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付き合っている幼馴染の彼女が他の男とキスをしているのを目撃した。俺はそんな幼馴染を棄ててから...だったのだが  作者:
第二章

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28、魂の消滅

「やあ。...朝から突然の電話ですまないね」


中本さんから朝に電話がかかってきた。

俺は「?」を浮かべて電話に「中本さん?どうしたんですか?」と聞く。

すると中本さんは「...すまない。深刻な事態...とはいえるかもしれない」と答える。

それから「糸水鶴弥が自宅で...その。言いにくいんだが惨殺。殺害された」と答える。


「え」

「...と同時に糸水美緑が自殺した。2人とも思いっきり争った形跡がある」

「...え...」

「どうも糸水美緑が糸水鶴弥を殺した後に...そのまま自殺したらしいんだが...まだ状況が分からない」

「そ、そんな事って」


俺は動揺しながら居ると「...今は捜査段階だけど書き置きがあってね」と中本さんが言葉を発した。

それから「...一部を読むと(俺は将来を悲観して自殺する事にした。今までありがとう)...だそうだ。誰に向けてか分からないが」と答える。


「...しこりが残る様な幕引きですね...」

「美緑の方は欄干から飛び降りたが...鶴弥の方は包丁で複数の傷があり刺殺されていたんだ」

「...その。...えっと」

「大丈夫。何が言いたいかはわかる。...最悪な結果だって事だろう。俺にとっても最悪の結果になったよ」

「...」


何も言えなくなる。

すると「共食いをするとは思わなくてね。油断したのは事実だ」と答える。

呼び出したがその呼び出しに応答しないので向かうとそうなっていたらしい...。

俺は「...検死するんですか」と聞く。

中本さんは「まだ何も言えないな。...だけど...不愉快極まりない」と答える。


「...アイツらの親父さんは」

「ああ。...いや。特に影響はないね」

「そうですか」

「ただし自殺する可能性もある。...あまり現時点で安心は出来ない」

「でしょうね...」

「ただ責任はしっかり持つ。...間違いなく彼まで死なせないよ」

「...」


俺は「それって間違いなく美緑なんですか?」と聞く。

すると「...彼のシャツが血まみれだったんだけどね。DNA検査で...糸水鶴弥の血痕も見つかった」と答える。

その言葉に「ですか」と返事をする。


「取りあえず...今の段階の事をお伝えした」

「ありがとうございます」

「...君のお母さんには大変お世話になっている」

「...ですね」


それから中本さんは「じゃあ仕事に戻るから」と言ってから電話を切った。

俺はスマホを机に置きながら「自殺か」と呟く。

するとドアがノックされた。

俺は「はい」と返事をすると母親が入って来た。


「中本さんから聞いた?」

「...彼は自殺したらしいね」

「...自分で自分のケリをつけたって事かもしれないけど。何も格好良くないわね」

「母さん。大丈夫?」

「...ええ」


そして母さんは俺を見る。

それから「...ごめんなさいね。私なんか...弱くて」と苦笑する。

「もう少し穏便に解決したかったのだけど」とも言いながら、だ。

俺は「仕方がない。彼は止めようがなかった」と答える。


「...美緑は良い人とは思うわ。死ぬ前までは。更生して...生きていたのだけど」

「それがこの結果なんだね」

「そうね...」


母さんは「...戻るわね」と呟く。

それから踵を返した母さんのその背中に「俺、母さんの事、本当に誇りに思う」と投げかける。

母さんは「?」を浮かべて俺を見る。

俺は「...誇り中の誇りだよ。...母さん凄いって思うから」と言った。

すると母さんは涙を滲ませて「ありがとう」と返事をした。


「...こんな結果になったのが残念だけど...きっと...」

「母さん。俺からは何も言えないけどさ。あまり悩まないでね」

「貴方は本当に立派な息子に育ったわね。有紀」

「俺は立派っていうかさ。...貴方達を見習っただけだ」

「それを立派っていうのよ。有紀。...ありがとう。こんな頼りにならない母親の背中で学んでくれて」


それから母さんは「...ありがとう」と呟く。

そして「家事をしてくるわね」と笑みを浮かべてから部屋から出て行った。

俺はその姿を見送ってから「...よし」と決意をする。



この様な結果になってしまった以上何も変えられない。

だけどこのまま立ち止まる訳にもいかない。

そう思いながら俺は外に出てからコンビニに向かう為に歩いていると「すいません」と声がした。

そこに白髪のスーツ姿の中年男性が居た。


「あの。...〇〇マンションをご存じでしょうか。道が分からなくて」

「え?ああ。そのマンションなら俺の家です」

「あ。そうなのですね。...すいませんがそのマンションまでのルートを教えてもらっても?」


その言葉に俺は「はい」と返事をしてからルートを教えた。

すると白髪の男性は「...ありがとうございました」と気力無い感じで返事をした。

というか全身気力がない感じだ。

大丈夫だろうか。


「...あの。大丈夫ですか?」

「ああ。これは失敬。全然大丈夫です。...ありがとうございました」


そして危なっかしそうな男性は俺の来た道をよろよろと歩いて行く。

俺はその姿を見送る。

それから踵を返してからコンビニに向かう。


この時に初めて会ったその人は糸水一郎いとみずいちろうという男性であり。

糸水兄弟の...父親だと言われたのは後だった。

警察からの情報提供でお礼を言いに来たらしかった。

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