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これから

頬に当たる雫の冷たさで目を覚ました。

なんだが、ひどく心地よい夢を見ていた気がする……。

視線を彷徨わせる。

一瞬、白い部屋が見えた気がしたが気のせいのようだ。

花の香りもしない。

するのは、ヘドロなような悪臭。


幸せな転生。

そんなものがあるはずなかった。


そうだ。

そんなものあるはずがない。

夢をみている場合か。

私はいまどこにいる?確か、あの男にいつものように暴行を受けて……。

ああ、そうか。死んだかなと思ったけど、どうやら死ねなかったらしい。

私の体は思ったよりも頑丈だ。なんでこんな頑丈にしたのか。一層殺してくれたらよかったのに。

体を動かそうと指先をピクリと動かす。

「――――!!」

ただそれだけで声にならない激痛が全身を走る。

喉が潰されているのか声がでない。

肺から枯れたような息がヒューヒューとでるぐらいだ。

しばらく寝ていたからだろう。体が、脳が痛みに慣れていない。

もう一度動かす。

再びの激痛。

それを何度か繰り返し、感覚が麻痺してくれたのか、動けるようになった。

少しでも動かすたびに感じる激痛。

だが、それでも動ける。動けないよりはましだ。

周囲に目を凝らすと、真っ暗闇の中、徐々に見えてくるものがある。

そして鼻につく悪臭。

なるほど。下水か。

どうやら死んだと思われた私は下水に捨てられたらしい。

ある意味、私は自由になった。

唯一な無事な両足で立ち上がる。

立ち上がって、考える。

私は一体、なにをしたらいいんだ?

いやそもそもなにができるんだ?

両腕は折れ、肋骨も、内臓も痛めているだろう。

喉も潰されているから声も出せない。

一歩でも動こうものなら全身に激痛が走り倒れそうになる。


こんな、半分死んでいる私ができることって一体……なに?

これから、どうしたらいいのだろう……?

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