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ライフリング  作者: 羽田憲二
第6章
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ニューストン

「到着しました。暫くお待ち下さい」


ラントの呼びかけに俺たちは頷く。

ここは安全地帯だがはっきり言って何も無い土地だ。

ラントがカンプピストルを取り出した。

腕時計を確認して上空に放つ。


「だーだ、まーま、おっきいとり〜」

ケイトの指さす方に目を向ける。


大きな飛行機がこちらに向かってくる。

滑走路や目印の様なものは無いが、トラックの少し手前でピタリと停まる。パイロットは優秀だな。


「凄いわね!貴方。私見たことすら無かったわ」

「まーま、とりさんのる〜」

「俺も乗るのは初めてだ」


飛行機はあまり普及していない。

技術的には割と進歩しているが整備•量産体制がそこまで進んでいない事と、空港が一部の地域にしかないためだ。

戦場では偵察機が飛んでいるのを一度見ただけだ。

時代は進んだな。


「私も同乗します。良い空の旅を」

早速中に入る。本来は政府高官や重要物の輸送に使うみたいだ。内装は広く、座り心地も悪くない。

驚いた事にトイレや簡易的な調理場、娯楽施設がある事だ。

かなり待遇は期待出来そうだ。


機長とCAの挨拶が終わり、機内食が運ばれて来た。

出来立てなのかホカホカだ。

「美味しいわね貴方。ケイト美味しい?」

「まーまのほうがおいちい」


レベッカはとんでもなく嬉しそうだ。

「だーだ。だいじょーぶ?」


恥ずかしながら飛行機酔いみたいだ。

「ケイト。大丈夫だよ」


少し水を飲んで眠りにつく。

「貴方起きて、後少しで着くみたいよ」


普段トラックの護衛に慣れているせいか体感時間が短い。空を飛ぶとはこういう事か。


「奥様、申し訳ございません。途中の給油と整備を済ませた後に再び離陸します」


「勘違いしてたわ」

まぁレベッカは物珍しさに興奮しているのだろう。

にしても飛行機で給油が必要な距離って長くないか?

考えてみれば政府の電報は早く届く。

電波は簡易的な中継地点を作れば一瞬だからだ。

それでも多少時間はかかるがな。


離陸時にまた気持ち悪くなったがだんだん慣れてきた。

「間も無くニューストン上空です」


遂に来たか!

窓の外を眺める。本当に同じ国かと思うほど違和感を覚える。


地表はいつもの荒野に似た土色が広がるが、所々緑がある。

空から見ても分かるくらい高い建物が並び、造りもしっかりしている。

見えずらいが河川の様なものがあり、大きな鉄橋が見える。


空港に近づくに連れて高度が下がる。

街並みもはっきり見えてくる。


「ようこそニューストンへ」

ラントは先に降りて現地と引き継ぎしている。


「ここから先はガイドが案内します。生活に慣れましたら再び私が連絡します」


3人揃って空港を後にする。

移動はトラックかと思ったが、見たこともない車両だった。

首都では軍用トラックばかりでなく自家用車などが普及しており、近年では車種も増えている。


「私も気持ちはわかりますよ。なにしろ故郷は道路なんて未舗装で、移動は馬しか無かったですから」

ドライバーが気を遣ってくれる。


街は道路が整備されて走りやすい。ガタガタとした振動は感じられない。

行き交う車の数も数百台はあるんじゃないか?

今後は渋滞なども起こるだろう。

信号機も普及している。

ビルは至る所にあり、更に向こう側には工場らしき煙突からモクモクと煙が出ている。


俺が今まで扱ってきた銃器もこの辺りで作られたのだろうか?


政府が用意した住宅に着いた。

かなり立派な家だ。

隣近所の家もなかなかの造りだ。


これからはここが我が家だな。

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