迎撃
二手に別れたトラックはそれぞれの道を全速力で走る。
ドラゴンが食いついたのは俺がいる車列だ。
何故いつもこうなる?死んでたまるか!!
応戦出来る人数はたかが3,4名だ。
銃弾が有効かも分からない‥。
ドドドド!!ドドドド!!
荷台の護衛たちがSTGを撃ちまくる。
確かに着弾はしているが、翼•足•腹の何処にもダメージは無いようだ。どうする?
これまでの経験より目を狙う事にした。
ドン!ドン!ドン!
単発で射撃する。5,6発目で漸く掠ったみたいだ。
グゴ〜〜!!グゴ〜〜!!
微妙に鳴き声が変わりやや距離が離れた。
次の瞬間猛スピードで車列に接近してきた!
俺のいるトラック目掛けて足を伸ばしてくる。
しまった!
トラックの荷台を大きな両脚が掴む。
屋根から鉤爪が貫通してきた!
ドドドドドドド!!
真上に向けて一弾倉が空になるまで撃ち続けた。
耳がキーンとして頭がフラフラする。
少しの間があってドラゴンは鉤爪を引っ込めた。
外を見る。
依然として奴はいるがそれなりに距離を取っている。
よく見ると尻尾の真ん中辺りから出血している。
これはイケるかもしれない!
少々外道だが命がかかっている。やるしかない。
ドラゴンがホバリングをしてから一気に接近してきた。
STGの弾倉は既に交換した。マニューリンも剥き出しだ。今だ!!
両脚と尻尾の間の僅かな隙間に銃弾を注ぎ込む!
グガー!!
効いてるぞ!
また少し離れたところでマニューリンを構える。
遠距離射撃は久々だ。
ズガーン!ズガーン!ズガーン!
3発隙間に撃ち込んだ。
ドラゴンはボトボトと出血して車列から離れて、森へ帰って行った‥。
商会へは2時間遅れで戻る事が出来た。
「お疲れ様です。見事な活躍ぶりでしたね」
執事のクラントが労いの言葉をかける。
改めて帰って来たと実感した。
「トラックを穴だらけにしてすまない」
「ジャン殿の対応は最善でした。寧ろ死傷者ゼロでドラゴンを1人で撃退したのは賞賛に値します!」
「運搬長や仲間がいなければ死んでたかもしれない」
「そんな事は無いよジャン君!やはり君を雇って正解だったよ。ご苦労様」
会長のトラビスも励ましてくれる。
「ジャン!お前はやっぱ強いな!」
「ドラゴン狩りのジャン!」
「商会の英雄だな」
「股間のジャンはドラゴンか?ガハハ!」
最後言った奴出てこい!
何だか照れ臭くニヤけてしまう。
「お前もっと笑えよ〜!」
「俺のギャグが効いたんじゃないか?」
「それは無いな」
「皆んなありがとう‥」
いつもより少しだけ歯を見せて笑う。
「これからも頼りにしてるぜ!」
「ドラゴン元気ないぞ?」
フッと笑って自宅に帰る。
ようやく打ち解け始めたジャン。
射撃技術は一流のまま。




