訪問
俺とヤンはワザと時間をずらして家に向かった。
あくまでも来客を装うつもりだ。
昼過ぎ頃ヤンの自宅を尋ねた。
「ジャン。来てくれてありがとう。入ってくれ」
軽く挨拶をして入る。
「ジャンさんだね?わざわざありがとう。こんな年寄りの為にすまないねぇ」
ヤンの母だ。腰は曲がっていないがそれなりの高齢だ。
「ドラゴンハンターのジャン!いらっしゃい!お兄ちゃんの話本当だったんだ!」
俺はヤンの妹にツッコミを入れたいが、まぁダンより幾らか年下みたいだ。しょうがない。
「夕方過ぎても来なければ1度帰る。その時は明日も来るが良いか?」
「あぁ良いとも。コーヒーでも飲んで寛いでくれ。」
「わたしクッキー焼いたんだ。食べて!」
利発な妹に押されながらコーヒータイムを楽しむ。
飯など食べてしまうと緊張が解けるためこれぐらいが良いかもしれない。
「クッキー美味かった。良いお嫁さんになれるね」
せっかく作ってくれたんだ。これくらい言わねば。
「本当に!やった〜!ジャンのお嫁さん!」
「俺は既婚だが‥お世辞でも嬉しいよ」
「うそ‥お兄ちゃん教えてくれなかった〜」
可愛いもんだ。この笑顔、絶やすわけにはいくまい。
俺とヤンはそれぞれ銃の確認をした。
モーゼルもマニューリンも問題ない。
母と妹には壁の厚い安全な部屋にいつでも退避出来るようにしてもらった。
「ヤン。いつも奴らは表から発砲するんだな?」
「あぁ。そうだが」
「裏口から俺はあらかじめ出て様子を伺う。奴らが来たら迎撃して注意をお前に向けろ。その間に奴らに近づく」
「わかった。それで頼む」
こうして作戦を立てて夕方を迎える。




