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ライフリング  作者: 羽田憲二
第4章
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藁にすがる

運搬ルートを変更したおかげか最近はドラゴンに遭遇する事はない。

最新のグレネードランチャーを2丁配備出来たのは嬉しい限りだ。いざとなったらこいつをブッ放す。


ちなみに射手は俺以外の2名だ。

どうも俺は「銃」の扱いの方が得意だ。

とは言え訓練は行っている。


そろそろレベッカのお腹もいつへこむか分からない時期になってきた。

家事などは暫く俺とダンがやらなくてはな。

1人の時間が長かった俺はあまり難しくないが、

弟はレベッカに任せっきりだった為苦労している様だ。

それは幸せの証拠だ。恥じる事はない。


「嬉しいけど、やる事がないのは少し寂しいものね」


「赤子が産まれたら面倒は暫くお前に任せる事になる。今のうちに暇を楽しんでくれ」


「そうね。貴方やダンには買い物を頼むわ」


「任せろ‥」

俺はいつものように出勤した。


運搬途中で久しぶりにデスワームに遭遇した。

襲いくる事は無かったがやはりキモいな。


無事に護衛も終わり商会の部屋で寛ぐ。


明日の準備や銃の手入れをしていると、ドアの隙間から1枚の紙が差し込まれた。

走り去る音が聞こえる。


中身を確認する。


《ジャンすまない。お前が大事な時期なのは分かる。金は弾むから俺を助けてくれ。明日の護衛が終わり次第、商会の車庫で会おう》


なるほどな。面倒だ。

だがこれは護衛仲間の頼みでもある。

話を聞いてから今後を考えるしかない。

罠なら迎え打つだけだ。


いつもより念入りにマニューリンを磨いた。


次の日護衛終了後に車庫に向かった。

既に人影はあった。どうやら1人みたいだ。


「ヤン。お前か、俺を呼び出したのは?」


「恩に着る。ありがとう」


「いや待て。話を聞いてから判断する。女房と赤子を養う義務が有るからな」


「以前STGの運搬で襲撃されたのは覚えているだろ?あの中の一味に最近狙われている」


「待て。軍が駆けつけて歩兵と大砲で一掃したじゃないか?なぜ生き残りがいる?」


「俺も知りたいよ‥。だが事実だ。あの場にいた者しか分からない事を知っていたからな」


護衛仲間のヤンはあの時共に敵を撃退した1人だ。

軍が駆けつける前に数名を取り逃したらしい。

生き残りにたまたま顔を覚えられたヤンはどういう訳か狙われているのだと言う。

庭先に空薬莢をばら撒かれたり、投書などだ。

1度怪しい影に向かって所持しているモーゼルで撃ったらしい。翌朝血が残っていた為手ごたえはあった。


それから暫くは音沙汰無かったが、ある日から夕方辺りに銃撃を受ける事があったみたいだ。

暗闇の為人数は分からないが2、3人くらいだと言う。

ヤンは独身だが高齢の母と妹を世話している。

保安官に相談したが、パトロールや訪問日を掻い潜って来るみたいだ。実に悪質な奴らだ。


俺も命は惜しいが、コイツも似たものだ。

必要な手立てが効かない以上やるしかない。


ヤンの予想では明日から明後日はパトロールの空白期間みたいだ。丁度俺たちが休みに入る頃だ。


レベッカと弟には電報で連絡した。

ちょっと怒られるかもしれないな‥。


「お前はモーゼルで援護してくれ。母と妹から離れるな。俺は来客を装って行く。その事を家族に伝えてくれ」


「分かった。助かる」


上級射手でも人は人だ。俺の様に躊躇なく人を殺める方が珍しいのかもしれないな。

何かとトラブルに巻き込まれるが放っておけないジャン。

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