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付き合っている幼馴染の彼女が他の男とキスをしているのを目撃した。俺はそんな幼馴染を棄ててから...だったのだが  作者:
第一章

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3、甘えたいお年頃

詩織の姉。

満里奈には散々に裏切られた。

俺は絶対には許さない。

それは...俺の事もだが詩織を裏切った事も。

だから許されない。

そう思いながら俺は翌日、ゆっくり起き上がって窓から自然が広がる外を見る。


外から日差しを感じながら俺は眉を顰める。

それから俺は起き上がりゆっくり学校に行く準備を始めた。

ふと、昨日の詩織の事を考える。

詩織はどうして俺にハグを求めたのか。

まあ...癒されるという事なのだろうけど。


「...」


顔を洗い歯を磨き。

それから俺は着替えてから働きに先に出た両親が置いて行ってくれた朝食を食べてから頭を掻いた。

俺は鞄を持つ。

腕時計を巻いてから俺は玄関ドアを開ける。

そして階下に行くとそこに...詩織が鞄を前にして立っていた。

俺は「!」となり詩織を見る。

詩織は「...」と沈黙し立っていた。


「...詩織?」

「お兄さん。...その。本当ですか?」


悲しげな顔で俺に向く。

心臓が死神の手で。

つまり冷たい手で撫でられる感じがした。

俺はゆっくり詩織を見る。


「...満里奈の事、知ったのか?」

「お姉ちゃん、お兄さんと別れたって...」

「...」


俺は困惑しながらも詩織に「まあ...そうだな」と答えた。

すると詩織は「...その。聞いても良いですか?」と聞きながら俺を見る。

その言葉に「ああ」と返事をした。

それから詩織を見る。

詩織は「どうして別れたんですか?」と直に聞いてくる。

俺は眉を寄せてから「...答えられない。すまない」とだけ言ってから詩織と歩き出した。

詩織は「...残念です」と言ってから俯いた。


「...でも」


そう呟くなり詩織がいきなり俺の手を握ってきた。

俺は驚きながら詩織を見る。

詩織は「私...その。遠慮無く甘える事が出来そうです」と笑みを浮かべる。

それからニコッとした。

俺は唖然としながら詩織を見る。


「...お兄さんの手、やっぱり男の子の手ですね」

「お、おい。詩織。いきなりどうした」

「言った通りです。いっぱい甘えれそうです」


詩織は嬉しそうに俺を見る。

俺はその姿に困惑する。

それから詩織はあろう事か俺に寄り添ってきた。

俺は「甘え過ぎだろ」と言うが詩織は「いえいえ」と話しながら歩く。

これではまるで恋人だぞ。


「途中までですから」

「いやまあ...良いけど...」


しかし美少女に仮にもこんな真似をされると...。

そう考えながら頬を掻いた。

それから俺達は歩いてから登校する。

そして途中で学校が違う詩織と別れてから俺は登校した。



学校に行くと俺は偶然にも満里奈に会った。

その満里奈は俺を見てから不愉快そうな顔をして通り過ぎて行った。

俺は満里奈のその行動に呆れてから教室に向かおうと歩いていると背後から「おう」と声がした。

それは友人の石橋隆道いしばしたかみちだった。

少しチャラい感じの茶色髪の男。

俺の唯一の男の理解者だ。

高校の時に友人になったのだが。


「おはようさん」

「おー。おはようさんな。どうしたんだ?顔死んでるぞ」

「ああ。死んでるか?」

「それなりには」


隆道は「なんかあったか?」と聞いてくる。

俺は「ああ。実は満里奈と別れてな」と話す。

まさかの言葉に隆道は「え。そりゃ本当か」と驚く。

俺は「...ああ。都合でな」と話す。


「まさかお前らみたいなベストカップルが?...世の中は分からんもんだな」

「ベストカップルか。それは言葉だけだったな」

「そうか。大変だったな」

「まあな」


それから隆道と俺は教室に向かう。

するとその途中でスマホにメッセージが入ってきた。

俺は「?」を浮かべながらスマホを開く。

そこに詩織からメッセージが入っているのに気が付いた。

俺は「?!」となりながらメッセージを開く。


(お兄さん。放課後空いてますか?)

(え?放課後か?空いてるけど。勉強か?)

(違います。お買い物に付き合って下さい)


そんな誘いは初めて聞いた。

俺は「...?」となりながら詩織に(買い物とは珍しいな)と返事を打つ。

それからスマホを見る。

詩織は(はい。お姉ちゃんと別れたなら良いかなって思いまして)と打ってきた。

俺は隆道と一緒に歩き出した。

隆道は「誰だ?」と聞いてくる。

その言葉に「いや。詩織だな」と話す。

すると隆道は「ああ。成程な」と言いながら前を向く。

そんな隆道の姿を見てからスマホを見る。


(詩織。具体的にはどこに行くんだ?)

(はい。具体的には地下街ですが...良いですか?)

(成程な。日差しが遮られるしな)

(そうですね)


俺は笑みを浮かべる。

それから俺は(分かった。時間も無いしまた後でな)と返事を書いてから送信する。

そして俺はスマホを仕舞いながら教室に入る。

クラスは3月の花見をするかで盛り上がっていた。

変わらないなこのクラスも。

いや変わったか。

クラスは変わらないが俺と満里奈の関係性が。


「なあ大丈夫か」

「...ああ」


隆道の言葉に返事をして俺は教室に入ってから挨拶をする。

それから俺は鞄を置いてから机に教科書を仕舞い残りのクラスメイトに挨拶をした。

クラスメイト達は「お前ら花見どうする?」と聞いてくる。

なんつうか高校生らしい事しようぜ。

そう考えると悔しい気持ちだが多少は笑える感情になった。

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