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煌めくままに恋しよう  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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32/40

第32話 夜の部開始~

 生徒たちはゾロゾロと校庭に集まり始めた。

 夜の部が始まるのだ。


「クラスごとに座れ~! 一年生は一番前だぞぉ~!」


 八雲が大声で指示を出すなか、真城たちは前の方の席へゴソゴソと座った。

 すぐに逃げ出せる端の方の席は人気だ。

 前から三列目の左端に真城が座り、その隣に黒江が腰を下ろした。

 坂下は真城の真後ろの席へ座った。


 真城は周囲をキョロキョロと見ながら言う。


「夜の部っていっても。夜って時間帯じゃないな」

「だな。今時期の午後六時半の外は明るい」


 黒江の言う通り、外はまだ明るい。

 開始に合わせて照明が点けられたが、まだ太陽の光のほうが強くて映えない状態だ。

 しかし光に敏感な虫たちは照明器具にたかり始めている。

 照明の横に置かれた殺虫ライトのあたりでチリチリ音がしていた。


「生徒が集まると虫除けの匂いが凄いな?」

「ああ。俺たちもバッチバチに匂っていると思うぞ?」


 照明の灯りを反射して真城のオニヤンマも光った。

 黒江が真城の肩のあたりに付けられたオニヤンマのブローチを指先でツンと突いた。


「コイツ、光るぞ?」

「うそっ⁉ そんなに優秀なオニヤンマなの?」


 真城が驚く後ろで、坂下が笑っている。


「マジマジ。キャハハ。真城のオニヤンマ光ってるよ。夜道で迷子になったら、目印にするー」

「マジかぁー」


 真城が左肩にとまったオニヤンマを右手の指先でチョンチョンと突いた。

 たっぷり買ったので、他のところにもオニヤンマはとまっている。

 ちなみにクワガタとカブトムシも光っていた。


 真城たちがキャッキャッしていると、司会進行役がマイクを握って声を上げた。


「では夜の部開始しまぁ~す。まずは校長先生の挨拶からでぇ~す」


 舞台の上にふくふくした校長が登場した。

 長袖のポロシャツに長ズボンとカジュアルながら虫対策万全の服装だ。

 校長にマイクが渡されて、挨拶が始まる。


「えー、こんばんは。諸君、文化祭は楽しんでいるかな?」


 校長に問われて会場からは大きな歓声が上がった。


「はは。楽しんでいるようだね。我が校は特殊です。三年間在校して卒業していく生徒は少ない。それでも寝食を共にし、濃い時間を過ごしていることと思います。皆さんの人生にとって我が校は、登山の途中で過ごした山小屋のような存在となり、生涯の財産となることと思います。お別れが卒業式とは限りませんので後悔のないよう、毎日を有意義に過ごしてください。私からの挨拶は以上です」

「ありがとうございました~。皆さん、校長先生に盛大な拍手を!」


 司会進行役の生徒に促されて、会場は大きな拍手に包まれ、校長はニコニコしながら去っていった。


「次は軽音楽部による校歌の演奏でぇ~す。一緒に歌う方はご自由にどうぞ~」


 司会進行役が舞台袖に下がると、パッとスポットライトが当たって、カラフルなハンドベルが並んでいる机が浮かび上がった。



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