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ライフリング  作者: 羽田憲二
第8章
97/140

容疑者

会談後は食事となる。

とはいえ俺たちは持ってきた携行食を短時間で済ませる。豪華な食事は政治家だけだ。


無事に済むと彼らは客室に戻る。

雑務なども僅かにあるらしいが、時間はたっぷりだ。

今回は議員の側近なども必要最低限しか乗っていない。逆に言えば政治家に信用されている者しか船にいない事になる。


担当する議員の近くの部屋に俺たちは泊まっている。

会談は明日も行うので彼等が寝ている間も交代で警備する。

この隙に捜索したいが、怪しまれたらアウトだ。


一応他の3人にも話しておいた。

いつも一緒にいる為密輸する暇も必要も無いと判断した。それに1人では解決出来ない。


「リーダーとして済まない。兵役では運良くそんな経験をしなかった。礼を言うジャン」

バートは人格者だな。


「いいんだ。それよりどうする?」


「2人1組で怪しい場所まで廻ろう。途中で他のSPやクルーにも会うはずだから先ずは特徴や状況を頭に入れとこう」


「こりゃおちおち寝てられないね!」

「全くだぜ、豪華客船だってのによ!」

ザックとマチルダはややイライラだ。


はじめに俺とバートで倉庫を廻る。

「ん?朝より匂いが薄いぞ。勘付かれたか?」


「不味いな。理由が無ければ積荷を開封出来ない!」


「その通り!!」

いつの間にか後ろから俺たちは殴られた。

格闘戦になる。


相手は全員黒ずくめで目出し帽を被っている。

武器は鉄パイプだ。

倉庫は薄暗い為視界が悪い。

人数は4人だ!


1人を何とか制圧仕掛けたが、向こうの方が強かった。

不意を襲われた事もあり俺たちは羽交締めにされる。


首筋に麻薬の様な物を注射されて意識を失う。


気付けば広間で政治家連中や他のSP部隊に囲まれていた。武器は取り上げられて、縄で縛られている。


「残念だよバート君、ジャン君。国の英雄から裏切られるとはね」


最悪だ!罠に嵌められた!

ザックとマチルダが抗議する。


「君たちも関係者かな?嫌だよ私は」

さっきから話している議員は外務大臣のエリアスだ。

鷲鼻と鋭い目つきが特徴の50代男性だ。


その横にはトーマスがいる。

本当の敵は誰だ?


今はこの状況を打破する事を考えよう!


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