王子様の恋
二話同時投稿になっています
(サイド鷹明)
あの騒ぎの後、風紀や新聞部に話しを聞かれて説明、すぐにカズが調べたバカ共の残党狩りとゆきしろにちょっかい出(本校舎の奴に頼まれて制裁しようと)した奴を仲間でもヤキいれて仲間全員に制裁行為への参加禁止(建前は、本校舎の奴にいいように使われてんじゃねぇよ!)を誓わせたりと、ゆきしろとは、会う暇がなかった。
いや、自分が気まずかった。
なんせ初恋なんだ。しかも、俺のせいで襲われた時に自覚。普通嫌われて恨まれて当然な展開。自覚しとたん失恋だろこれっ!
なんにせよ今日は土曜、ゆきしろには会えない。
一度も送った事のないメールを立ち上げては消し、立ち上げては消し、を繰り返してたらケータイがなった。
着信相手はゆきしろ。
また、攫われたか!?と急いでボタンを押す
「ゆきしろ!?今度はどいつだ?」
「え?いえ、無事です!」
その言葉にホッと息を吐く
「そっか、良かった…」
「心配させてしまったみたいですみません。あの、明日お暇ありますか?」
「あ?明日?」
「助けて頂いたお礼に、お昼ご飯一緒にいかがですか?ご馳走しますが」
「礼はいらねー!が、ゆきしろの飯は食いたい!」
「!。ふふ、では明日自室にいらしてもらえますか?出来立ての方が美味しいですし」
「え。あー、でも、俺なんかが行って大丈夫なのか?同室の奴怖がらねー?」
「私は一人部屋なので」
「へ?」
一人部屋?え?二人きり?
一応、仮にも恋人の男を二人きりの部屋に入れるのはどうなんだろうか。
「?どうかしました?」
「い、いや!…ほら、新聞部に見られたらエライ事書かれそうだなーと」
「先の報復事件でも騒がれてますから今更でしょう?」
「…ゆきしろは、気にしねーの?」
「それこそ、今更ですね。みなさんの話では、総長さまに散々鳴されてるそうですからねぇ」
「っ!なっ!?どこのどいつだよ?んな事っ!」
「まあ、思春期の男ですから、仕方ないんじゃありません?貴方に群がってた子達みたいなのも居ますしね。まあ、私も一応健全な男子ですから理解は出来ますよ?」
「そ、そんなもんか?」
「それに、好きな方との噂なら悪口よりは耐えれますから」
いや、俺の事、性的な噂されるくらい好きとかは思ってもないだろ。
男と寝てるなんて噂、俺は…あ?
「…俺も、相手がゆきしろならいいわ」
うん。ゆきしろとなら想像しても鳥肌は立たない。
「おや、両想いですね」
「だな。で?明日、何時に行けばいい?」
「そうですね、11時半でいかがですか?」
「分かった」
「何か食べたい物はあります?」
「ゆきしろが食べたいったらどうすんの?」
「私を差し出したら料理ができないので困りますね」
「そりゃあ困る。出来立てなら唐揚げがいーな!」
「唐揚げですか。分かりました。私は買い物に出ますから。また、明日に」
「おう!よろしくな」
ブツリと電話を切ると、ケータイを投げ出してベットに倒れる
「なに、言ってんだ、おれ」
食べたいとか!いや、確かに想像して嫌悪感もなんもなかったけどよ!久々に反応しそうだったけどよ!ゆきしろにキモイとか思われたらどーすんだよ!俺のバカヤロー!
