懐かしき芋虫
俺たちはニューストンから輸送機で鉱山地帯に派遣された。今回の護衛は資源局の職員数名だ。
人間が襲撃してくる可能性は低いが、念の為だ。
首都から離れているためにデザストンやかつての故郷のような荒野が広がる。
召集経験者のバートも懐かしく感じている。
ザックとマチルダはたまにしか来ないため砂埃や乾燥地帯に少し疲れていた。
等間隔で職員の護衛をしている。
高山地帯はそれなりに作業員がいる。
設備や重機も至る所にある。
俺たち意外にもダンのような護衛者が泊まり込みでいる。
ふと地面を見て思った。
「バート。これはアイツだな?」
「あぁ。ザックたちは知らんからな」
「なんだよ隠すなよ!」
「アンタらだけコソコソどうしたんだい?」
その内分かると告げた。
暫くして施設の重機がガタガタと振動をあげて作業を始めた。
これは確実に出るな‥。
ブルブルと重機とは違う振動が地面を伝う。
モゴモゴと地面が浮き上がり、重機の少し前で止まった。
「またかよ!早くどっか行け!」
土方の兄ちゃんがイラついてる。
地面からボゴっと巨大な芋虫が鎌首をあげる。
デスワームだ。
こんだけ広い大陸によくも分布できるな。
ザックとマチルダが銃を構える。
「アンタらも常駐も何突ったてんだ!」
「まぁまぁ落ち着け。大丈夫だ」
すると土方の兄ちゃんは長靴でデスワームを蹴った。
「え!?」
2人は驚いている。
無害ではないが生きた人間は食べないのがデスワームだ。時々車はひっくり返されるがな。
首都で見かけないのはアスファルトのせいもある。
硬い土は掘れても人工物は何故か難しいらしい。
それに一部の研究者が開発したワームよけの匂いを道にまいているらしい。
最近になって知った事だ。首都はなんでもありだな。
勿論地方はそんな贅沢出来ない為たまに見かける。
デスワームが引っ込んで何処かに行ってしまった。
「あれは戦場ではよく死体を食ってるんだ。装甲車や重機みたいなデカい音に反応する。ごく稀に出くわすだけだ。心配ない」
バートに説明されるが、2人は疑問に思う。
「排除しても良いんじゃ無い?」
「それがな〜。何故かそうならないんだよ。戦場では伝染病予防に一役買ってるしな」
「バートの言う通りだ。まぁ俺もトラックを狙われたが‥」
世の中不思議なものだ。
明らかに要らないものはそのままで、必要な物は足りない。その裏には複雑な事情や歴史が絡み合っている。
そもそもデスワームは旅人みたいなものだ。
どうしようもない。
土の中ぐらい人間は手を出すなという事か?
職員護衛は無事終わり、帰路についた。
休みに入り、ケイトがはしゃいでいた。
「パパ、今度お友達と遊んでくる〜」
「良かったな〜」
俺と違い利発に育ってくれて良かった。
レベッカの美味い飯を食って眠りにつく。
久々にデスワーム書きました。
現実でも熊やら蚊は駆除しきれなかったり、そもそもどうしようもなかったり。
生態系ガン無視でもムズイと思います。




