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付き合っている幼馴染の彼女が他の男とキスをしているのを目撃した。俺はそんな幼馴染を棄ててから...だったのだが  作者:
第一章

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12/14

12、七色に

満里奈は現時点では約束を破るかもしれないが変わると約束した。

俺はその事を信じようとは思う。

なんというか満里奈には変わってほしい。

でないと詩織があまりにも可哀想だ。


「詩織」

「はい。何ですか?」

「実家に帰るのか?」

「帰ります。...お姉ちゃんを現時点で止められるのは私しか居ないと思ってます」

「!」


詩織は固い決意を見せる様に俺に言う。

俺はその姿に「...そうか」と返事をしてから詩織を見た。

詩織は強くなった。

そう思える。

すると次に詩織は俺を見た。


「勿論...有紀さんへの愛は変わりません」


そう詩織は言ってから俺を抱きしめる。

それから俺を見上げる詩織。

そしてニコッとしてから俺から離れた。


「じゃあ帰りましょうか」

「帰るのか?」

「はい。...お姉ちゃんと話をビシバシしておきます」


俺はその詩織の言葉に「...」と無言になる。

それから詩織を見た。

詩織はニコッとしながら俺を見た。

そして「大丈夫です」と話す。


「?」

「帰ったらお姉ちゃんをビシバシ教育します」

「完全に立場逆転だな」

「確かにですね」


それから詩織は笑みを浮かべてから手を振った。

帰宅して行く。

俺はそんな姿を見つつ苦笑した。

そして見送った。



家に帰り俺はボーッと空を見上げる。

それからフッと笑いながら「やれやれ」と言う。

そして俺は前を向いた。

するとスマホが鳴り響いた。


「?...はい...なんだ。満里奈」

「...その...ごめんなさい」

「何が言いたい」

「私が、愚かだった」


涙声が聞こえる。

俺は「...」と無言になりながら「...お前の過ちは過ちだ」と告げてから「お前は完全に過ちを犯した」と言う。

その言葉に満里奈は無言になる。

俺は話を続けた。


「だがお前は過ちを認めようとしている」

「!」

「成長しているとは思う。その点はな」

「...そうだね」


そう話しながら満里奈は涙声を漏らす。

俺はその姿に「...」となりながら「満里奈。どうしてお前はこんな事になったか理解しているか?」と聞く。

すると満里奈は「まあね。私が馬鹿だった」と言う。

俺は「そうか」と返事をした。

それから俺は「...俺はお前を信頼しないつもりだった」と話してから前を向く。


「...だが」

「...?」

「俺はお前を暫く観察する」

「観察っていうのは...」

「お前が信頼に値するか観察する」


俺は「詩織に感謝するんだな」と告げる。

すると満里奈は「...うん」と返事をしてから嗚咽を漏らす。

俺は「...そこに詩織は居るのか」と聞く。

満里奈は「うん」と返事をしてから代わった。


「詩織」

「...うん。有紀さん」

「頼む」

「...分かってます」


それから「まあまだまだ発展途上ですけどね」と返事をした。

俺はその言葉に「確かにな」と返事をした。

そして詩織は「...また明日」と言った。

俺は笑みを浮かべながら「ああ。また明日な」と返事をする。



翌日になってから玄関を開けて通学する為に下に降りる。

するとそこに満里奈と詩織が立っていた。

俺は驚きながら2人を見る。

満里奈が目線を逸らす中で詩織が「有紀さん」と真剣な顔で話してきた。

その姿に「?」を浮かべる俺。


「お姉ちゃん...性病をうつされたみたいなんです」

「な」

「...分からないですけど。今日お姉ちゃん病院に行きます」

「...自覚症状はあるのか」

「自覚症状は...無い。...だけど少しだけ体が熱い」


それから満里奈はうっうっと言ってから号泣し始める。

顔を覆ってから「私が馬鹿野郎だったから」と言う感じで。

俺はその姿に「泣いても仕方がない。...取りあえず病院に行かないと」と言う。

すると詩織が「それで私も病院に付いて行きます」と答える。


「...お姉ちゃんだけじゃ不安なので」

「だろうな。それが良いと思う」

「...それを言いに来ました。...結果は後で報告します」

「分かった」


そして俺は満里奈を見る。

「おい。満里奈。...ちゃんと治療しろ。あとパートナーはどうなった」と聞く。

満里奈は「今...連絡は取っているけど音沙汰が無いから」と答える。

俺は「そうか」と返事をした。


「俺も色々と治療法とか調べるよ」

「...ありがとうございます。宜しくお願い致します」

「有紀」

「なんだ」

「私は貴方と詩織の事を...応援したい」

「!」

「詩織は...貴方の事、好きなんでしょ?」

「...確かにそうだが」


その言葉に「...私が過ちを犯した分。...私は詩織に幸せになってほしい」と満里奈は俺を見てくる。

俺は「...他人の幸せを願えるようになったんだな」と満里奈に話す。

満里奈は「...うん。...私は...過ちを犯した」と言葉を発した。


「...じゃあ」

「ああ。詩織。お前も気を付けてな」

「はい。気を付けて行って来ます」


それから詩織と満里奈と別れて歩く。

すると背後から「よお」と声がしてきた。

俺は「ああ。隆道か」と振り返って笑みを浮かべる。

隆道は「...大丈夫か?その後は」と言ってくる。

その言葉に俺は「...まあな」と返事をした。


「...色々あったけど大丈夫そうだ」

「そうなのか?」

「一応、姉妹とは分かち合えた」

「...そうか。なら良いんだが」

「お前にも迷惑をかけたな」

「なんも。...俺はただ配慮しただけだ」


そして俺達は学校に通学する。

構内に入ると「おはようさん」とか隆道と俺に言われる。

俺は「おー」と返事をした。

クラスメイトは変わらずで教室で花見の事を話していた。

おっさん臭いよなぁ。

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