***(サイド雪白)
「あんな冗談言うなんて、お酒でも飲んでたんですかね?」
切れた携帯を見つめてしまう。
彼は思いの他、性的な事に潔癖な節がある。溜まり場の青年誌も視界に入れないようにしていたし、下ネタな話には眉を顰めていたくらいに
それが、私ならいいとか食べたいとか…。
「にしても、唐揚げか」
付け合わせはどうしましょうと考えながら併設されているスーパーへ足を運ぶ。
鶏肉は胸肉とモモ肉どちらにするか。まあ、彼は大飯食らいだから両方作って、あまればお弁当に使うとしましょう。
「あれ?雪白さんだ!こんにちは」
「おや、貴方は確か新聞部の平田さん」
「わぁ!名前知ってくれてるなんて感激~!」
「最近は随分とお世話になってますからねぇ」
「あはは。いやぁ!浮いた噂のない不良組トップの恋バナなんて食いつかない訳にはいかないじゃん!」
「まあ、程々にして下さい。事実無根な記事は私も鷹明さんも耐えらませんので」
「はいはーい。譲歩しまーす。てか、凄い量だね?」
「鷹明さんは大飯食らいですから」
「あ、お弁当作ってあげてるもんね!愛妻弁当なんて羨ましいよー!
その話載せてからカップルの間でお弁当作るのがブームになったんだよ!」
「ああ、道理でスーパーの利用者が増えた訳ですね」
「ちなみに、夕飯とかは作ってないの?休みの日とかさ」
「あちらには人付き合いがありますからね」
「随分あっさりだよね?付き合って三週間くらいなのに」
「お互いのプライベートを尊重すると約束してますから」
「浮気しない確信でもあるわけ?」
「浮気ですか?ふふ、そんな事が出来る程私は軽くありませんよ?」
「うわっ!本妻の余裕!ちなみにこれは何になるの?鶏肉いっぱい」
「鷹明さんが唐揚げ食べたいと言うので唐揚げですよ…明日の昼。11時過ぎに部屋にいらっしゃいますから、写真撮ったらさっさとお引き取りください。張り込んでたらもう情報は売りませんよ」
「!。いや~なんだかんだ言ってネタ提供してくれる雪白さん大好き!」
「誰が誰を好きだって?」
「!?」
「おや、鷹明さん、どうしてここに?」
思わず首をかしげれば、カートが奪われた。
「…荷物運び」
「ふふ、ありがとうございます。ではお言葉に甘えて、お願いします」
「おお」
「あ、鷹明さん、胸肉とモモ肉どちらが好きですか?」
「前、弁当に入ってたのは?」
「胸肉ですね」
「あれ美味かった」
「なら、胸肉にしましょう」
「…何?胸肉とモモ肉ってこんな値段違うの?」
「新婚さん夫婦!夫婦の会話!ハァハァ」
「あ、平田さん?」
「!は、はひ!?」
「記事にしても構いませんが、下世話な話し入れたら、許しませんよ」
「あ?こいつ、新聞部か?」
「ひぃ!勿論、事実見たままな内容に致しますので、ご慈悲をっ」
「…ゆきしろ?」
「構いませんよ。今は公共の場ですから見られても仕方ありません。さ、鷹明さん行きましょ?」
「…変な事書いたら許さねーからな」
真っ青な顔して頷いてましたから、下世話な話にはされずに済みそうですね。
「ゆきしろ」
「はい?」
「今までの弁当もあるし、今日の買い物分は払うから必要なもん買っとけよ」
「それではお礼になりませんよ?」
「いや、むしろ俺が謝罪しなきゃいけねーんだし。飯作ってもらえるだけで充分だしよ」
「…分かりました。では、今週のお弁当の分まで買わせていただきます。リクエストはありますか?」
***
後日、出された新聞には
『注目の藤堂雪白カップル
仲睦まじく買い物デート!
彼のリクエストに応える雪白さんと
荷物を運ぶ優しい一面をみせた藤堂さん!
まるで新婚夫婦の様に二人で買い物をし、雪白さんの部屋へ!すぐに藤堂さんは自室へ!買った食材は次の日のランチだそうです。』
そして、次の日私の部屋を訪ねる鷹明さんの写真。
『約束通りのランチデート!その後は筆者も知りません』
「確かに、事実しか書いてないが」
「なんとも想像力が刺激される終わり方にしましたねぇ。流石、腐っても鯛ですね」
月曜日。2人揃って彼の記者根性を見直したのでした。




