表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/38

第二十四話 秘密の部屋

「そんな……」


 何か良くないことがあったのは明白でした。これほどまでに酷い現実を直視したせいで、ショックを隠し切れず……その場にぺたんっと座り込んでしまいました。


「一体何があったんだ……? 見張りはいないようだから、調べることは出来そうだ。シエル、立てるか?」


「……はい」


 この様子では、ルネ以外の使用人の方々の安否は絶望的でしょうが……立ち止まる時間も、泣いてる時間もありません。とにかく何があったか、手がかりを探さないと。


「とはいったものの……一体どこから手を付けるべきか」


「瓦礫の山ですからね……」


 とりあえず近くの瓦礫を退かそうと思いましたが、私の力では瓦礫を退かすなんて、出来るはずもありませんでした。


「俺が破壊してもいいが、さすがにこの規模を全て除去するのは時間がかかる。それに、もし手がかりがあって、それも一緒に破壊してしまったら終わりだ」


「……あっ」


 どうするべきか考えていると、ふとルネが私に伝えてくれた言葉を思い出しました。


「ローランお兄様の、秘密の部屋」


「それは、彼が言っていた言葉だな」


「あれだけボロボロになってまで、私に伝えてくださったお言葉ですもの。きっとそこに手がかりがあるのですわ!」


「可能性はあるだろうが、その部屋の場所はわかるのか?」


「それが、わからないんです……秘密の部屋があるというのは伺っておりましたが、場所までは……」


 いや、ルネがわざわざ私に伝えたということは、私がわかると思って伝えてくださったのでしょう。


 ということは、どこかにヒントがあるはず……考えて、私。絶対に見逃しているヒントがあるはず!


「それにしても、秘密の部屋か……いかにも冒険譚で出てきそうなものだな。冒険譚が好きで探検をするくらいなのだから、ローラン殿はよほど冒険譚が好きだったのだろうな」


「冒険譚……?」


 そういえば……あの物語の中で、主人公とヒロインが寝泊まりをしていた、秘密の部屋が登場しておりました。

 その場所は、大きな木のうろが入口となっている、何とも冒険心をくすぐられるもので……!


「エヴァン様、素晴らしい着眼点ですわ!」


「し、シエル? 急にどうしたんだ? その、突然手を握られると……」


「あ、ごめんなさい! 興奮してつい……」


 ほんの少し慣れてきたような感じではありますが、いまだに触れると緊張するエヴァン様が可愛い……じゃなくて!


「エヴァン様の今のお言葉のおかげで、もしかしたらって場所が思いついたのです!」


「なんだって? それはどこなんだ?」


「こちらです!」


 私は、一旦廃虚となった屋敷を離れて、森の中に入っていきます。そして、その森で一番大きな木の所までやってきました。


「子供の頃、ローランお兄様と一緒にここに来て、秘密基地にして遊んだことがありますの。きっと何か手掛かりが……あっ!」


 うろの中に入ってみると、地面と見分けがつかないようにカモフラージュするために、茶色の布がかけられているのを見つけました。


 それをそっと退けると、地下へと続く怪しい階段を発見いたしました。


「これが秘密の部屋への道のようだな」


「ええ、おそらくそうでしょう」


 先程の抜け道と同じように、壁にかけられていた松明に火をつけて、ゆっくりと降りていきます。


 かつん、かつんと響く階段は、驚くほど急でした。手すりもありませんので、油断したら一番下まで転げ落ちてしまうでしょう。


「シエル、ここまで来たら焦っても意味は無い。だから、気をつけて降りるんだ」


「はい。エヴァン様も、お気をつけて」


 互いを心配しながら、更に歩みを進めていくと、ついに一番下へと到達出来ました。


 そこには、私達の侵入を阻むように、大きな扉が鎮座しておりましたわ。


「……? この扉、鍵がかかっているのか、開かないな。秘密の部屋というくらいだから、当然といえば当然か」


「鍵……? エヴァン様、この扉には鍵穴がありませんわ」


「言われてみれば、確かにそうだな。なら、どうして開かないんだ? 仕方がない、俺の剣で――」


「いえ、それには及びませんわ。きっとこの扉は……」


 私は扉のノブに手をかけると、押すでも引くでもなく、真上に向かって力を入れました。

 すると、ずっと沈黙を保っていた扉は、驚くほど簡単に私達に道を示してくれました。


「こんな仕掛けとは……単純だが、案外気づかないものだな」


「この扉の仕組みも、冒険譚に出てきたものですの。だから、気づけましたのよ」


 偶然か、はたまた必然かはわかりませんが、ローランお兄様と読んだ冒険譚の知識が、役に立つとは思っていませんでしたわ。


 もしかしたら、この先にあるものも、その知識が活かせるかもしれない……そんなことを思いながら、秘密の部屋に入ると、そこは小さな書斎でした――

ここまで読んでいただきありがとうございました。


読んでいただいた方々に、お願いがございます。5秒もかからないので、ぜひ⭐︎による評価、ブックマークをよろしくお願いします!!!!


ブックマークは下側の【ブックマークに追加】から、評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタッチすることで出来ます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