第一章 出逢い 付録 登場人物および世界観
■登場人物■
マキナ・グレン
主人公、十四歳の生物科学の博士。漢字で「真貴奈・紅蓮」と書く。
テッド・グラーノフ
砂の海の惑星に巣くう「砂漠の鼠」と呼ばれる行商人。
砂上船サンドクロールス号の船長で、宇宙貨物船ビッグスペンダー号の雇われ船長。
カレン・バッカス
テッドの良き相棒。女性だが、テッドには弟分のような存在。
代々宇宙貨物業を営む名家で、所謂、お金持ちのお嬢様だが、
砂上船サンドクロールス号では副長を勤め、宇宙貨物船ビックスペンダー号では、副長ではあるが、テッドの雇い主でもある。
ホセ・ロドリゲス
砂上船サンドクロールス号の砲銛手で、ピカ一の砂虫漁師。趣味はハーモニカ演奏。
ジェットローラー
通称、ローラ。砂上船サンドクロールス号見習い船員。大学院で研究論文の為乗船。家は砂の海の漁業長を担い、テッドの一家とは古くからのつきあいであり、テッドとは幼なじみである。
師匠:ホメロス
宇宙植物学の権威で、マキナの師匠。
グランツ兄貴
ホメロスの助手で、マキナの兄弟子。マキナを実の妹のように慕っている。
■世界観■
人類が地球を飛び出して、何千年も経過した未来。惑星連合という統合された惑星国家共同帯がいくつかあり、その中で独自の暦、通貨単位がある。この物語の登場人物たちは、イーステラ惑星連合と呼ばれる惑星国家共同帯に所属する。他に、ウェステラ、ノーステラ、サウステラがある。
文化はそれを守りたい人々が受け継ぎ、その祖先が何であったかを伺える特徴(遺伝的特徴や、姓名、行事、遊び、料理、髪型、民族衣装など)を垣間見ることができる。技術は部分的には衰退している場合もある。地域ごとの言語はあるが、統一言語を使っており意志疎通は出来る。
人類は遺伝子組み換えがなされたいわば強化人間である。幼少期が短く、現在の20から50代までの年齢枠を80から120年枠で経過するため、皺がれてやせ細った老人は存在しない。生まれてから50年以上経つと臓器の衰退がおき個人差で死ぬ時期が異なる。最高寿命は200年である。
但し、難病もいくつか存在し十代で死亡したり、義体化して延命する者もいる。
■技術■
恒星間航行
亜光速航行、ワープには一定の制限があり。光速の十倍まで出せる亜高速エンジンを一般の宇宙船への搭載を認めているが、それより大きなものと、ワープエンジンは搭載が認められていない。これに違反した場合は、利用者及び改造者ともども使用回数✕使用年数分の労働支払い義務発生として、裁判無しで強制労働キャンプ送還となる。
その代わりとして、ワープゲートというものが各惑星の近辺に点在する。ワープエンジンを持たない船はこれを使って恒星間航行を行う。
ゲートは、民家用、政府用、軍事用が設けられているが一般にその情報は公開されていない。
恒星間通信
ワープ技術を応用し、時空にワームホールを開けそこに通信網を通すことで遅延の少ない映像および音声の通信を行うことができる。
■惑星国家■
アクアリア
イーステラ惑星連合に属する緑と海の惑星。マキナ・グレンの故郷。惑星国家としては政治が不安定という問題点を持つ。
砂の海の惑星デュナン
四つの惑星連合には属していないが、中心都市であるオアシスゼロにだけ仮のイーステラの拠点が立っている。星の自然環境が厳しすぎるため、文明人には向かない土地だが、鉱物資源などは豊富に存在しており、一攫千金を狙う強者が巣くっている。多くの無法者が根城にしている星でもある。外を歩くには常に強烈な紫外線と高熱から身を守る為の砂漠服を着用しなければならない。
エデン
イーステラをはじめとする四つの惑星連合帯に所属する人工惑星である。惑星の中心部には重力発生装置があり、自転が行なえる。政府関係の軍事産業や研究所等が数多く点在する。居住しているのは政府関係者や特権者の家族のみ。犯罪者など、政府に要注意人物としてマークされている者へは居住が許されない。
但し、商売に関しては、厳しい入監許可させ受ければ、一定期間であれば滞在を許されることがある。
この作品のベースを書いたのが2012年06月06日頃でした。三日で書き上げましたが、ここにあるものより話は短く、星屑リングの話はありませんでした。 あるときシリーズ化で書いてみたいという欲求にかられ、プロローグ+7部のエピソード+エピローグで物語を毎回描いてみようと思いました。それで第2部に着手したものの、途中で筆が止まるほど結構苦労しました。パターン化して書くことの難しさを知りました。
本作は、SFとありますが、完璧なスペースオペラです。オッサンやオバサンを主人公にしてしまうと内容が下品になるので、若者を主人公にしてあります。本作を読んで泣き、笑っていただけたら本望です。