療養と子育て
軽傷ではあったが商会は護衛者全員に特別手当と休暇を設けた。
俺は治療に専念しつつケイトをあやしたり、レベッカと食事をしたりしていた。
「自惚れてはいないと思うけど、もう少し自分を大事にして。貴方は家族の大黒柱なのよ」
「あぁすまない。あまり無理はしないようにする」
「それに不安なの‥貴方がだんだん遠くに行きそうで‥」
レベッカは新聞の一面を俺に見せた。
《トドメの一撃。ドラゴンハンタージャン!生ける伝説の男の正体とは?》
もはや週刊誌の記事みたいになってないか?
矢張り天気予報と日付だけみたいだな。
「お前と娘を残して行けるか‥」
スヤスヤと眠ってるケイトの頭を優しく撫でる。
少し髪の毛も生えてきて可愛い。
目つきは狐目に近い。
リーン家の遺伝子は強いな。
「ダンは採掘護衛でまだ帰らないし出来る家事はやろう。まぁ重いものは勘弁してくれ」
「大丈夫よ。貴方は少し休んでで」
何だか俺がレベッカにあやされてる気分だ。
ケイトがある程度成長しないと親父としての実感は沸きずらいのか?
いずれにせよ家庭を守らねばな。
丁度食材を切らしていた為買い物に行く。
一応マニューリンも持ってる。
「お!英雄のジャンだ!!買い物かい?」
「そんな所だ。新聞は鵜呑みにするなよ」
「へへっ。謙遜するこたぁ無いぜ。荷物持つぜ」
「ありがとう」
片手が使えない為有り難く恩恵に預かる。
誰かが何処かで見ている。
そして知らぬ間に支えられている。
人は1人では生きられない。
それは子供も大人も同じだな。




