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ライフリング  作者: 羽田憲二
第7章
86/140

荘厳

広く暗い洞窟からジリリリ!と音が聞こえる。

間違いない奴だ。

姿は見えないが皆本能で分かっている。


やや後ろに下がって4人は射撃準備に掛かる。

アマンダ議員は近くの藪に退避してもらった。

こんな危ない時でもペンを走らせている。

仕事熱心な事だ。


暫くして音の響きと間隔が変わってきた。

ジリリ!!ジリリ!!

恐らく最終警告だろう。


鎌首を上げて大きな蛇があらわれた。

全長は7,80メートルあるのではないか?

長さよりも胴の太さに驚いた。

色は焦茶色で所々斑点がついている。

ゆっくりこちらに威嚇前進してくる。


尻尾は枯れたトウモロコシの様な形をしていて、先程からの警戒音はコレみたいだ。


鎌首が大きな口を開けて襲いくる!

巨体の為こちらも避ける。

大きな2本の牙からは黄色い毒液が滴っている。


「各個に撃て!」

バートの合図で俺たちは撃ち始める。

マチルダやザックは頭部を集中して射撃する。

バーン!ガシャ!バーン!ガシャ!

ダン!ダン!ダン!


俺とバートは大蛇の腹をとにかく撃ちまくる。

明らかに鱗は硬そうだからだ。


同じ箇所に数十発撃つと出血し始めた。

当然蛇も怒り狂う。

先程より素早く噛みつき攻撃を連続で繰り出す!


こんな時PKはやや重いためギリギリでかわす。

ズシャシャシャシャ!!カチン!弾切れだ。

「カバー!!」

後ろに下がって弾帯を素早く装填する。

3人が援護してくれる。


射撃を再開しようとした時ふと泉の方を向いた。

隠れていたオオトカゲがこちらに数匹向かって来るではないか!

これまでの侵入者は挟み撃ちされた訳だな。


すかさずPKの連射で薙ぎ払う!

4,5匹葬り去る。


再び大蛇に向かって撃ちまくる。

動きは鈍くなり、頭や腹を隠すような仕草をし始めた。あと一息だ!


大蛇は洞窟に戻ろうとしている。

後ろから追い討ちをかけるように4人が撃ちまくる。

PKの弾がまた切れたので腰にあるマニューリンで応戦する。

尻尾を狙って撃った。

意外にも効果がありのたうちながら戻って行った。


4人は洞窟に入る前に簡易ライトを取り出して進んだ。2,3時間しか使えない為素早い対応が必要だ。


蛇はかなり早いスピードで奥に引っ込んだみたいだ。

罠かもしれない。議員も着いて来たがったが静止した。


警戒しながら進む。

突き当たりまではそれ程時間が掛からなかった。

そこには弱々しく尻尾をならす蛇の姿があった。


とぐろを巻いて精一杯威嚇している。

よく見ると白く丸い殻が散らばっている。

蛇の後ろ側には大きな卵が見える。

数は多くない。


蛇は哺乳類や鳥類と違って鳴き声を出さない為不気味に思うかもしれないが、俺にはコイツが可哀想に見えてならない。


「俺たちの目的はキルストンの調査とその護衛だよな?」


「あぁ。勿論だ」

バートが答える。


「スマンが俺は任務を達成出来そうに無い。始末書だろうがクビだろうがこれは無益だ」


娘が産まれたせいなのか、感情を取り戻した反動なのか…

俺にはトドメをさす事が出来なかった。


「ジャン。アンタらしくないね?」

「トドメ刺さないとかえってコイツが可哀想だぜ」


マチルダとザックに釘を刺される。

「バート、手榴弾を貸してくれ‥」


黙って受け取る。

「‥すまんな。これはエゴだ‥」

ピンを抜いて洞窟に背を向けた。


爆破した後にアマンダに許可を出す。

オオトカゲも向かって来ない。

まだ昼頃だ。

議員が洞窟内の調査をしている間、俺たちは休憩をした。


「しかしデカい蛇だったな‥」

「さっさと帰りたいね、アタシは」

「英雄ジャンにも心はあったみたいだぜ」


その瞬間、マニューリンを抜いてザックの額に向けていた。

「ジャン、コイツはまだ若いんだ落ち着いてくれ」

「フッ。アンタもなかなか気難しいね」


我に帰る。たかだか蛇を仕留めただけの話だ。

若造に何をイキがるんだ俺は‥

デコックして銃をしまう。


たまに狩をしている時でもこんな慈悲の感情は沸かなかったはずだ。

今日は調子が悪い。

心のどこかで誰にも壊されない場所を守りたかったのかもしれない。


「大人気ない事をした。悪いなザック」

「こっちも悪かったよ‥」


その後雰囲気は良くなった。

飯を食い、アマンダ議員を連れて拠点へ戻った。

ちょっと感情的なジャン。

降り掛かる火の粉は避けれても、侵略者にはなりたく無い男です。

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