報告書
思いの外早く調査が終わった為、1日早くニューストンに戻れた。
アマンダ議員はメモ書きと撮影写真を元に報告書を作成している。専門家や学者の意見を取り入れて纏めるみたいだ。
その後コール大臣に手渡され、国会で今後どうするか審議する。
柄にも無く慈悲を浮かべてしまったが、政府がどうしようが干渉は出来ない。割り切りだ。
政府の方針決定を知るのは我々護衛のような存在でも時間がかかる。
政治家の側近、秘書または愛人などが真っ先に知るのだろう。
それから1月程たった頃、政府のキルストンに対する方針が発表された。
内容は今後も禁足地としての扱いみたいだ。
詳しい生態や地形、資源の記録が更新された以外は以前と変わらない。
てっきり開拓者魂に格好つけてズカズカ乗り込むものかと思っていた。
「良かったなジャン。お前の願い通りだな」
「流石にマグナムは抜くなよ?」
バートとザックから揶揄われる。
「なかなか人間臭くてアタシは嫌いじゃないね」
マチルダも含みのある話し方だ。
「やれやれ‥」
誤魔化しつついつもの訓練に励む。
久々に自宅で寛ぐ。
ケイトのお絵描きの相手をしながらレベッカの夕食を待つ。
「出来たわ。食べましょう」
「ごはんたべる〜」
「手を拭いてからな‥」
今夜はシチューだ。
ゴロゴロと大きめの肉野菜がとろみのあるスープによく絡んでうまい。
高級レストランではさらに濃厚でドロリとしたものが出るらしいが、一般家庭では食器洗いに使う水を節約するためにやや水気が強い。
とにかく美人な嫁さんの手料理が食べられるのはありがたい事だ。
娘も順調に育って何よりだ。
「明後日からまたしばらく訓練と護衛の繰り返しになる」
「分かったわ。無理しないでね」
「あぁ、ありがとう」
それからケイトに絵本を読んで寝かしつけた。
俺たち夫婦も寝室で眠りについた。




