生命
俺は今病院の待合廊下にいる。
手前には手術中の文字が見える。
デザートストーンの医療では分娩室に母体と医師以外立ち会い出来ない。
昔は家族の立ち会いも許されていたが、衛生的な問題や母子の感染症対策で許されなくなった。
戦争でマンパワーが不足している時などは尚更慎重になるのだろう。
オギャー、オギャーと元気な声が向こうから聞こえる。つい立ち上がってしまう。
早く我が子に会いたい。
実際に会えるのは次の日からだが、心配だ。
レベッカのみ台車に乗せられてやって来る。
「よくやった!ありがとう」
「貴方も立派な父になったわね」
疲れ切った顔で微笑む。
「お父様のジャン様ですね?元気な女の子です。おめでとうございます」
看護婦からそう告げられた。
男でも女でも良い。ありがとう。
「家の事はダンに任せている。今日はゆっくり休んでくれ」
「動きたくても動けないわ‥フフッ」
「フッ‥そうだな」
野宿には慣れているが、手を握ったまま椅子で寝るのはぎこちない。
次の日我が子を見るためにレベッカを車椅子で押しながら向かう。
仕切りとカプセルが凄く邪魔だが致し方無い。
「あの子が私たちの子供よ‥」
「あの子が‥」
スヤスヤと気持ちよさそうに眠る我が子をずっと眺める。可愛いもんだ。守らねばな。
「ケイト‥大きくなれよ」
「せめて可愛くなれぐらい言いなさいよ」
名前はケイト•リーン 女の子だ。
暫くレベッカは産休を取るが、今後保安官を続けるかどうかは分からない。
「愛してるぞ。ケイト、レベッカ‥」
何も言わずレベッカは嬉しそうに手を握った。
文明レベルは過去の物ですが、戦争が定期的にあるために医療技術や軍事技術の進歩は割と早い傾向にあります。
出産前後の描写は正直上手く描けなかったと思います。
ご指摘あれば幸いです。




