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エピローグ

 あれから一年。私は、復讐をした方々のその後を見て回った。


 まずはお父様。一応はまだ生きているみたいで、体が欠損した感じはなかったけど、痛みから逃れるように精神が壊れてしまったようで、今では何を言っても何の反応もない。


 試しに、お父様に昔やられたムチでの教育と同じように、何度もたたいてみたけど、反応が返ってこない。


 この結界を解けば、おそらくお父様は即座に死んでしまうでしょうが……そんなの許しませんわ。徹底的に苦しんで、皆様が飽きたら、孤独を味わってもらうのですわ。


 次はお義母様です。少し遠かったですが、お義母様を買った商人が拠点にしているところに行き、お義母様がどうなってるか確認をしに来ました。


 お義母様は、お父様ほど心身共に壊れてはいないようですが、言っていることが支離滅裂でよくわからなくなったり、男が近くに行ったら凄く興奮するようになって……なんだか盛った動物みたいで、少々下品な感じになってしまったそうです。

 きっと心は壊れて、代わりに快楽に依存するようになったのかもしれません。


 本人が楽しそうなのは気にいりませんが、貴族の女性から一転して、今では娼婦とは……落ちに落ちたものですわね。笑いが止まりませんわ。


 そして最後……お姉様のところだけど、門前払いをされてしまったわ。


 どうしようかと考えていると、ルベン様がやってきました。彼は私とお姉様が会って話したことを知っている。僕の事情を知っているのなら、口外しないことを条件に、見せてもいいだろうということで、会わせてくださいました。


 そのお姉様は……顔中がはれ上がり、まるでリンゴみたいになっていました。体は傷だらけで、火傷の後も目立ちます。


 当の本人は、精神が一番壊れてしまっていました。部屋の隅に座り込み、ずっとブツブツ話しているんですの。


『ばしゃ……がたがた……おにんぎょさん、あそぼ……たのしいね、しえる……えへ、えへへ……』


 こんな地下に、人形のおもちゃなんて無い。お姉様は、石や土をおもちゃと勘違いして遊んでいるのでしょう。


 これって、もう現実から完全に逃げて、自分の世界に入ってるってことですわよね……ここまでくると、なんだか哀れに思ってしまいますわ。


「…………」


 三人の復讐は終わった。ついでに言うと、国王も退陣し、色々明かされた不祥事が原因で処刑。新しい国王は、初めての女王である、フラン様だ。


 みんな道を踏み間違えなければ、お姉様と仲良くして、家族で一緒に食事をして、ローランお兄様と楽しく遊んで、お姉様と結婚したエヴァン様と仲良くなったり……そんな世界があったかもしれないのに。残念で仕方がありませんわ。


「さて、最後は……」


 私はマニャール家を後にして、馬車に乗ると、そこにはエヴァン様のお姿がありました。


「大丈夫だったか?」


「主様、ずっと心配されてましたよ?」


「大丈夫です。特に問題はありませんでした。あとは、お墓参りをして終わりです」


 屋敷を出発する前に、シャルディー家のお墓参りは済んでいる。だから、残っている身内のお墓は、一つしかない。



 ****



 馬車が動きだしてから数十分後、私達は、瓦礫の山になったトラルキル家の傍にある、大きな墓地へとやってきました。


 屋敷は瓦礫の山になってしまいましたが、ここだけは残っていたようです。だから、私はローランお兄様や、亡くなってしまった皆様に、報告をしようと思って参った次第です。


「ローランお兄様、皆様、こんにちは。来ましたよ」


 私は大きな花束を供え、覚えている範囲の皆様の好きなものを、手作りで用意したものも一緒に備えました。


「ローランお兄様、あなたが遺してくれた書類のおかげで、全部が終わりました。私の復讐は終わりましたし、民を苦しめていた王は玉座から降ろされ、処刑されました。やっと……過去との決別が出来ました」


 時間で考えれば、私のしてきたことって、長くはないけど、とても濃密だった。それを話していたら、日が暮れてしまいそうね。


「だから、前へ進もうと思います。その第一歩として……エヴァン様と、正式に結婚式を挙げました」


 私がそう言うと、隣で黙っていたエヴァン様が、墓前に向かってぺこりと頭を下げました。


「お姉様の代わりの婚約者という始まりでしたが、全て目標は達成できて、今ではエヴァン様と愛のある結婚をして、とても幸せですわ。だから、心配しないでくださいね。必ず、未来に向かって進んでいきますから!」


 伝えたいことをしっかりと伝えた私は、立ち上がってお墓に背を向けました。


 すると、突然私の背中を押すように、季節外れの暖かい風が吹いてきました。


 もしかして、ローランお兄様ですか? そうやって、背中を押してくれるのですね。本当に、あなたは私のお兄様ですわ。


 ……いままで、本当にありがとうございました。来世では、本当の兄妹になれることを、心の底から祈っています。


 そう思いながら、お墓に笑みを見せてから、今度こそ歩きだしました。


「また近いうちに、墓参りをしないとな」


「そうですわね。次は……この子が生まれて、一息ついたらにしましょう」


「それは名案だ。きっとローラン殿も喜ぶだろう」


 私のお腹の中に眠る、エヴァン様との間に生まれた愛の結晶。しかし、まだまだ大きくなるには時間がかかりそうです。


 でも、この一歩一歩進んでいる感覚は、今の私の心身共に、とても充実しておりますわ。


 そんな時間は、きっとこれからも続いていくのでしょう。大変なことも、苦しいこともあるでしょう。

 でも、エヴァン様やエレン、屋敷に住む方々と力を合わせれば、きっと乗り越えられるはずです。


 そう、エヴァン様のおかげで、絶望だった未来は姿を変え、希望という光に満ちたものになったのです。


 だから……私は……。


「エヴァン様! 私、あなたのおかげで、世界で一番幸せですわっ! ずっとっずーっと愛しておりますわ!」


ここまで読んでいただきありがとうございました。


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