~行間二~
「三年生に続いて、二年生の能力者も死んだか…なかなか順調だな。」
校長室で、末長は楽しそうに笑っていた。
「しかし、やはり何年たっても桜坂の力はおそろしい…完全に他の力を上回っているからな。とくに発 動条件もない。まあ、結局全員死ぬのだがな。」
「ズイブンタノシソウダナ」
「なんだ…ノックくらいしろ」
扉の前には、鎧に身を包んだ人物がたっていた。
「何年も待ったんだ、楽しくないわけがないだろ?」
「フン…ソレモソウダナ。ナガカッタカラナ」
「ところで、何をしに来たんだ?」
「アア、スコシイレギュラーガアッタ。コレダ」
鎧の人物は、末長に写真を渡した。
「こいつは…?」
「1―A シノザキ ソウイチ。 コイツ、ジュンスイナノウリョクシャダ」
「なに…?」
「ドウスル? ケスカ?」
「ああ…いや待て、こいつは…」
「ドウシタ?」
「なかなか面白いことをしてくれる…」
「ナニガダ?」
「非能力者団を作っているようだ。滑稽だな、自分が力を持っているのだろう?」
「……」
「少し様子を見よう…何、どうせ能力者に手を出せば影に消されるんだ、気にするな」
「…ワカッタ。」
鎧の人物はうなずいて部屋を去っていった。校長はまた小さく笑った。
「さて…どうなるかな…?」