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〔補足〕その1

あくまで参考(ついでに作者の備忘録)ですので、別に見なくても作品内容には全く関係ございません。

①世界観

近代ヨーロッパ風世界:ただし多神教を信奉した世界ですので、実在のヨーロッパとは多少変わります。どちらかというと古代ローマ帝国がそのまま分裂したというか、北欧ヴァイキングの価値観に近いというか、そのような感じです。

魔物もいますが基本的に数もさほど多くなく、また単体で決まったテリトリーからほぼ出ませんので、さほど脅威とは考えてません(銃も大砲もあるしね)。


②宗教

多神教ですが、主に主神である

・「天空神」=古ラテン語「Caelum(空、天)」 + 「-tor」(行為者・支配者を表す接尾語)=Caelitorカエリトル

・「大地母神」=古ラテン語「Terra(大地)」+ 「gena」(生む者、母を表す語根)から=Terragenaテッラゲナ

・「海王神」=「Mare(海)」 + 「Dominus(主、支配者)」=Maridominusマリドミヌス

三大神が信仰されていますが、神殿が独占的に権利を有しています。

その他、

・『戦神』=古ラテン語「bellator(戦士)」+is(神格化)=Bellatorisベラトリス

・『星の女神』=古ラテン語「astrum(星)」+ania(女性名詞語尾=Astraniaアストラニア

は、この国の守護神というか、国王はこれらの子孫という名目になっています(なんぼ異世界でも多分フカシである。別に王族に特別な力はないし)。


③宮殿

『鏡の間』はヴェルサイユ宮殿の同名の大広間を参考にしました。ちなみに鏡の間の広さは全長約75m、幅約10mで、650~750人の招待客を招いた記録があるので、このあたりが収容できる上限だと考えられます。

近衛隊ガルド・デュ・コール:王や王妃の身辺警護を担当する近衛兵が主要な警備部隊

宮殿警備員ガルディアン:宮殿全体の秩序維持や、出入り口の監視を担当する警備員

※出入口ごとに5~10名、内部や周辺に分散して20~40名、控えの間や回廊に10~20名、さらに緊急対応要員や王妃付きの近衛兵などを加えると、全体で50~100名規模が警備にあたっていたと考えられます。


④食物

実在のヨーロッパと同じで、地面から離れて天に近いものほど天空神(カエリトル)の恩寵を浴びた、高貴なる食べ物とされています。

ただし同時に大地母神(テッラゲナ)の加護もあるので、地面に近いものや地中にあるものも、それなりの豊穣をもたらすものとされ(ヨーロッパでは不浄のものとされた)、中産階級以下は日常的に食べています。


⑤ジャガイモ問題

そのものズバリはありませんが、似たような植物があって、古来より栽培され品種改良されています。

ただしトウモロコシに当たる植物は存在しません。

・地瘤根(ジャガイモの異世界版)

野生種:テラナス科の低木。大陸の高地(標高2000〜4000m、寒冷で岩だらけ)に適応。根に小さな塊茎(クルミ大)を作る。

霜や乾燥に耐えるため、塊茎は地下深く(50cm以上)に形成。土壌のミネラル不足で、塊茎は小さく硬い。捕食者(例:モグラや山鼠)対策で、微毒(アルカロイド系)を持つ。

品種改良の結果、大きく(拳大)、毒素が少ない品種を選抜。

灌漑や堆肥で土壌改良し、収量アップ。農民の知恵で、種イモの選別や連作障害回避を工夫(三圃制農法を導入)。

なお、地球のジャガイモは滑らかだが、地瘤根はゴツゴツ(岩に擬態)。色は灰色や茶色で、土に馴染む。皮は厚く剥きにくい。

茹でるとホクホクだが、噛むと微かな渋み(微毒の名残)。

また、塊茎が「休眠芽」を多く持つ。異世界の長い冬を耐えるため、1年放置でも発芽可能。連作すると土壌病害(真菌)が増える。

・赤珠果(トマトの異世界版)

