な予定とかはないぞ……じゃあ、出席を取ったら、授業を始めようと思う」

そう言ってから、授業が始まる。

授業内容は、ちょっとむずかしかった。何とか頑張って、黒板の文字をノートに写す作業に専念して、ノートにびっしりと文字で埋まってしまった。

ず~っと同じ作業をしていたので、手がちょっと疲れてしまったが、まあ、問題はないかな……? と思う。

時間が過ぎて行き、お昼の時間になった。

今日は、僕はお弁当を用意してなかった。

用意してないので、購買部に初めて行く事にした。

亮太に「ちょっと遅れるから、先に行っててくれませんか?」と言って

僕は、購買部に向かう。

購買部に辿り着くと、そこは、人が沢山いて、お店の前に、結構な行列が出来ていた。

僕もその列に並んで、なんとか惣菜パンを二つ購入することが出来て、そのパンを持って、放送部に行く事にした。

放送部の中に入ると、もう既に、ブースの方に今日のラジオ担当の亮太と太一先輩がいた。

僕は、ルームに行き、先輩達に挨拶する。

「こんにちはです」

「あ、聖君、こんにちは、放課後に人形劇の練習をするわよ?」

部長の、中田彩さんが、そう言ったので

「あ、はい、解りました」

僕は、そう言った。

「よし、洋子、お願い」

「は~い」

洋子先輩がそう言って、マイクのスイッチを入れる。

「これから、お昼の放送を始めます」

そして、ブースの方のスイッチを入れた。

こうして、今日のラジオが、始まるのであった。



「皆さん、こんにちは~ヤマノベラジオの時間です、今回は、放送戦隊ヤマノレンジャーの常識人、ブラックと」


「ニヒルな二枚目、レッドでお送りします」


「えっと……レッドが二枚目って……全く見えないですね、はい、視聴者の方、信じないで下さいね~」


「ちょっとブラック! そこは嘘でもいいから、信じてくださいとか言う方でしょ!?」


「とまあ、この二人でお送りします」


「え、無視……ひど!」


「では、早速このコーナーに行きたいと思います、今日の音楽は~よく先生方が許可したな~と思うこの曲、では、いってみよう~」


そう言って、音楽が流れ出す。

音楽が流れている間は、話す事が可能なので、僕は先輩達に話しかけてみる事にした。

「先輩、この曲って……」

「うん、思いっきり電波ソングだね、ちなみに洋子は、知ってる?」

「知ってるよ~アニメ「とっても撲殺ちゃん」のOP~「撲殺しちゃうぞ!」って曲、凄い電波系ソングなんだ、ほんと……よく、学校が許可したなあ~って思うかな」

「ちなみに推薦したのは私、で、翠先生に許可聞いて、Okでたから、流してもらったのよ」

「彩がしたの……えっと……この曲、好きなの?」

「まあ、好きね、アニメも毎回かかさず見てるわよ? あ、ちなみに翠先生も見てるらしいわ」

「そうなんですか……」

「でね……この中に出てくる、ちーこってキャラがいるんだけど……聖君、もし良かったら聞いて見て?」

「え……何でですか?」

「聞いたら解るから、今日の夜にアニメやるから、見てみてね? あ、もうそろそろ曲が終わるわね」

そう言ったので、話すのを中断して、洋子先輩は、ノートPCを持って、ブースの方に行った。そして、ラジオが始まる。


「いや~凄い曲でしたね~、レッドはどう思いましたか?」


「こういうのは、電波ソングって言うんじゃないか?って思う、まあ好きな人は、好きなんじゃないかなあ?」


「そうですね、じゃあ早速、このラジオの感想を覗いて見る事にしましょうか、今日はホワイトちゃんがいないので、ホワイトちゃんに言って欲しい事は無しですね~え~っと……「ブラックいいキャラだな~」「レッド、頑張れ~【笑】」「ホワイトちゃん、カムバ~ック!」おお、色々書かれてますね?レッド、応援されてるよ?」


「いや、最後に笑って書いてあるよ!? それ、応援してる!?」


「まあ、視聴者もこいつは駄目な奴だな?って思われてるって事じゃないですか?」


「うう……なんで、俺の時だけ、こんな評価ばっかりなんだ……」


「まあ、落ち込まないで、この先いい事あるって!……たぶん」


「たぶんって!」


「おっと、もうこんな時間だ、皆、楽しかったかな? 今回のお相手は、ブラックと」


「レッドです……」


「で、お送りいたしました~では~また来週~」


「いや、明日もあるだろ……この番組は、放送戦隊ヤマノレンジャーの提供でお送りしました」


そう言ってラジオが終わった。

終わったので、洋子先輩が、ルームに戻ってから、マイクのスイッチを入れて

「これで、お昼の放送を終わりにします」

と言って、スイッチを切った。

「よし、これでOkよ」

「じゃあ、次は放課後ね? では、解散」

部長の彩さんがそう言ったので、僕と亮太は、クラスに戻る事にした。

戻る途中、部長の言ってた「とっても撲殺ちゃん」が気になったので、今夜見てみようかなあ……と、思っていたのであった。

午後の時間になり、僕達のクラスの授業は、美術をやる事になった。

人物画をやるらしく、クラスメイトの一人を、中心に立たせ、それを皆で、描くと言う作業をやるみたいだったので、僕も、画板と筆が用意されてあったので、それを使って、人物画を描いた。

