キルストン
俺たち護衛は輸送機の中で装備を確認しつつ、アマンダ議員と話していた。
「私は女ですが、今回の調査は意義がある物と確信しております。何としても報告書を作成します!」
やたらと気合いが入っているが心配だ。
「議員。こちらも全力でサポートします。ですが未開の地であり危険です」
「分かっているわ。その為に靴や服も頑丈な物にしました!」
「あー、あの議員‥?」
「‥」
俺とザックはやや引いてしまった。
同性のマチルダが歯に衣着せぬ対応をした。
「アマンダ議員。つまり勝手な行動はすんなって事だよ。政治家だろうがアタシは容赦しないよ。死にたきゃ勝手にしな?」
「‥そうですか。分かりました。帰ったら貴方の事は先生(コール大臣)に報告します」
「あぁ構わないさ。なぁ隊長?」
バートは話を振られて動揺していた。
決して彼が無能だからでは無い。
誰しも対応出来る限度がある。
こういう場面でマチルダは本当に助かる。
輸送機は本来軍隊が大規模な作戦を実施するのに使う。その為内部は広々としている。
食糧や着替え、武器弾薬は充分に持って来た。
もしもの時でも数キロ離れた居住区域に行けば良い。
それに常駐警備も数名いる。
問題は柵の中で落伍する事だ。
バケモノ以外の自然を甘く見てはいけない。
議員を含めた全員が露出が少ないしっかりとした服装だ。
肘や膝は怪我防止の為のプロテクターをしている。
頭部にはブッシュハットを被る。
左腕には黄色い反射板をつけている。
もしもの時の緊急バックは議員が背負っている。
使い方は出発前に確認した。
武器は特別な物を調達してきた。
PK汎用機関銃、トレンチガン、AK、その他信号弾、手榴弾など様々だ。はっきり言って商売できるレベルの装備だ。
弾薬も特別だ。機関銃やAKは徹甲弾と呼ばれる装甲車などを貫通する弾薬だ。命中率はやや下がるが、バケモノ対策にはアリだと思う。
トレンチガンは通常の12番では無い。
クマ撃ち用のグリーンバックと呼ばれる強い弾だ。
他にもあるが俺はやはりマニューリンだ。
今回は357マグナムに細工をしている。
弾頭にナイフで十字を切っている。
これはソフトターゲットに対して非常に強力な威力を発揮する。
「議員。そろそろ到着します。衝撃に備えて下さい」
「わかったわ」
本格的な滑走路がない為ややデコボコした地面を輸送機が降りる。
多少ガタガタするが問題なく到着した。
「先ずは警備に挨拶しないとね!」
まぁいつまでこの調子が続くかな?
「お待ちしておりました議員。この柵の扉を公式に開けるのは50年ぶりとなります」
「名誉な事だわ。ありがとうございます」
この人は敬語とタメ口が結構まざるんだな。
細心の注意をはらいながらマングローブを進む事にした。
何故専門家ではなく政治家が調査するのかは後ほどわかります。