野生種:テラナス科のつる性植物。熱帯島嶼(火山島、肥沃な火山灰土壌)に適応。小さな果実(サクランボ大)を鳥が散布。

強い日差しと火山活動に耐える。果実は厚い皮で水分保持、虫よけに揮発性化合物(テルペン系)でスパイシーな香り。

野生赤珠果を薬用(消化促進)で利用。選抜育種で果実を大きく(リンゴ大)、皮を薄く、甘みを強化。

交易で大陸に広まり、農民が品種改良。灌漑技術で水不足を克服し、赤珠果を主要作物に。

見た目:地球のトマトは丸いが、赤珠果は扁平で波打つ形状(鳥が掴みやすい)。

味・食感:甘さは強く、酸味は控えめ(島の水不足で糖分濃縮)。果肉は肉厚で、噛むとジュースが弾ける。

・ 炎辣草(トウガラシの異世界版)

野生種:テラナス科の低木。乾燥サバンナに適応。小さな果実(豆大)を鳥が食べる。

水不足と高温で、果実に「炎辣素」(カプサイシン類似)を蓄積。爬虫類や哺乳類の捕食を防ぐ。

もとは遊牧民が炎辣草を香辛料として利用(肉の保存用)。選抜育種で果実を大きく(指大)、辛味を調整。

乾燥耐性が強く、根が地下水を吸うため深く伸びる。果実は熟すと「弾ける」仕組みで種子散布。

見た目:地球のトウガラシは細長だが、炎辣草は丸く膨らむ(鳥が飲み込みやすい)。色は赤、紫、緑で、サバンナの風景に溶け込む。

味・食感:辛味はカプサイシンより鋭く、喉に「焼ける」感覚。後味に土の香り(サバンナのミネラル)。


⑥貴族の馬車

近世ヨーロッパに準拠して、公式行事に出席する場合。

・上級貴族(公爵、有力侯爵):6~8頭立てで、馬車は金装飾(もしくは銀装飾)の華美なもので、大きく家紋が描かれていました。私用で出かける際でも最低4頭立てで、仮に王都で2頭立ての馬車を普段使いしていたら、「あそこの家は没落した」と陰口を叩かれます。領地内では気軽に2頭立てでも問題はありません。

・中級貴族(伯爵クラス):4~6頭立て。馬車は銀装飾のものが多かったようです。家紋はマスト。

・下級貴族(子爵以下):2~4頭立て。特に装飾はなく、貧困している貴族や地方貴族などは、辻馬車を借りるか、徒歩の場合もありました。


扇子言葉ファン・ランゲージ

18~19世紀の貴族社会において、扇子は単なる装飾品や実用品にとどまらず、恋愛や社交の場で「言葉を使わない秘密のコミュニケーションツール」として用いられていました(特にスペインやフランスで流行)。これを踏襲して、この世界の貴族女性も当然取得しているという設定になっています。

《基本》

・閉じた状態の扇子の先端を右頬に当てる:はい

・閉じた状態の扇子の先端を左頬に当てる:いいえ

・左手で開いた扇子を顔の前に持つ:お近づきになりたい

・右手で開いた扇子を顔の前に持つ:私についてきて

・半開きの扇子を唇に押し付ける:私にキスしていいわよ

・扇で頬を横になぞる:あなたを愛しています

・扇を落とす:友達でいましょう

・扇で手をなぞる:あなたなんか大嫌い

・右手でくるくる回す:私は他の人が好きです

・閉じた扇子の先端を指で触れる:あなたに話しかけたい

・閉じた扇子の先端を左耳に当てる:あなたを追い払いたい

・閉じた扇子を物憂げな表情で見つめる:なぜ私のことを誤解するの?