昔から絵とか上手に書く方だったので、何とか描く事に成功した。

描き終わったら、美術の先生に提出するみたいなので、僕は、先生に作品を提出する。

そして時間が過ぎて行き、放課後になった。

碓井先生のHRを聞き終った後、僕と亮太は、部活があるので、放送室に行く事にした。

放送室の中に入ると、もう既に先輩達がいて、用意してある机の上に、数体の人形が置かれてあった。

「あ、二人とも来たわね? この人形が、人形劇で使う人形よ、じゃあ……三人とも、自分の人形を取ってね?」

そう、部長の中田彩なかたあやさんが、言ったので、僕と亮太は、人形を手にする事にした。

「じゃあ、俺が使うのは、この人形かな?」

そう言って、男の子の人形を、亮太が手にする。

「じゃあ、私と聖君だけど……聖君、どっちの人形にする?」

そう部員の洋子先輩が、言ったので、僕はと言うと

「そうですね……じゃあ……こっちにします」

そう言って、洋子先輩が持っている人形、右左のどちらかを選び

右に持っている人形を、受け取る事にした。

「こっちね? じゃあ、私は、左手に持っている人形を使うわね?」

そう言って、洋子先輩は、僕に右手に持っている、人形を渡して来た。

「じゃあ、これが台本よ? 練習は、ブースの方で、やるのがいいかも?」

そう言って、彩部長が、僕達三人に、台本を渡してくる。

「じゃあ、練習しましょうか? 二人とも」

「了解っす」

「こっちもOkです」

そう言って、僕と亮太と洋子先輩の三人で、ブースの方に行き、台本を読みながら、人形の動きを作る作業に、する事にしたのでした。

数十分後、結構、練習した感じがしたので、ルームの方に戻る事にしました。戻ってから、彩部長が

「洋子、お願い」

「は~い」

そう言って、洋子先輩が、マイクのスイッチを入れて、こう言う。

「下校の時刻となりました、皆さん、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました。皆さん、速やかに下校して下さい」

そう言ってから、マイクのスイッチを切る。

「はい、OK~」

「じゃあ、今日の練習は、終わりね。明日のラジオの担当だけど、聖君と亮太君にお願いするわね?」

「了解っす」

「解りました」

「では、解散!」

そう言ったので、放送部の今日の活動は終わったので、僕と亮太は、一緒に下校する事にした。

下校途中、僕は、気になったので、亮太に聞いてみる。

「亮太、「とっても撲殺ちゃん」って知ってます?」

「知ってるぞ。まあ、基本ギャグアニメだな……そういや、今日、放送日だった筈」

「そうですか、亮太も知ってるんですね」

「でも、何でそんな事を聞くんだ?」

「いえ、その中に出てくる、ちーこと言うキャラ、部長に聞いてみてね?って言われたので」

「ああ~……確かにな……」

「知ってるんですか? 亮太」

「まあ、聞いてみれば解るよ、あ、じゃあ俺、こっちだから、じゃあな」

「あ、はい、さようなら」

そう言って、僕は、亮太と別れて、まっすぐ家に帰る事にした。

家に戻って、テレビ欄をチェックし、とっても撲殺ちゃんが、やってる時間になると、テレビのスイッチを入れて、そのアニメを見てみる。

するとちーこというキャラが出てきて、声を聞いたとき、一緒に見ていた母親の朱莉あかり母さんが

「あら……このキャラの声って、聖ちゃんに似てない?」

「……そうかな……?」

「そうよ、聖ちゃん、ちょっと音程高くして、話してみて?」

「え~と……こんな感じ?」

「あ、そっくり! 少し高くすると、そのまんまちーこと言うキャラよ? 凄いわね~聖ちゃん」

「……だから、聞けば解るって、言ってたのか……」

僕は、声を元に戻して、普通に話す事にした。

アニメは、三十分で終わり、感想はと言うと……結構面白かった。

これだったら、毎週見てもいいかな?って思ったほどである。

見終わった後、夕飯を食べ、お風呂に入り、寝る事にした。

こうして、僕の一日が、終ったのであった。


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