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ライフリング  作者: 羽田憲二
第7章
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禁足地

ニューストンでの生活は順調に進んでいる。

腕を買われて遥々やって来たがむしろデザストンの方が危険だった。


流石に首都だけあって治安維持のレベルが凄まじい。

特に異常なまでの身分確認や重武装の衛兵、検問の数などだ。


だが一番怖いのは秘密警察だ。

悪さしなければ全く問題無いのだが、重大犯罪や治安騒乱を起こせば死後も付き纏うという。

どういう事かと言うと葬式後の遺体検査まで行い、火葬の場合は肉片なども調べるという。


そんなこんなで娘の成長を見届けるのと訓練が日課になって来た。


「貴方も段々優しい顔に変わって来たわね」

「なら良いんだが‥」

嫌な予感とは当たるものだ。


今回の護衛は環境大臣の見習いで次期候補者となる

アマンダ議員だ。年齢は30代前半でメガネをかけた細身の女性だ。いかにも真面目そうだ。


コール大臣の発案でキルストンの調査を50年ぶりに実施する事になった。


決まった事だが正直乗り気じゃない。

キルストン。これは正式な地名では無い。

元々禁足地として長年放置されてきた僻地だ。

地図上にもワザとそのエリアだけ何も表記しない程だ。


何故このような名前がついたのか‥。

禁足地には警備や柵を乗り越えて度胸試しに行く馬鹿がいたらしい。ほとんどは行方不明、餓死などだ。

時たま運の良い奴らがボロボロになって帰って来る事がある。


彼らが言うにはとてつもない危険生物がいるという。

はじめは遭難者特有の幻覚だと馬鹿にされていたが、

面識のない侵入者が同じような回答をした上に写真まで撮って来たからだ。


我が国では珍しくマングローブの沼地となっており、視界と足元が悪い。当然誰も住んでいないために獣道だらけだ。


ある程度進むと沼地とは別の綺麗な泉があり、歩き易くなるという。

その辺りには無数の洞窟がある。

そこから体長3,4メートル程のオオトカゲが襲いくるという。当然喰われた人もいる。


だが本当に恐ろしいのは更にその奥だ。

一際大きな洞窟にはクサリヘビの親玉のような馬鹿でかいヘビがいる。

全長は下手をすれば60メートルを超える巨体だと言う。まぁヘビは胴が太いから実際にはわからんが。


オオトカゲに効いたライフルも全く役に立たず、たとえ喰われなくても噛まれたら毒で体が溶けるという。


ここまできて神話か何かかと思うが、命知らずの馬鹿がある程度写真を残している。


正直そんな場所ほっとけば良いと思うのだが、研究者達の目にはバケモノよりも地形や自然環境に興味を持ったらしい。


岩肌から見れば鉱物資源などが豊富にある可能性がある。群生している木々は上等な木材として使えるらしい。加えて泉の確保は水問題をある程度解決するのではと考えられている。


要するに手付かずの天然資源を我が物にしようと画策しているのだろう。

50年前の調査ではマングローブの途中で悪天候になり、怖くなった調査隊が逃げ帰ったらしい。


もっとやる事があるだろうと思うが致し方ない。

場所はニューストンから大分離れた位置にある為に巨大輸送機で行く事になる。

一応飛行機が着陸出来るエリアはあるらしい。

不思議なものだ。そのあたりまでは普通に荒野が広がっているらしい。


最悪死ぬかもしれないが、契約時に家族が路頭に迷わないように手は打ってある。

今更レベッカに言ったところでどうにもならない。


「来週1週間は護衛だから家を空ける。スマンが留守番頼む」


「分かったわ。珍しいわね?大事な任務みたいね」


俺を疑わない出来た女房に後ろめたさを感じながら眠りに着く。

らしい、みたいだを連呼しました汗。

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