・ゆっくり扇ぐ:結婚しています


⑧結婚制度

ヨーロッパ圏ではキリスト教の影響に関係なく、ギリシア、ローマ時代から一夫一婦制でした。

よってこの世界も基本的には一夫一婦制です。

ただし貴族には愛人がいるのは公然の秘密であり、また国王には宮廷で公認された『公妾(こうしょう)』というものが存在し、国費から費用が賄われていました。

国王の寵愛を受け、贅沢ができる気楽な身分に思われますが、公的資金が投入される裏には、「いざという場合の安全装置」という思惑があります。万一国民からの不満が王室へ向かった場合、「公妾が贅沢三昧をして、政治にも口出ししてきたせい」と泥をかぶせて処刑することでガス抜きさせる役割がありました。

一説にはマリー・アントワネットが「贅沢三昧」「パンがなければケーキを食べればいいじゃないの」などのプロパガンダで国民に憎まれたのは、ルイ16世が公妾を持たなかった(父も祖父も持っていた)ためとも言われています。


⑨手袋

18~19世紀のヨーロッパ貴族社会において、未婚の令嬢が宮廷舞踏会や社交界のイベントに参加する際、手袋の着用は必須のマナー。

・舞踏会や夜会などフォーマルな場では、肘上までの長い「イブニンググローブ」や「オペラグローブ」と呼ばれる手袋が主流

・素材は絹か革。レースや刺繍で装飾されたものもあり、色は最も人気があり、格式高いとされたのは白色です。白い手袋は清潔さと純粋さの象徴とされ、特に白く長い手袋は未婚女性の「最上級の正装」とされ、純白以外のオフホワイトやアイボリーは不可という場もありました。

既婚女性の場合は、白以外の色の手袋も認められることがあり、一般に「ドレスよりも明るい色」が推奨されましたが、未婚女性や儀式の際は白が原則で、短い手袋は格式が下がるため、舞踏会では避けられます。

・ダンスや握手、手を差し出してキスを受ける場面でも着用したままが原則で、指輪も手袋の下に嵌めていました(飲食の際には外す)。

・白い手袋は汚れやすいため、裕福な令嬢は複数枚を所有し、頻繁に取り換えることができることもステータスだった。


⑩手紙

中世から手紙は通常封筒を使わず、紙を折って表(紙で言う裏面)に宛名を書いて、蜜蝋で封をする『レターロック』という方法が一般的でした

ぶっちゃけ紙が高いから。

ただし17世紀のスペインやフランスでは、宮廷などで手作業で作られた封筒が使われた記録やテンプレートがあるので、貴族階級では公文書などには封筒が使われていたようです。

手紙を封じるのに、貴族は蜜蝋(ワックス封)を用いるのが礼儀でしたが、では庶民はどうしていた? というと、ワーファー(小麦粉と水で作った薄い円盤状の封)という糊があり、貴族でも目下の相手などにはこれを使っていました。

なお、赤い封蝋は一般に男性の書簡に用いられ、黒は喪中に用いました。

また、貴族はステータスを反映する豪華な紙や装飾的な印章が使われることが多かったようです。


⑪レティシアの随員

・御者(2人):4頭立ての豪華馬車(家紋入り、金箔装飾、緞帳の窓)を運転。軍人貴族らしい威圧感ある黒馬4頭を使用。

従僕(フットマン)(4人):馬車の後部・側面に立ち、扉の開閉、令嬢の降車補助、荷物管理を担当。公式行事なので4人。

全員が揃いの制服を着用。軍服をモチーフにして、剣の徽章、深紅のマント、羽付き帽子が基本。従僕の1人は機敏な若者で、緊急時に護衛への連絡係を務める。

会場到着時、従僕が整列して馬車扉を開け、令嬢のドレスが映えるようエスコートする。

・メイド(2人):上級メイド1人が馬車に同乗。ドレスの裾、髪飾り、化粧を管理する。2人目は予備(別馬車で随行、荷物や予備ドレス管理)。

・シャペロン(身内女性1人):侯爵夫人。夫人がどうしても参加できない場合は叔母が参加する。

・騎乗護衛(5人):先導2人が馬車前方で道を開き、侯爵家の威厳を誇示する。

随伴3人が馬車側面・後方を守る。1人が伝令専任(馬車後方で待機、緊急時に離脱可能)。

軍人貴族の威信と元帥の軍事力を誇示しつつ、侯爵家の「最上級だが公爵未満」のバランスでこの人数(比較的控え目)。

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