移転
「‥という訳だ。2人の意見を聞きたい」
レベッカとダンは考え込む。
「私は貴方とケイトが離れ離れになるのが嫌。着いて行くわ」
政府からの連絡はまだ無いが勤務地はデザートストーンの首都ニューストンだ。
現在地デザストンから物凄く遠い距離にある。
これまでの人生で徒歩やトラックで各地を周って来たが、遥かに遠い距離にある。
近代的で国境からも離れている為、一部の勝ち組か運の良い奴しか住めない場所だ。
まさか自分がそこに行くとはな‥。
「ダンはどうする?政府にイチャモンつけて多少は無理なお願いも通るぞ?」
「お兄さん。僕はこの土地が好きだ。確かに首都に憧れはあるけど、そろそろ自力で生きてみたい。1つお願いがあるんだ」
「何でも言ってみろ」
「この家を姉さんから引き継ぎたい。出来るならリフォームして長く住めれば良いかなぁと」
少し照れながらダンは答えた。
「ダン、立派になったわね。あなたに任せます」
「ありがとう姉さん」
こうして弟を1人残して俺•レベッカ•ケイトはニューストンに向かう事になった。
後日例の政府高官がやってきた。
「あぁ、この間の‥」
「英雄には名前を覚えて貰いたいね。ラントですよ」
「宜しく頼む。妻と娘も移住する。それからダンの家のリフォーム代は払ってくれ」
「お安い御用です。何なら新築でも構いませんがね?」
「まだ住めるから大丈夫だ。それより早いな。俺たちは何で首都まで行くんだ?」
「まずは用意したトラックで皆さんをお連れします。お楽しみはそれからです」
何だか含みがあるがもう決めた事だ。
後戻りはしない。
「ダン!達者でな!」
「頑張るのよ!」
「じーじ、ばいばい」
「お元気で!!電報送ります!」
トラックの荷台からダンが遠ざかって行く。




