現れたのは…
BL物をご存知でしたらよくある設定な、家柄と顔がヒエラルキートップに立つ、同性愛が普通にある全寮制学園な設定です。お嫌いな方はご遠慮ください。
学内一の不良に、怒り心頭と言った顔で「スキだ、付き合え!」と言われて素直に信じられる人間は彼に惚れているか、余程の馬鹿か天然でしょう。
私には(罰ゲームか何か?)としか思考出来ません。
チッ、面倒ですね。
けれど、地味で平凡を通している私が
良い家の坊ちゃん(不良)を相手に断るのは
無理がありますか…。
「ドコまでですか?」
諦めの境地で、そう確認すれば、ふざけんな!と今にも殴りかからんばかりに近寄ってくる。
いや、貴方、仮にも好きな相手にそれはないでしょう。
「身体的接触の話です。『手を繋ぐ、抱き合う、キスする、それ以上』。どこまで『付き合え』ばいいんですか?」
そう尋ねたら何故か一瞬苦い表情が浮かび、目を逸らされた。
「っ…とりあえず!明日から昼飯は俺と食え!いいな!」
胸ぐらを掴んで怒鳴るだけ怒鳴ると、彼は足早に去ってしまった。
「…返事。してないんですが」
ポツリと呟いたツッコミは、夕焼け空の鴉の声にかき消されたようです。




