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無能領主を演じて生き延びます  作者: ガスト


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第14話 “影の取引”と、動き出す王家の思惑

試験があって全く更新で来ませんでした


これからは毎日更新でいきたいと思います!

王都まで残り二日の地点。

宿場町の外れの、古びた倉庫。

アレンは、密かに呼び出したルカと向き合っていた。


「さて……そろそろ本題を聞かせてもらおうか。

お前は何を目的に俺を助けた?」


ルカは壁にもたれ、短刀をいじりながらため息をつく。


「単刀直入に言います。

――宰相派だけじゃありませんよ。アレン様を始末しようとしてるのは」


アレンの目が細められる。


「王太子派も、あなたを“使う”気です。

あなたを味方にできれば腐敗を暴く証拠になる。

でも……使えないとなれば、消すだけです」


ミレイユが色を失った顔で立ち上がる。

「ちょっと待ちなさい! 王太子までアレン様を――」


「少し違うな。」

アレンがゆっくりと手を上げ、ミレイユを制した。


「王太子派は“敵”ではない。

ただし“味方”でもない……ということだ」


ルカは肩をすくめる。


「俺には“観察し、判断し、報告せよ”との命令が出てる。

だから今も、こうしてアレン様と話をしてるわけで」


「つまり……王太子の“目”というわけか」


「その通り。ただ――」

ルカはわずかに笑った。

「俺個人としては、アレン様のやり方が気に入りました。

だから勝手に助けた。それだけです」


アレンはしばらく沈黙した。

だがやがて、静かに口角を上げた。


「面白い。

王太子にも宰相にも利用しようとされているのなら……

逆に、利用してやればいいだけだ」


ミレイユが不安げに眉を寄せる。

「そんな危険な綱渡り……本当に?」


「生き延びるためだ。俺は“無能領主”だろう?」

アレンは笑って見せた。

「無能らしく、油断させて、笑っているうちに背骨を折る。

その方が俺には向いている」


ルカが息を呑む。


「……やっぱりただの領主じゃないな、あんた」


アレンは倉庫の隙間から見える夜空を見上げる。


「宰相派、王太子派……そして王家の第三勢力。

俺が王都に入れば、全員が動き出す」


「じゃあどう動くんです?」ルカが問う。


アレンは静かに答えた。


「王太子派に“捕まる”。

宰相派に“裁かれる”。

……どちらの道にも罠があるなら――

俺が選ぶのは、その両方を崩す道だ」


その言葉に、ルカの表情が変わる。


「両方……崩す?」


「そうだ。

王家の腐敗を暴き、そのうえで宰相派を叩き潰す。

それができる舞台はただひとつ――」


アレンは倉庫の扉を見据えた。


「王都裁判だ」


沈黙。

その重さは、倉庫の空気すべてを一瞬にして冷やした。


ミレイユは震える声でつぶやいた。


「……アレン様、本当に死にますよ?」


「死ぬかどうかは、俺の“演技力”次第だ」


アレンの瞳には、確かな自信と決意が宿っていた。


――そしてその翌日。

王都門前にて、アレンを迎えたのは「王太子直属騎士団」。

その剣先は、アレンの胸元へと向けられていた。


「クロフォード領主アレン。

王太子殿下の命により――拘束する」


アレンは、薄く笑って言った。


「予定通りだ。

――連れて行け」


ありがとうございました


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